著者
木原 雄治 岡村 怜王奈 中嶋 泰 井筒 隆 中本 正幸 吉原 務
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.725-734, 2006-10-01
被引用文献数
1

DRAM技術とSRAMで実績のあるTFT技術を用いた新しいメモリセル技術を用いて,16Mビットの低消費電力SRAM (SuperSRAM)を開発した.微細化が進むことでソフトエラー,V_<CC>下限動作等の問題が顕在化し,大容量化を進めていく上での難易度が高くなりつつあるSRAMに対し,小面積化が可能なDRAMメモリセル技術を用いてコストの上昇を伴うことなく諸問題を解決するとともに回路技術を駆使して非同期動作のSRAMとの完全互換を実現した.主に設計的観点から当デバイスの特徴を述べる.
著者
門田 道雄 吾郷 純也 堀内 秀哉 池浦 守
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.292-300, 2003-03-01
被引用文献数
5

弾性表面波(SAW)フィルタは,携帯電話の重要な部品の一つである.SAW共振子型フィルタは,すだれ状電極(IDT)の両側に構成されたグレーティング反射器内で閉じ込められた二つのモードを利用して実現されるため,挿入損が小さい.Shear horizontal(SH)波は,基板端面でモード変換なしに完全反射する.従来の共振子型フィルタはIDTの両側にグレーティング反射器を必要としたが,筆者らはこのグレーティング反射器の代わりにSH-SAWの端面での反射を利用したグレーティング反射器の不要な小形な共振子フィルタを実現した.
著者
森本 敏文 森 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.23-29, 2000-01-25

電子ビームを低圧力(〜10^<-4>Torr)のガス中に注入すると, ビーム・プラズマ相互作用により, 様々な波動が生じる.これらの波動は境界条件を考慮したTrivelpiece-Gouldモードで表されるが, その成長率を求めることはこれまでほとんど行われていない.本論文ではTrivelpieceとGouldの用いた線形分散関係式を改めて複素数で計算し, その結果から, ビーム・プラズマ系において, ガス圧力を変化した場合, どのモードが強力に励起されるかを明らかにする.また, この計算による波動の性質と我々の実験結果を比較検討する.
著者
大川 典男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.301-303, 2009-07-01
被引用文献数
1

小信号電圧増幅回路において帯域利得特性,消費電力に関して一元的に評価する性能指標APIを考案した.APIを最大値に設定すると,最も効率の良いと考えられるFETの動作点に自動的に設定されることが分かり,APIによる評価の妥当性を示した.
著者
亀井 利久 内海 要三 森武 洋 戸田 耕司 鈴木 洋介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.1149-1158, 2002-12-01
被引用文献数
24

マイクロ波・ミリ波帯における可変遅延線などのアダプティブデバイスへの液晶の応用を目的に,5種類のネマティック液晶の複素誘電率と電圧印加に対する応答時間を測定した.誘電率については,液晶分子長軸が高周波電界と平行のときの比誘電率の実数部ε´_//と垂直のときの比誘電率ε´_⊥を,またtanδについてもtanδ_//,tanδ_⊥を求めた.これら液晶の誘電特性の測定においては,10kHz〜13MHzについては,ラビング処理を行ったITOガラスにサンドイッチされた液晶セルのキャパシタンスとコンダクタンスを直接測る方法を用い,100MHz〜40GHzについては,長さの異なる2本の同軸管に液晶を充てんし,それぞれの群遅延量及び伝送損失の差から求めるカットバック法を新しく提案している.低周波領域における誘電緩和を確認するとともに,特に3〜40GHzにおいては連続的な周波数変化に対応する形で誘電特性を示した.その結果ε´_//は3,ε´_⊥は2.5程度の値で周波数に依存せずほぼ一定となり,二つの配向方向による誘電率の差である△ε´は材料によって0.4から0.8と大きな差異を示し,最適材料選択の重要な指針となることがわかった.また,偏光方向を平行に配置した2枚の偏光子の間に液晶セルを配置し,He-Neレーザ(632.8nm)を液晶セルに照射し,透過光をホトダイオードで検出する方法で応答時間の測定を行い,液晶をアダプティブデバイスに用いたときの高速性について検討を行った.更に,二つのネマティック液晶の測定結果を用い,20,30,40GHzにおける可変遅延線の設計についての考察を行い,具体的な液晶材料選択の指針を与えた.
著者
後藤 信夫 宮崎 保光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.1272-1281, 2003-12-01
参考文献数
12
被引用文献数
13

導波型コリニア音響光学素子は波長分割多重(WDM)光に対して波長選択的にスイッテできるためWDMルーチング用のスイッチヘ応用が期待できる.本論文では,方向性結合導波路とY分岐部からなる素子における波長選択スイッチング特性を評価するためFDTD法を用いてシミュレーションを行った.シミュレーションの結果をモード結合理論による結果と比較し両者の一致を確認した.また,長尺相互作用領域における音響光学結合特性を解析するためセグメント分割領域において光パルスを伝搬させる方法を検討した.
著者
中村 克己 南澤 裕一郎 豊田 啓孝 古賀 隆治 和田 修己 斎藤 義行 中村 篤
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.833-842, 2006-11-01
被引用文献数
22

筆者らは,LSIの電源系高周波電流による電磁妨害波(EMI, Electromagnetic Interference)のシミュレーションを目的としたEMCマクロモデルとしてLECCS-coreモデルを提案している.本論文では複数種の電源端子を有し,かつ,異なる電源種の回路間が電気的に結合しているLSIに対し,LECCS-coreモデルの構築方法を検討した.実際に3種類の電源端子を有するマイクロコントローラH8/3694Fを用いて, Sパラメータ測定と等価回路変換から等価内部インピーダンスを抽出した.次に,測定した等価内部インピーダンスと電源端子電流より,位相情報をもつ内部電流源を電源種ごとに導出した.作成したモデルの検証として,バイパスコンデンサによるデカップリング効果をシミュレーションし,実測と比較した.その結果,約300MHzまでの電源系高周波電流を精度よくシミュレーションできることを示した.
著者
新井 俊希 北村 和也 米内 淳 大竹 浩 林田 哲哉 丸山 裕孝 バン クイク ハリー 江藤 剛治
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J94-C, no.9, pp.252-260, 2011-09-01

最高撮影速度が200万枚/秒の30万画素超高速度CCDを開発した.この超高速度CCDはフォトダイオードと読出し用垂直転送路の間にフォトダイオード1個につきそれぞれ144個のCCDメモリを配置した特殊な構造により構成される.全画素一斉の並列動作で信号電荷をCCDメモリに記録することで超高速度撮影が可能になった.超高速度CCDの最高撮影速度を見積もるため,フォトダイオード中の電荷の移動時間により制限される最高撮影速度と,CCDメモリに印加される電圧波形がなまり,電荷転送容量が低下しその結果飽和信号レベルが低下することで制限される最高撮影速度について検討を行った.その結果,電圧波形なまりに起因する飽和信号レベルの低下が最高撮影速度を制限する主要因であることが明らかになった.対策として分割駆動と配線抵抗の低減について検討を行い,いずれも効果的であることを示した.計算結果を踏まえて,分割駆動の分割数を8とし画素配線抵抗を2分の1に低減することを行った超高速度CCD-V6を新たに設計し素子を試作した.駆動評価実験の結果,飽和信号レベルは30万枚/秒まで100%を維持し,100万枚/秒において50%,200万枚/秒において13%が得られていることを確認した.200万枚/秒におけるダイナミックレンジは36.8 dBであり,映像信号6ビット相当が得られていることを確認した.
著者
打矢 匡 柏 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.1122-1125, 2001-11-01
参考文献数
4
被引用文献数
25

スーパコンピュータは数T FLOPS/数百GByteの性能をもつに至っている.本研究では, 汎用的電磁界解析法であるFDTD法についてMPIを用いて並列型スーパコンピュータに対応した並列化を行い, その実行性能を調べた.
著者
四戸 雄介 羽石 操 木村 雄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.1063-1073, 2005-12-01
参考文献数
15
被引用文献数
5

本論文では, ひし形マイクロストリップアンテナ素子(以後, RH-MSA)に逆V字型のスリット素子を複数個装荷し, マルチバンド特性を実現させるマルチバンド平面アンテナ, すなわち, スリット装荷RH-MSA素子の構成法と放射特性について述べる.電磁界シミュレータを用いこれらのアンテナ系の特性を求めたところ, リターンロス特性及び放射パターンなどの特性がC-バンド及びX-バンドにおいて良好なマルチバンド特性を示すことが明らかにされた.また, 本アンテナ系のマルチバンド特性を検証するため, スリット装荷RH-MSA素子が試作された.リターンロス特性などの実測値はシミュレーション結果と設計上有意な範囲で良い一致を見た.これらのことより, 本アンテナ系がマルチバンド用の平面アンテナとして有用な一形式となり得ることが明らかにされた.
著者
森下 陽平 荒木 純道 細川 嘉史 齊藤 典昭 倉科 隆 松澤 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.90, no.12, pp.903-912, 2007-12-01
参考文献数
15
被引用文献数
11

本論文では,ダイレクトサンプリングミクサ(DSM)の広帯域化の手法を提案する.DSMを縦並列に構成することにより,単一の初段アンプで伝達関数の高次化を実現する.更に,高次化された伝達関数に対し,減衰極設計を提案する.また,トランスコンダクタンスアンプ(TA)の出力コンダクタンスと寄生容量が縦並列構成の利得の低下をもたらすことを示し,次にその利得低下を改善する手法を提案する.提案方式の有効性を確認する目的で測定評価を行ったので報告する.
著者
佐藤 弘明 吉田 則信 宮永 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.954-963, 2001-10-01
被引用文献数
22

フォトニック結晶は, ある波長帯の光を強く遮へいするストップバンド特性(フォトニックバンドギャップ:PBG)を有し, 光ファイバやスラブ導波路のような弱導波の導波路では実現できない波長程度の鋭い曲がり等を有する微細構造デバイスの製作の可能性が期待されている.しかし, それらの設計・製作には多くの困難が予想され, シミュレーションによる特性の把握と予測は必要不可欠であり, これまでFDTD法やBPM等で解析されてきている.特に, 機能的光回路デバイス製作のためには, 分散性や非線形効果を有する誘電体を含むフォトニック結晶光導波路構造の全体的解析が必要不可欠である.本論文では, 凝縮節点空間回路網における媒質条件の取扱いの特長を生かして, 種々の媒質を含んだフォトニック結晶光導波路構造の基本特性について明らかにする.
著者
奥村 治彦 内田 龍男 金子 節夫 下平 美文 内池 平樹 服部 励治 中西 洋一郎 山崎 映一 中本 正幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J92-C, no.8, pp.433-453, 2009-08-01

2002年には,金額ベースでは,FPD全体の市場がCRT市場を超え,特に成長が著しくFPDの活躍の場である携帯電話を中心としたモバイル市場はもとより,最近になって,CRTの最大市場であるテレビ受像機市場でも逆転現象が発生するまでにFPD市場が急成長してきた.このような中,本論文では,中心的な役割を果たしてきたCRTと,その主役を引き継ぐFPD(LCD,PDP,EL,FEDに分類)について,ここ40年のそれぞれの技術進化を振り返り,将来を展望する.
著者
渡辺 重佳
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J92-C, no.8, pp.467-476, 2009-08-01

本論文では現在の半導体メモリ市場の主流製品であるDRAM,フラッシュメモリと今後の大きな市場が期待される FeRAM ,MRAM,PRAM, ReRAM 等の新型メモリの過去40年の歴史とその将来展望に関して述べる.DRAMではメモリセルの構造とメモリセルサイズの縮小が重要であり,その高速性のため,パソコンの主記憶等に使われる.マルチメディア情報の記憶媒体として使われるフラッシュメモリは不揮発性特性と低コスト技術が重要であり,低コスト化のため多値化,積層化が進められている.新型メモリは近い将来は各メモリ固有の研究開発状況に合わせた製品化が重要だが,将来はDRAMとフラッシュメモリの特性を併せ持つユニバーサルメモリの実現が期待される.
著者
榎本 忠儀
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J92-C, no.8, pp.477-487, 2009-08-01

動画像符号化プロセッサLSI(符号化LSI)が世界で初めて開発されたのは1987年であった.その後飛躍的な発展を遂げ,現在のディジタルマルチメディア時代が築かれた.本論文では,まず符号化LSI開発の歴史を振返る.次に符号化LSIの高速化・高性能化・低電力化を実現するために開発された各種技術を解説する.更に, MPEG-2 符号化LSI, MPEG-4 符号化LSIのチップアーキテクチャ,機能,特徴,H. 264/AVCのチップ応用を詳述する.最後に,将来に向けた符号化LSIの低電力化技術に言及し,符号化LSIの将来を展望する.
著者
佐々木 英樹 ゴビン ビヌー スリニバサン クリシュナ ダルミナ シダース サンダラム ベンキー スワミナッサン マダハバン トゥマラ ラオ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.874-884, 2006-11-01
被引用文献数
1

本論文では,ミックスドシグナルSOP (System-On-Package)を実現する際の電気的な課題の一つとして,RF回路とディジタル回路を混載したパッケージにおけるノイズ干渉メカニズムについて検討している.SOPとは,ディジタル,アナログ,RF,オプト,MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)などの異種デバイスを一つのパッケージ内に組み込むことで今後の複雑化するシステムをワンパッケージで実現するというコンセプトであり,現状,メモリチップとロジックチップで構成されたシステムインパッケージ(SiP)を包含するものである.本検討では,ディジタル回路と,受動素子を基板に内蔵したRF回路を混載したテスト基板を用いて,ディジタル回路のレイアウトを変えた際のRF回路に与える影響を評価し,二つのノイズ干渉メカニズムを抽出している.
著者
渡辺 重佳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.658-660, 2003-06-01
被引用文献数
18

動作時の微細MOSFETのゲートリーク電流が低消費電力用2電源(V_H,V_L)方式に及ぼす影響について解析した.ゲートリーク電流によるシステムLSIの動作時の消費電力は従来の充放電による消費電力同様にV_L/V_H=0.6〜0.7で最小になり,消費電力の削減効果は充放電のときよりも更に15%程度大きくなる.
著者
坂本 雄児 長尾 智大
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.150-157, 2002-03-01
被引用文献数
2

計算機合成ホログラフィ(Computer Generated Holography)は,計算機内の仮想的な物体から立体像を表示する技術であり,立体的な視覚特性を満たす表示方式として注目されている.しかし,ホログラムを作成するのに必要な光の伝搬計算に膨大な時間がかかる問題点があった.本論文では,物体のモデリング手法として,物体を基本的な図形によって定義するパッチモデルを用い,このモデルよりの高速なホログラム計算法を提案する.更に,計算機シミュレーションによりアルゴリズムの検証を行うとともに,本提案法を用いて作成したホログラムによる光学実験結果を報告する.
著者
三上 修 内田 禎二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.715-726, 2001-09-01
被引用文献数
20

飛躍的に増大した情報の円滑な伝送・処理を行う上で, 従来の「金属配線」による電気信号伝送がシステム性能向上のボトルネックとなっている.この解決のため, 新たに光エレクトロニクス技術によって情報伝送を担う「光配線」の必要性が高まっている.しかし配線上, 寸法上, 信号の伝わり方等でエレクトロニクス(電気)とは異なる「光の特殊性」のため, 集積化や実装技術面で深刻な課題にぶつかっている.本論文では, まず電気配線と比較して光配線が有する利点について述べる.次に階層別の光実装技術の現状について簡単にレビューする.最後に, ボードレベルの光実装問題の解決を目指して本学で進めている光表面実装技術について, 基本概念といくつかの実験結果を紹介する.
著者
斗内 政吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.323-332, 2002-05-01
被引用文献数
2

フェムト秒光パルス励起に伴う高温超伝導体の超高速電荷ダイナミックスを研究する手段として,テラヘルツ電磁波放射を用いることを提案し,その時間領域波形から,雪崩崩壊過程,ホットエレクトロンのバンド内緩和,準粒子再結合過程,対粒子の動的振舞いなどが議論でき得ることを明らかにする.また,超高速光超伝導電流変調により,従来の超伝導理論では許されない,超伝導内部における磁束量子の生成と制御が可能であること,並びにその現象の応用展望についても報告する.