著者
廣川 佐千男 伊東 栄典 馬場 謙介
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.447-454, 2015-09-01 (Released:2015-09-01)
参考文献数
7

科学技術の加速度的発達により,一般社会と専門家の乖離(かいり)は大きく,若者の理系離れも問題となっている。専門家であっても,複合領域や未知の分野の調査は容易ではない。本稿では,わが国の科学技術の基本情報である科学研究費の研究成果の概要を対象とした検索可視化システムを紹介する。本システムでは,概要に現れる単語だけでなく,キーワード,分野,研究者,研究者所属,年度などの単語を異なる色の関連語マップ(Mind Map:マインドマップ)として表示する。単語の属性識別により関連解釈が可能となり,知りたいテーマに関連して,「だれが,どこで,どんな」研究活動を行っているかを把握できる。本稿ではシステムの概要と,探索的検索の事例を紹介する。
著者
馬場 謙介 南 俊朗 伊東 栄典
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.60-67, 2009

インターネットやそれを利用したサービスが普及するに合わせて図書館資料も従来の紙資料からディジタル資料へと比重を移してきている.インターネットの利用が非常に進んだ国としてよく知られている韓国の図書館はこのような変化の中でどのようなサービスを行っているのかを調査するために2010年3月初旬ソウル市内にある先進的な図書館を訪問した.本稿は我々の訪問先である恩平区立図書館,正讀図書館,ソウル大学図書館,および韓国国立図書館などにおける図書宅配サービスや図書電子化に関する調査結果を報告し,また,それを踏まえて次世代の図書館サービスの在り方を考察する.
著者
高野茂 井上創造 馬場謙介
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.795-796, 2011-03-02

本研究では,インターネット上の膨大な画像群を巨大な画像データベースとみなし,それを専門家の知識により整理し,すべてのユーザは安全・安心にオンライン図鑑として利用することができるシステム開発を目指す.本システムは,ユーザがモバイル端末により撮影した質問画像を,図鑑検索サーバに送信することにより,その一次回答(類似画像)を直ちに受け取ることができる.専門家により得られる詳細な二次回答はSNSを介してユーザへと配信される.本稿では,リフティングウェーブレットに基づくモバイル図鑑検索システムの構築について述べ,SNSシステムと連携し,より精度の高い一次回答を返す類似画像データベースを自動的に再構築する手法を示す.
著者
森 雅生 馬場 謙介
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
pp.11-13, 2012
被引用文献数
1

本稿は研究者データベースと機関リポジトリの連携を紹介する.研究者データベースに研究業績として登録された学術論文の書誌情報から,機関リポジトリに蓄積されるその論文の本文ファイルへのハイパーリンクの作成を考える.通常,こういったハイパーリンクは,バックグラウンドでの書誌情報の照合により実現される.本稿では,バックグラウンドでの書誌情報の照合を行わない方法を提案している.
著者
南 俊朗 馬場 謙介
出版者
九州情報大学
雑誌
九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.13-25, 2014-03

図書館が学習グループの構成支援サービスを提供することにより図書館は利用者にとっての"ソーシャルメディア"になることができる。これはネットワーク時代の図書館における新規サービスへの1つの試みとしての意義があり,また近年の大学図書館において利用者が長時間図書館に滞在するような環境づくりの切り札的存在となっているラーニングコモンズ(LC) 空間の有効活用にも寄与することになる。このような背景の下,本稿は図書館の貸出記録に基づいた学習グループの構成という手法について議論し,1つの方法を提案する。本手法においては,学習グループのメンバは貸出記録から定義される利用者の興味分野の類似性や専門度等に基づいて選定される。このような目的やアプローチによる研究はこれまで十分なされておらず,本論文の議論も未だ初歩的レベルにはあるものの,将来の図書館サービスとして大きな潜在的重要性をもつ。
著者
馬場 謙介 星子 奈美 工藤 絵理子 吉松 直美 伊東 栄典
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.1-4, 2011-08 (Released:2011-10-19)

本稿は機関リポジトリへの文献登録をサポートするシステムを紹介している.機関リポジトリは学術情報への オープンアクセスを実現する重要なサービスであるが,登録されている文献数は十分とは言えない.本稿の著者らは,機関リポジトリへの文献登録作業のうち,文献の著者とリポジトリの管理者による作業を部分的に自動化するシステムを開発した.このシステムは,論文誌や学術会議等で発表された文献についての外部データベースを利用し,該当する著者へ本文の登録を促す.また,各文献の出版社等の著作権ポリシーについても,外部データベースを参照し自動的に確認を行う.本稿は,現行の機関リポジトリの問題点を挙げ,その解決方法として開発されたシステムの詳細を述べている.このシステムにより,文献著者とリポジトリ管理者の文献登録の手間を省くことができ,機関リポジトリの登録文献数の増加が期待できる.
著者
木下 仁 馬場 謙介 伊東 栄典 廣川 佐千男
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会火の国情報シンポジウム2011
巻号頁・発行日
2011-03

近年、研究成果公開とアーカイブのために機関レポジトリが充実してきている。 自分の論文のアクセス状況は、研究者にとっても意味のある情報といえる。本 発表では、アクセスログに現れる検索語と論文題名の関係について分析結果を 紹介する。
著者
安浦 寛人 佐藤 寿倫 松永 裕介 井上 創造 池田 大輔 石田 浩二 馬場 謙介 吉村 正義 ウッディン モハマッド・メスバ 稲永 俊介
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

社会に不可欠になっている「価値」や「信用」を搭載するLSIについて、ディペンダビリティの定義と評価尺度を提案し、その阻害要因の明確化と要因間の関係の解明を行った。また、LSIのディペンダビリティを向上させる対策を提案し、ディペンダブルLSIの設計フローを提示した。独自技術によるICカードを大学の学生証・職員証として発行し、設計から運用まで一貫してディペンダビリティの一万人規模の社会実験を行える環境を実現した。