著者
茶屋道 拓哉 山下 利恵子 有村 玲香 大山 朝子 高橋 信行 チャヤミチ タクヤ ヤマシタ リエコ アリムラ レイカ オオヤマ アサコ タカハシ ノブユキ Takuya Chayamichi Rieko Yamashita Reika Arimura Asako Oyama Nobuyuki Takahashi
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.21-30, 2020-12-01

本研究は2020年度における鹿児島国際大学福祉社会学部のソーシャルワーク実習(社会福祉士養成課程)を素材に、COVID-19流行下における①学内代替実習の具体的プログラム内容、②学内代替実習の運営、③実習の5者関係から見た学内代替実習に対する一定の評価、について精査した。学内代替実習プログラムは当事者不在になりがちであったが、「ソーシャルワーク視点・地域アセスメントの可視化」を試みた実習指導者によって実習生とイメージの共有化を図ることができていた。ただし、実習を取り巻く5者関係から再検証すると、実習生が体験すべき「リアリテイ」については不足し、実習生自身の課題が何なのか向き合う機会(成長の機会)の確保が課題であった。また、学内代替実習の運営については様々な課題があったものの、担当するスタッフのチームワークや組織マネジメントによって対応することが可能であった。
著者
大山 朝子 オオヤマ アサコ Asako Oyama
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.2-19, 2018-12

本稿は、社会福祉サービスにおける地域の中核的行政機関として位置づけられている福祉事務所の動向をふまえ、福祉事務所における実習体制およびプログラム等から実習教育の現状を整理し、今後の課題を展望することを目的とした。その結果、福祉事務所における社会福祉実践体制の変化による受入れ先の縮小化、実習指導者の確保の困難さ、実習の受け入れ体制の不統一性等の課題が確認できた。課題を解決するには、福祉事務所に対し、実習の協力を義務づけるような政策的な姿勢が必要である。と同時に福祉事務所側に実習生を受入れることの意義を理解してもらうことが不可欠である。
著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.75-94, 2015-10

口永良部島は屋久島の西方12kmに位置する。海岸線長49.67km、面積38.04km²、最高標高657m、(古岳)である。2014年8月3日に34年ぶりに噴火し、現在火口半径2km以内は警戒レベル3で入山規制がなされていた。そのため今回の調査は火口半径2km以外のひょうたん型の突き出た半島を主に調査を行った。この調査で、101科280種の植物(シダ植物9科25種、裸子植物5科5種、双子葉植物71科185種、単子葉植物16科65種)を観察した。 シカとヤギによる食害が広くみられた。調査日:2015年5月3~5日
著者
佐々木 陽子 ササキ ヨウコ Yoko Sasaki
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.1-15, 2015-10-01

「老い」から「死」への連なりは、我々の多くが辿ることになる道程である。だが、特殊な場合を除き、若さとは「老い」も「一人称の死」も忘却して生きることのできる特権的時代であり、若者の時間は未来にある。それに対し、老人の時間は過去にある。近年、ボーヴオワールの『老い』の翻訳本が、40年ぶりに新装版として再出版された。本書は、「老い」をめぐる通時的・共時的な先行研究の宝庫であり、民族学、文学、社会学、文化人類学などの知見を用いて「老い」を鳥撤的に描き出す。老いに付きまとう孤独感や不安は、人間存在の実存的な問いを投げかけつつも、階級などの変数によって「老い」のあり様の差異をも告発する。現代社会における若さの賛美は、裏を返せば「老い」の隠蔽であり、さらには、「一人称の死」の不可視化にも連なる。だからこそ、今「老い」を改めて問い返すことに意味があると考える。本稿の「老い」の考察を通じて、その後、棄老物語分析へと繋げていきたい。
著者
井手口 彰典
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.87-99, 2013-03-01

「同人音楽」と呼ばれる実践が日本で拡大・浸透を続けている。同人とは本来 「趣味を同じくする仲間」を意味する言葉であったが、今日ではいわゆる「オタク系文化」と密接に関連した語として理解されていると言ってよい。オタク(やその文化)は現代日本を象徴する現象として既に世界的に知られており、その研究も活発であるが、しかし一方で同人活動については、未だ手つかずの課題が多く残されているように見受けられる。ならば、同人活動の一端である同人音楽について論じることは、単に新興の音楽実践の内情を明らかにするというのみならず、現代日本文化の一側面を理解する上でも大きな意義があると言えるのではないか。そこで本論文では、まず同人音楽の具体的な活動内容を記述し、次いで当該実践を支える4つの環境要因の抽出を試みる。さらに同人音楽の本質を「妨げられない」という点に求め、その可能性を考究する。
著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.43-55, 2016-10-01

蘭牟田池は薩摩川内市祁答院町にあり、面積0.63平方キロメートル、周囲長2.7km、最大深2.7mの火山湖である。水面の標高は295mで「泥炭形成植物群落」として国指定の天然記念物になっている。4回の調査で、91科281種の植物(シダ植物8科14種、裸子植物5科7種、双子葉植物63科196種、単子葉植物15科64種)を観察した。調査日:2011年10月30日 2013年8月26日 2015年10月13日 2016年2月19日
著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.43-55, 2016-10-01

蘭牟田池は薩摩川内市祁答院町にあり、面積0.63平方キロメートル、周囲長2.7km、最大深2.7mの火山湖である。水面の標高は295mで「泥炭形成植物群落」として国指定の天然記念物になっている。4回の調査で、91科281種の植物(シダ植物8科14種、裸子植物5科7種、双子葉植物63科196種、単子葉植物15科64種)を観察した。調査日:2011年10月30日 2013年8月26日 2015年10月13日 2016年2月19日
著者
佐々木 陽子
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.13-26, 2016-10-01

「棄老研究」の4種のアプローチ(民俗学・法理学・文学・映像作品)のうち、本稿は文学的アプローチに光をあてる。民俗学は棄老習俗が実在しなかったとしているが、文学的想像力は「老いと死」の深淵を問いかけるテーマとして、棄老を繰り返し登場させている。本稿では戦後の棄老文学の代表作ともいえる、深沢七郎の『楢山節考」、村田喜代子の「蕨野行』、佐藤友哉の『デンデラ」の3作品を扱う。労働力として役立たずの老人を棄てることで、赤貧の村は生き延びる。この棄老の掟は主人公の老婆たちに受容され、棄老地での死は宿命として甘受される。3作品が描き出す絵柄は異なるが、主人公の老婆たちの棄てられることに対するものわかりの良さ、浄土への憧慢と共振することで死を厭わない心性が生み出されることなどが共有されている。本稿では、舞台の空間構成、主人公の死生観、「棄老」のしくみなどを変数に、3作品を比較考察する。
著者
佐々木 陽子
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-14, 2016-07-01

日本とメキシコとは14時間もの時差があり遠く離れている。しかし、死者に飲食物を供える習俗を共有している。西欧の献花台にあるのは、ろうそくと花のみで、西欧の合理主義的見地からは「死者は食べない」と言われる。日本では、死してものどが渇き飢える死者・像が受容される。日本のお盆では今もって一部の地域では墓前飲食が行われている。メキシコの11月1日・2日の「死者の日」は、お盆同様に死霊を墓で歓待し飲食物で迎える。日本では迎え火をたいて霊魂が迷わないようにと、メキシコではオレンジ色のマリーゴールドの花びらを墓から家路までまいて死霊が迷わずに到着できるように配慮され、死者は家人に招き入れられる。日本との類似性を見出しつつも、メキシコではガイコツのお菓子・おもちゃが充満し、「死を笑う心性」「死しての平等」の譜誰と歪んだ平等性は、メキシコの歴史と深い死生観に根差していることを考えさせられる。

1 0 0 0 IR 亀ヶ丘の植物

著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.61-78, 2016-07-01

亀ケ丘は南さつま市大浦町にあり、標高約360mの草原の丘で、角れき凝灰岩の奇岩が見られる。特記すべき植物として、ツメレンゲ、コゴメイワガサ、オンツツジ、ノヒメユリ、オキナワチドリがある。3回の調査で、79科209種(シダ植物11科24種、裸子植物3科3種、被子植物双子葉57科144種、被子植物単子葉8科38種)の植物を観察した。 調査日:2011年4月23日 2011年8月29日 2011年10月23日Plants of Kamegaoka are 79 family 209 species (Pteridophyta 11 family 24 species, Gymnospermae 3 family 3 species,Dicotyledoneae 57 family 144 species, Monocotyledoneae 8 family 38 species) in three investigation.Special plants are Rhododendron weyrichii, Orostachys japonicas, Spiraea blumei var. amabilis, Lilium callosum, Amitostigma lepidum

1 0 0 0 OA 竹山の植物

著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.59-66, 2012-02-29

竹山は山川町に位置し、標高202mの突きだした玄武岩の山である。岩肌にソテツが自生し、国の天然記念物となっている。3回の調査結果、シダ植物7科17種、裸子植物3科3種、被子植物双子葉50科122種、単子葉8科28種、総数68科170種が観察できた。
著者
木戸 伸栄 キド ノブヨシ Kido Nobuyoshi
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.75-83, 2017-02

甫与志岳は大隅半島中央部にある肝属山系で最も標高が高い山(967m)である。登山道にはヘツカリンドウ・ミヤマシキミなどが生えている。登山道の尾根付近はナガバノモミジイチゴが繁っている。700m付近では、シシガシラ・アカガシ・ツルリンドウ・キッコウハグマなどが生えている。900m付近では、ツルホラゴケ・ヒメシャラ・タンナサワサワフタギ・ツルマサキ・ヒロハドウダンツツジ・ゴトウズル・コハウチワカエデ・ウリハダカエデなどが生えている。4回の調査で、63科143種(シダ植物9科19種、裸子植物3科3種、被子植物双子葉44科104種、被子植物単子葉7科17種)の植物を観察した。特記すべき植物として、アケボノツツジ、ヤマルリソウ、ツクバネソウ、タカクマホトトギス、ヤマジオウがある。 調査日:2008年11月25日 2008年3月1日 2016年2月2日 2016年4月16日Plants of Hoyoshidake are 63 family 143species (Pteridophyta 9 family 19 species, Gymnospermae 3 family 3 species,Dicotyledoneae 44 family 104 species, Monocotyledoneae 7 family 17 species) in four investigation Special plants are Rhododendron pentaphyllum, Omphalodesjaponica, Paris tetraphylla, Tricyrtis ohsumiensis, Lamiumhumile.
著者
角野 雅彦 カクノ マサヒコ Kakuno Masahiko
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-15, 2018-07-01

「保育相談支援」は、大学・短期大学などの保育者養成課程(幼稚園教員・保育士)に設置された必修科目の一つである。だが日本では、幼稚園と保育所の設置理念と発展経緯の違いから、相談支援の内容や対応が異なる。たとえば教育機関である幼稚園は、発達や学習の到達度、友人関係などを指導助言することが主で、保護者の精神疾患や貧困など、深刻な理由を背景とする相談支援は想定していなかった。一方、福祉施設である保育所は、さまざまな公的支援を必要とする家庭とその親を支えてきた長い経験を有している。所轄する文部科学省と厚生労働省の間でも「保育相談支援」の認識において隔たりがある。平成30年度以降の保育者養成課程幼稚園教員・保育士)のカリキュラム改正によって現在の「保育相談支援」は閉講となり、それぞれの課程で新科目が開設される可能性が高い。統合化が困難になった諸事情については今後も議論の余地がある。There are some different ideas in kindergarten and nursery school in the contents of counselling support from different of development process in Japan. For example, Parents of kindergarten's children have high income relatively, for that purpose kindergarten teacher often guides child's development and friend relation in parents and advises. Such advice is educational, not welfare-like. In fact, kindergarten teachers tend to provide support pointed after elementary school entrance. On the other hand, nursery school teacher has supported a difficult home with poverty and parent sickness. It's difficult to integrate a kindergarten and nursery school in teacher education. It's in the way to be different from concept and practice at kindergarten and nursery school in counselling support.
著者
木戸 伸栄 キド ノブヨシ Kido Nobuyoshi
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.75-94, 2015-10

口永良部島は屋久島の西方12kmに位置する。海岸線長49.67km、面積38.04km²、最高標高657m、(古岳)である。2014年8月3日に34年ぶりに噴火し、現在火口半径2km以内は警戒レベル3で入山規制がなされていた。そのため今回の調査は火口半径2km以外のひょうたん型の突き出た半島を主に調査を行った。この調査で、101科280種の植物(シダ植物9科25種、裸子植物5科5種、双子葉植物71科185種、単子葉植物16科65種)を観察した。シカとヤギによる食害が広くみられた。 調査日:2015年5月3~5日Plants of kutinoerabujmaare 101 family 280 species (Pteridophyta 9 family 25 species, Gymnospermae 5 family 5 species, Dicotyledoneae 71 family 180 species, Monocotyledoneae 16 family 65 species) in this investigation.The feeding damage due to the goat is thought to be a deer widely.
著者
深田 忠徳 フカダ タダノリ Fukada tadanori
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.43-52, 2017-07

本研究の目的は、サッカーの授業を行う現場教員へのインタビュー調査から、体育授業における「戦術学習」の実態及びそれに関する教員の意識について明らかにすることである。研究の方法は、サッカーの専門家としての豊富な経験を有する現場教員を選定して、半構造化インタビューを実施した。質問項目は、高等学校学習指導要領解説にある「ボール操作」及び「ボールを持たない時の動き」におけるそれぞれの「例示」に記された内容を設定した。結果、「安定したボール操作」というサッカーの基礎的技術となる個人スキルが獲得されていないなかで、「ボールを持たない時の動き」といったより専門的かつ戦術的なプレイが求められることに対して、教員側は指導に対して苦慮しており、学習指導要領と現場とは泥離しているとの認識があることが明らかになった。The purpose of this research is to clarify the actual situation of 'tactics learning' in physical education class and the consciousness of teachers from an interview survey to field teacher who do soccer classes.In the method of research, this study conducted semi structured interviews, choosing teacher who have extensive experience as soccer experts. For the question items, this study set contents described in each "example" of "ball control"and "movement when not holding the ball" in the explanation on the curriculum guidelines in high school.As a result, it was cleared that teachers are struggling with guidance and that there is recognition that the curriculum guidelines and the school side are divergent. Because even if students have not acquired the personal skills that become the basic techniques of soccer called "skillful ball control", teachers must respond to the demand for more professional and tactical play such as "movement when not holding the ball"
著者
佐々木 陽子 ササキ ヨウコ Sasaki Yoko
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.13-26, 2016-10-01

「棄老研究」の4種のアプローチ(民俗学・法理学・文学・映像作品)のうち、本稿は文学的アプローチに光をあてる。民俗学は棄老習俗が実在しなかったとしているが、文学的想像力は「老いと死」の深淵を問いかけるテーマとして、棄老を繰り返し登場させている。本稿では戦後の棄老文学の代表作ともいえる、深沢七郎の『楢山節考」、村田喜代子の「蕨野行』、佐藤友哉の『デンデラ」の3作品を扱う。労働力として役立たずの老人を棄てることで、赤貧の村は生き延びる。この棄老の掟は主人公の老婆たちに受容され、棄老地での死は宿命として甘受される。3作品が描き出す絵柄は異なるが、主人公の老婆たちの棄てられることに対するものわかりの良さ、浄土への憧慢と共振することで死を厭わない心性が生み出されることなどが共有されている。本稿では、舞台の空間構成、主人公の死生観、「棄老」のしくみなどを変数に、3作品を比較考察する。This paper adopts a literary approach. Folklorists hold that the practice of kirō (the practice of casting the elderly off intothe wilderness) never actually existed, but in literary imagination, it often appears as a way to explore old age and death.The paper focuses on three stories that can be seen as representative examples of post-war kirō literature: Shichirō Fukazawa's Narayama Bushikō, Kiyoko Murata's Warabinokō, and Yuya Sato's Dendera. By casting out elderly residentswho are unable to work, impoverished villages are able to continue with their daily lives. The elderly women who are themain characters of these stories submit to this practice, accepting it as their fate. Though the details of the three storiesvary, their characters share an attitude of understanding of their own abandonment, avoiding resentment of or resistance totheir deaths and instead filling themselves with longing for the Pure Land. I compare the three stories in terms of theirspatial construction of scenes, the characters' views on death, and their uses of kirō in their plots.
著者
越田 明子
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.17-32, 2004-12-30

奄美大島南端の瀬戸内町の養護老人ホームY園利用者から,聞き取り調査を実施し,利用者の語りを通して,離島高齢者の生活とY園の現況を考察した。調査対象である13名の利用者が暮らしていた,過疎化,高齢化する「島」は,健康であればよいところであるが,独りになり健康を害すると,移動や食事に困難を体験し,孤独で,辛いところであった。また,利用者は,Y園での生活に満足していた。Y園は,生活支援が少ない離島生活に代わり,他者との交流,安心した食生活,行事など,「島」のよい側面を提供し,離島高齢者の居宅生活機能を担っていた。今後は,良質な介護も備えた生活支援施設として,さらに必要とされると考察した。