著者
仲西 健樹 更谷 啓治 岡 久雄 川添 堯彬
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.98-104, 1994
被引用文献数
10 1

The purpose of this study was to determine whether the Automatic Diagnostic System for tooth mobility we had developed was applicable for evaluating implant mobility. Ten IMZ implants, which had been functioning in the patients, were selected. Mechanical mobility of implant with intramobile element (IME) and titanium element, were measured by our system. The frequency spectrum of the mechanical mobility and mechanical parameters (c_1, c_2 and k) in implants were compared with those in natural teeth (maxillary central incisors and canines). Mechanical mobility spectra in implants were similar to those in teeth. The values of mechanical parameter in implants were larger than those in teeth. We found that the Automatic Diagnostic System could be utilized for evaluating implant mobility.
著者
中島 求
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.13-17, 2004-02-01
被引用文献数
1

魚・イルカの遊泳運動に関する研究を紹介する.まず高速遊泳動物に見られるマグロ・イルカ形の遊泳に関して推力発生の原理を説明する.次に,ダイナミクスをより詳細に解析するため著者らが提案した解析モデルおよびその解析結果について述べる.さらに著者らが開発した3機のイルカロボットを紹介する.1号機および2号機は直進遊泳性能を調べるために開発され,それぞれ最高推進速度115m/s,1.9m/sを達成している.また3号機は機動性能を研究するために開発され,現在,胴体全長の約半分の回転半径で水中宙返り運動が可能である.
著者
佐野 明人 池俣 吉人 藤本 英雄
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.119-122, 2006 (Released:2008-06-06)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1 4

受動歩行は,歩行機のもつダイナミクスと環境との相互作用のみによって,理想とする自然な歩容を形成する.特に,安定したリミットサイクルが存在するという重要な特徴をもつ.状態がリミットサイクル上を遷移する限り歩行は安定となる.歩行は物理現象そのものであり,ヒトは歩行現象を移動原理として巧く使っているのではないか.本稿では,歩ける原理として,受動歩行の平衡点の力学的構造ならびに安定メカニズムを紹介し,この力学原理からヒトの歩行を概観する.

1 0 0 0 OA 現場のこころ

著者
朝日 雅也
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.67-71, 2004 (Released:2005-02-23)
参考文献数
9

心身の機能に障害があっても,あるいは老化に伴い介護を必要とする状態になっても,その人らしく地域の中で当たり前に暮らしていく.そんなノーマライゼーションの実現が強く求められている.そのために,様々な生活課題を解決する働きかけが実践されている.その際には,サービスの利用者を中心に据えた,利用者の思いに沿った支援が必要である.そして,利用者の真のニーズを反映するのが現場のこころである.様々な生活課題に関連した現場のこころは,今日的には,自立の支援,個別性に基づく支援,コミュニケーションの重視といった点から捉えることができる.現場のこころに向き合った支援こそ,ノーマライゼーションの実現のための推進力となりえる.対人援助に関わる人々は,現場のこころの理解を出発点とした支援のあり方を希求しなければならない.
著者
齋藤 佐智子
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.55-58, 2006 (Released:2008-01-18)
参考文献数
7

アートセラピーは治療的な自己表現の一環として,心理臨床現場や,保育・教育現場,または地域などさまざまな環境や状況下で行われている.現代社会は,幼児・児童虐待,いじめ,引きこもり,家庭不和,離婚,社会不適応,リストラ,高齢化など,多くの問題を内包しており,言語的な関わりのほかにも諸アートを媒介とした療法を十分な理解のもと,適切に提供・利用する必要性がある.本稿では,筆者の臨床現場での経験をもとに,日本社会における課題のひとつである高齢者ケアに着目し,今日行われている高齢者アートセラピーと,アートセラピーの新しい可能性として考えられるコンピュータ利用について論じる.
著者
朝日 雅也
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.67-71, 2004-05-01

心身の機能に障害があっても,あるいは老化に伴い介護を必要とする状態になっても,その人らしく地域の中で当たり前に暮らしていく.そんなノーマライゼーションの実現が強く求められている.そのために,様々な生活課題を解決する働きかけが実践されている.その際には,サービスの利用者を中心に据えた,利用者の思いに沿った支援が必要である.そして,利用者の真のニーズを反映するのが現場のこころである.様々な生活課題に関連した現場のこころは,今日的には,自立の支援,個別性に基づく支援,コミュニケーションの重視といった点から捉えることができる.現場のこころに向き合った支援こそ,ノーマライゼーションの実現のための推進力となりえる.対人援助に関わる人々は,現場のこころの理解を出発点とした支援のあり方を希求しなければならない.
著者
琴坂 信哉 柴田 智広 川人 光男
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.204-208, 2000

近年の脳神経系研究の進歩により,様々な脳神経系の持つ機能や役割が明らかになりつつある.しかしながら,単に一つの神経や器官の働きの解明を積み重ねるだけでは,その機能の全貌が把握できるわけではないことも理解されてきている.脳神経系の持つ学習や言語能力といった高次脳機能の仕組みを理解するためには,計算論的な立場からの研究を欠くことができない.著者らのプロジェクトでは,この考え方に基づき,モデルに基づく神経生理学的側面からの研究,非侵襲脳活動計測に基づく学習メカニズムの研究などと共に,ヒューマノイドロボットの開発,および運動学習や運動生成に関する研究への応用を行っている.本プロジェクトで開発したヒューマノイドロボットの紹介と,最新の研究トピックスに関して紹介する.