著者
奥野 善則 又吉 直樹 石井 寛一 小林 啓二 Okuno Yoshinori Matayoshi Naoki Ishii Hirokazu Kobayashi Keiji
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-15-001, pp.1-47, 2015-12-09

JAXAの実験用ヘリコプタMuPAL-ε(ミューパル・イプシロン)は,我が国初の純国産民間ヘリコプタであるMH2000A型機を母機とし,様々な飛行実験に対応可能な実験用システムを搭載して開発された.2000年4月の運用開始から2013年2月の運用終了まで,JAXA内外の多くの研究開発に活用された.本稿では,その主な活用事例と研究開発成果の概要について報告する.
著者
寺本 万里子 松岡 彩子 野村 麗子 Teramoto Mariko Matsuoka Ayako Nomura Reiko
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-16-003, pp.1-22, 2017-02-20

ジオスペース探査(ERG)衛星に搭載される磁場観測器(MGF)のセンサ部(MGF-S)の地上較正試験を行い、感度とアライメントを決定した。MGF-Sに磁場を印加し出力値を測定することにより、誤差0.06%以内の高い精度でMGF-Sの感度を決定することができた。また、MGF-Sの軸間角度は直交から0.95度以内のずれを持ちその推定誤差は0.07度以内であった。MGF-Sのオフセットと感度の温度依存性を調べたところ、室温に対する相対感度は-20度Cから30度Cの間で、温度の差に対してほぼ直線的に変化することがわかった。一方、オフセットは温度に対し直線的な変化は見られなかったものの、再現性があることがわかった。以上の地上較正試験によって得られた感度とアライメント及びオフセットの決定精度はERGの観測期間の大部分で観測要求を十分に満たすことがわかった。
著者
渡邉 光男 永浦 克司 長谷川 敏 島垣 満 吉田 義樹 杉田 栄一郎 Watanabe Mitsuo Nagaura Katsuji Hasegawa Satoshi Shimagaki Mitsuru Yoshida Yoshiki Sugita Eiichiro
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-09-009, pp.1-6, 2010-03-31

本報告では,「極低温流体中でインデューサに発生するキャビテーションの直接可視化(その1:耐低温樹脂の特性検証試験結果)」で行った要素試験のデータを基に,更に極低温透視管に改良を加え,目標耐圧圧力7MPaを目指した検証試験について述べる。(その1)でネジ強度に課題のあったポリカーボネートは,ネジ山形の設計変更を行い,シールは新たにスプリング荷重式テフロンシールを選定し,シール構造にも改良を加えることで目標とする耐圧7MPaを達成することができた。また,ポリカーボネート樹脂の懸念材料であった低温脆性の劣化についても,熱サイクル試験を行うことで素材の潜在能力の高さを確認できた。これらの経緯と試験結果について報告する。
著者
中 右介 牧野 好和 進藤 重美 川上 浩樹 原田 賢哉 Naka Yusuke Makino Yoshikazu Shindo Shigemi Kawakami Hiroki Harada Kenya
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-11-004, pp.1-48, 2011-10-31

低ソニックブーム設計概念の実証と空中ソニックブーム計測技術の獲得を目的とする低ソニックブーム設計概念実証(D-SEND)プロジェクトにおいて,JAXA が開発した空中ソニックブーム計測システム(ABBA システム)を含むソニックブーム計測システム(BMS)の確認,及びD-SEND#2 飛行試験におけるダイブ飛行による低ブーム設計概念実証の可能性確認のため,実機を用いた飛行試験(通称ABBA Test #2)を実施した.係留気球の破損によりABBAシステムによる空中計測はできなかったが,地上ソニックブーム計測を通してダイブ飛行による低ブーム設計概念実証の可能性を確認するとともに,地上において正確にソニックブーム波形を計測する手法を確立した.また,ダイブ飛行特有の現象であるソニックブームのフォーカシング現象が観測され,フォーカスブーム推算技術の検証データが得られた.
著者
中 右介 牧野 好和 進藤 重美 Naka Yusuke Makino Yoshikazu Shindo Shigemi
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-10-012, 2010-12-28

低ソニックブーム設計技術の実証と空中ソニックブーム計測技術の獲得を目的とする低ソニックブーム設計概念実証(D-SEND)プロジェクトにおいて,JAXAが開発した空中ソニックブーム計測システム(ABBAシステム)の確認のため実機を用いた飛行試験(通称ABBA Test #1)を実施した.ABBAシステムにより大気擾乱の少ない地上1,000m付近において実機が発生するソニックブームを計測することに成功した.また,地上においてもソニックブーム計測を実施するとともに,地上建築物内部で観測される室内ソニックブーム,及び窓や壁などの建築物の振動データも取得した.
著者
川上 浩樹 進藤 重美 中 右介 Kawakami Hiroki Shindo Shigemi Naka Yusuke
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-12-005, pp.1-39, 2013-03-29

低ソニックブーム設計技術の実証データ取得と空中ソニックブーム計測技術の確認を目的とする低ソニックブーム設計概念実証(D-SEND)プロジェクトにおける落下試験時の供試体から発生するソニックブームを計測するブーム計測システム(Boom Measurement System: BMS)を開発した.これによりD-SEND#1 落下試験では,ソニックブームを空中及び地上で計測できた.ここでは,ブーム計測システムの開発結果とD-SEND#1 落下試験における運用について報告する.
著者
中 右介 牧野 好和 進藤 重美 川上 浩樹 Naka Yusuke Makino Yoshikazu Shindo Shigemi Kawakami Hiroki
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-12-004, pp.1-74, 2013-01-31

低ソニックブーム設計技術の実証と空中ソニックブーム計測技術の獲得を目的とする低ソニックブーム設計概念実証(D-SEND)プロジェクトにおいて,JAXA が開発した空中ソニックブーム計測システム(ABBA システム)を含むソニックブーム計測システム(BMS)の確認,及びD-SEND#2 飛行試験におけるダイブ飛行による低ブーム設計概念実証の可能性確認のため,実機を用いた飛行試験(通称ABBA Test #2)を実施した.前回(2010年9月)に実施した飛行試験では,係留気球の破損によりABBA システムによる空中計測ができなかったため,今回再試験を実施し,空中ソニックブーム計測によるダイブ飛行での低ブーム設計概念実証の可能性を確認した.また,今回は地上50mから1000m の間の6箇所の異なる高度に設置したマイクロフォンでの計測により,ソニックブームの伝播,ソニックブーム波形に与える大気乱流や地面反射の影響を検討する上で貴重なソニックブームデータが取得できた.
著者
吉田 憲司 赤塚 純一 石塚 只夫 伊藤 健 岩堀 豊 上野 篤史 郭 東潤 小島 孝之 進藤 重美 高戸谷 健 田口 秀之 多田 章 徳川 直子 富田 博史 中 右介 仲田 靖 永吉 力 野口 正芳 平野 義鎭 二村 尚夫 堀之内 茂 本田 雅久 牧野 好和 水野 拓哉 水野 洋 村上 哲 村上 義隆 山本 一臣 渡辺 安 大貫 武 鈴木 広一 二宮 哲次郎 静粛超音速研究機開発チーム Yoshida Kenji Akatsuka Junichi Ishizuka Tadao Ito Takeshi Iwahori Yutaka Ueno Atsushi Kwak Dong-Youn Kojima Takayuki Shindo Shigemi Takatoya Takeshi Taguchi Hideyuki Tada Akira Tokugawa Naoko Tomita Hiroshi Naka Yusuke Nakata Yasushi Nagayoshi Tsutomu Noguchi Masayoshi Hirano Yoshiyasu Futamura Hisao Horinouchi Shigeru Honda Masahiro Makino Yoshikazu Mizuno Takuya Mizuno Hiroshi Murakami Akira Murakami Yoshitaka Yamamoto Kazuomi Watanabe Yasushi Onuki Takeshi Suzuki Hirokazu Ninomiya Tetsujiro S3TD Design Team
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-10-007, 2010-07-10

宇宙航空研究開発機構では,将来のブレイクスルーとしての超音速旅客機実現を目指し2005年10月に飛行実験に成功した小型超音速実験機(NEXST-1)に引き続き,新たな飛行実験プロジェクトとして,2006年度より「静粛超音速研究機」(S3TD:Silent SuperSonic Technology Demonstrator)の予備設計に着手し,2008年~2009年度に基本設計を実施した.S3TDは,完全自律離着陸及び超音速飛行可能な無人機で,ソニックブーム低減技術を飛行実証することを目的としたものである.本報告書では,超音速飛行実験計画及び飛行実験システム(研究機システム及び実験場システム)の設計検討について,JAXAが独自に検討した成果及びJAXAとプライムメーカの契約に基づき実施された成果をまとめる.
著者
木村 大治 Kimura Daiji
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-14-012E, pp.45-49, 2015-03-27

This study considers human contact with extraterrestrial intelligence, the so-called "first contact" in science fiction, from the perspective of anthropology and communication theory. Science fiction has performed various thought experiments regarding whether and how mutual understanding is realized in such human-alien interaction circumstances. First contact can be classified into two categories: the scaffold for understanding based on rationality and objective truth, or on embodiment and internal understanding. Finally, we discuss the existence of another layer that we call the "stance of understanding," namely, the belief that "they must be trying to communicate."

1 0 0 0 OA 月面環境試験

著者
星野 健 松本 甲太郎 四宮 康雄 片山 保宏 藤原 勉 若林 幸子 岡田 達明 久保田 孝 大槻 真嗣 岩田 隆浩 Hoshino Takeshi Matsumoto Kotaro Shinomiya Yasuo Katayama Yasuhiro Fujiwara Tsutomu Wakabayashi Sachiko Okada Tatsuaki Kubota Takashi Otsuki Masatsugu Iwata Takahiro
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-06-008, 2007-03-30

月の1日は地球の1日=24時間を単位とすると29.5日である。従って、月の昼は14.75日、夜は14.75日となり、月の赤道付近のレゴリスの温度は、昼は120度Cまで上昇し、夜は-180度C以下まで降下すると言われている。月面に軟着陸した探査機やローバが長期間その機能を維持するには、昼間の高温に耐えなければならないのは当然である。加えて、約15日間続く夜間を乗り越え、次の昼には活動を再開しなければならない。さて、現在我々が利用出来る機器は上記の厳しい温度環境に対し、どの程度の耐性を持っているのだろうか。高温側のデータは揃っていると言えるが、-180度Cという低温側のデータはほとんど無いというのが実情である。そこで、温度制御の出来る宇宙環境模擬装置を用いて、高真空の月面まで含めた月面環境試験を実施する事にした。