著者
岡崎 敦
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
pp.1-10, 2012

情報化の進展と国際化の拡大・深化のなかで,200年以上の歴史を誇るアーカイブズ学もまた変容を遂げてきた.ここでは,アーカイブズ,アーカイブズ学の現代的意義を再検証するため,その過去と現在をあらためて概観する.まずアーカイブズ,およびその管理についての基礎と現状を整理し,ついでフランスを例にとりながら,アーカイブズ管理の具体相を紹介する.最後に,情報管理のあり方自体が流動化する現在,どのような課題に直面しているのかについて論じる.
著者
渡邊 由紀子 冨浦 洋一 吉田 素文 岡崎 敦
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.53-62, 2011 (Released:2011-05-01)
参考文献数
7

九州大学は,2011年4月に大学院統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻(修士課程)を新設した。本稿では,現在,社会でどのような人材が求められているのか,そしてその認識から,どのようにカリキュラムを設計したのか等,新専攻の構想と意義を紹介する。まず,専攻設置の背景を概観し,次に,教育研究上の理念と目的を示す。続いて,養成する人材像と予想される進路について述べ,企業や図書館等を対象としたアンケート調査の結果などから,それらの人材像に対する社会的ニーズを明らかにする。最後に,人材養成のための教育課程および教員組織の編成の考え方と特色について説明する。
著者
岡崎 敦 藤川 隆男 佐治 奈通子 中村 覚 田野崎 アンドレーア嵐 濱野 未来 大邑 潤三
出版者
東京大学大学院人文社会系研究科西洋史学研究室「クリオの会」
雑誌
クリオ = Clio : a journal of European studies
巻号頁・発行日
no.34, pp.117-140, 2020-07

特集「デジタル・ヒストリーの諸実践」 に寄せてデジタル時代のアーカイブズ学と文書学公共圏の歴史的構造歴史学と情報学のより良い協働を目指して証書研究におけるTEIマークアップの活用歴史学における計量テキスト分析の活用歴史災害研究における GIS活用の試み
著者
藤岡 洋保 岡崎 敦子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.405, pp.149-155, 1989
被引用文献数
1 1

It is well known that the population in the suburban area around the city of Tokyo grew rapidly between the 1900s and the 1930s, especially right after the Kanto Earthquake in 1923 and that many new residential districts were developed then. The aim of this paper is to show not a few people moved to suburban area at that time by checking the addresses, occupations and income taxes of the people who were listed on the 1921 version and 1931 version of a famous who's who called "Jinji-Koshinroku". The number of the people who lived in Tokyo Prefecture and who were carried on the 1921 version of "Jinii-Koshinroku" is 6,672. Checking their addresses and occupations, it can be clear that there was a tendency that places to live in were connected with those to work at : many wealthy merchants lived in Nihonbashi-ku, many businessmen in Shiba-ku and not a few bureaucrats in Kojimachi-ku. And around 1921, not a few people who belonged to the middle class already lived in Toyotama-gun, one of the counties surrounding the city of Tokyo. Out of the 6,672, 3,497 were listed on the 1931 version of "Jinii-Koshinroku". Among them, 2,184 were selected as valid samples to be inspected. 1,256 out of the 2,184 persons did not change their addresses. 928 did. 47 % of them moved outwards, only 10 % inwards. Many among the people that emigrated from the city of Tokyo to its suburban area were businessmen, bureaucrats and officers, who belonged to the middle class and whose income was not so big. The suburban districts where many moved in at that time were Shibuya-cho, Yoyohata-cho, Sendaeaya-cho, Nakano-cho in Toyotama-gun.
著者
岡崎 敦
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
no.2018, pp.1-7, 2019-07

地方自治体における公文書管理をテーマに,産官学連携のもと開催したイベントについて,企画の経緯と趣旨,基調講演の要旨,ワークショップの紹介,最後に,参加者のアンケートの分析結果をまとめたもの.公文書管理について,現場の職員,文書管理専門機関の双方において,あらたな発想による積極的な対応が求められている.一方では,組織のミッションの再検討と連動した職務や組織の見直しをはじめとする適性で合理的な組織運営の確保,他方では,情報公開にもとづく住民参加の行政や,ローカルな資料,情報資源のグローバルな価値付けや利活用などの課題がつきつけられている.民主主義社会の基礎細胞の一つを構成する地方自治体という場においても,公文書管理は,多様なアクターの参加を得ながら,適正かつ現実的な実践を展開することが求められているが、そこでは,「総合職的な」情報管理専門職,専門機関が重要な役割を果たすべきであり,組織と市民社会の信頼を勝ち取る必要がある.
著者
岡崎 敦
出版者
青木書店
雑誌
歴史学研究 (ISSN:03869237)
巻号頁・発行日
no.706, pp.36-44,63, 1998-01
著者
岩田 人美 岡崎 敦
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.94-97, 2012 (Released:2012-06-20)
参考文献数
13

帯状疱疹後神経痛(以下,PHN)治療中に発症したcrowned dens syndrome(以下,CDS)の診断に難渋した症例を経験したので報告する.症例は78歳女性.左胸部に発症したPHNのためブプレノルフィン口腔粘膜錠(FTB-8127)の第3相臨床試験に参加した.治験開始後1週間でPHNの痛みは軽減したものの,強い頸部痛,後頸部の熱感と頭部後屈制限が発現した.咽後膿瘍や髄膜炎を疑がったが諸検査から否定され,脊椎CTでは,環椎横靱帯に淡い石灰化沈着があり,CDSと診断した.非ステロイド性抗炎症薬投与を行い1週間後には後頸部痛は消失した.CDSは,急激に発症し,強い頸部痛,嚥下痛と頭部後屈制限を呈する疾患であり,確定診断は強い炎症反応と歯状突起周囲環椎横靱帯の石灰化で行う.急激に発症し,強い頸部痛と頭部後屈制限を呈する症例ではCDSを念頭に置く必要がある.
著者
渡辺 浩一 岡崎 敦 高橋 実 大友 一雄 臼井 佐知子 蔵持 重裕 林 佳世子 三浦 徹 丑木 幸男 須川 英徳
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度は、11月に二日間にわたり、韓国国史編纂委員会の協力を得て、同委員会にて「近世東アジアにおける組織と文書」という国際研究会を開催した。日本側報告4本・韓国側報告4本・中国の報告1本を中央政府・地方行政組織・村落と家・商人の4つのセッションに編成した。参加者は約30名。平成17年度は、8月に二日間にわたり、復旦大学歴史地理研究所の協力を得て、上海において「東アジアにおける文書資料と家族・商業および社会」という国際研究会を開催した。日本側報告4本・中国側報告5本が行われたほか、韓国・トルコからのコメントも寄せられた。参加者は約30名。平成18年度は、9月に一日間で、アンカラ大学歴史地理言語学部の協力を得て、同大学において「オスマン朝と中近世日本における国家文書と社会動態」という国際研究会を開催した。日本側報告2本・トルコ側報告3本のほか、中国・韓国からのコメントも寄せられた。参加者は38名。平成19年度は、まず6月に、フランス国立古文書学校の協力のもとフランス国立文書館(パリ)において「アーカイヴズ、社会、権力(中世・近世の西欧と東アジア)文書管理働くさまざまな力」という国際研究会を行った。日本側報告4本・欧州側報告3本のほか世界各地からの多彩な比較コメント20本を、国家・都市・商人の3つのセッションと総合討論に配した。参加者は約40名。ついで、12月には本研究の総括として、立教大学において「近世アーカイブズの多国間比較」という国際シンポジウムを二日間にわたり開催した。日本側報告2本のほか、トルコ・西欧・中国・韓国から報告者を招聘し、「統治と社会」「実践」の二つのセッションに編成した。参加者は約100名。各研究会・シンポジウムの前後には国際共同史料調査を実施した。