著者
大野 元己 根本 紘志 田中 和哉 鈴木 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1F2OS5a01, 2018 (Released:2018-07-30)

人工知能の発展は社会や人々の生き方を規定すると言われるが,同時に人々がより好ましい未来を作るための努力の必要性も指摘されている.本稿では未来を担う大学生が人工知能技術の発展とそれが今後もたらす社会をどう考えるかを調査した.未来について考える自主ゼミを開講し,多様な視点から技術と社会について議論する機会を設け,それらを経験した学生に「技術と社会の変化にどう向き合うか」についてのエッセイの提出を求めた.エッセイの内容から,学生自身の専攻・進路への展望によって科学技術に対する姿勢が異なること,また科学技術を考えることの意味づけも多様であることが示唆された.
著者
中山 貴幸 水野 一徳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1E103, 2018 (Released:2018-07-30)

群知能の一種である蟻コロニー最適化(Ant Colony Optimization: ACO)を取り入れたクラスタリングアルゴリズムとしてESACCが挙げられる. ESACCは,適切なパラメータ設定により精度の高いクラスタリングが実現可能であるが,パラメータ設定は非常に困難である. これは,パラメータ設定を複数回の試行や経験に基づいて行う必要があり,データによって適切なパラメータが変化するためである. そこで,本稿ではESACCの挙動や傾向を解析することで,最適なパラメータの設定を行うにあたり考察を行う.
著者
山田 隆弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2F405, 2018 (Released:2018-07-30)

人間の持っている知識を機械的に処理できるようにするための技術としてKnowledge GraphやLinked Data 等が注目を集めている。これらの方法は、知識の内容に依存せずに知識を表現する技術であるが、それだけでは知識の共有のためには不十分である。なぜならば、一つの知識をKnowledge Graphとして表現する方法には複数のものがあり得るからである。これは、作成元の異なるKnowledge Graphを組み合わせて一つの大きなKnowledge Graphとするような場合、必ずしもうまく組み合わせられないことを意味する。このような状況では、知識の共有や再利用は達成されない。知識の共有を進めるためには、知識の内容に応じて知識をどのように表現するかという基準を作り、同一の基準を適用して様々な知識をグラフ化する必要がある。本稿では、そのための基礎として、モノとコトの概念に基づいて知識内容を表現するためのモデルを提案する。
著者
坂田 雄亮 馬場 雪乃 鹿島 久嗣
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2Z202, 2018 (Released:2018-07-30)

機械学習を行う為には入力となる特徴量が必要であるが、抽象性の高いデータを学習対象とすると機械的な方法では本質的な特徴量を得られない場合がある為、人による特徴抽出を行いたい。人間をアルゴリズムに組み込むには本来であれば多大なコストが必要となるが、クラウドソーシングの発展により安価にかつ大量に人的リソースを得る事が出来る様になったため現実的なコストで人間参加型のアルゴリズムを組む事が出来る。しかし人間の能力には個人差があるため成果物の品質にばらつきが出てしまう。よって頑健化の為に複数のワーカの意見を統合した物を成果とする手法が一般に行われている。本研究では特徴抽出にクラウドソーシングを用いて分類器の生成を行う過程で、分類器の精度向上を目的として複数のワーカの意見を適切に統合する手法を考察する。そのような手法として畳み込みニューラルネットワークを応用してワーカの能力と各ノードの重みを纏めて学習する事でより良く意見統合を行うCrowd Neural Networkを提案する。上記の手法の性能を確認する為に4つの抽象性の高いデータセットを用いて実験を行い、提案手法が既存手法に優る例を示した。
著者
田村 浩一郎 大澤 翔平 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1P301, 2018 (Released:2018-07-30)

ソーシャルメディアは,センサとしてだけでなく,アクチュエーターとしても機能している.ソーシャルセンサはソーシャルメディアから獲得されたデータを用いて,実世界の現象やトレンドを検出することができる.ソーシャルセンサによって獲得された情報は,実世界の観測と予測の可能性を高めたが,ソーシャルメディアその自身と実世界の間の因果関係は今まで議論されてこなかった.近年,インスタ映えというインスタグラムに投稿する写真をとるための消費行動が話題となり,ソーシャルメディアから実世界への因果関係を分析する重要性は高まっている.この研究では,ソーシャルアクチュエーターという新しい概念を提案する.ソーシャルメディアにおいて他のユーザーとの相互作用によって蓄積される内部情報を表すinternal statesを導入し,そして交絡要因の存在への対処方法を示す.今回の実験では,仮想通貨市場を対象とし,Twitterのデータを用いて,Twitterでの要因から仮想通貨市場に対する因果を検証した.そして提案手法の拡張性について議論し,我々全員がソーシャルメディアを通して実世界に働きかけることが可能であることを考察した.
著者
落合 純一 金森 亮 平田 圭二 野田 五十樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1B2OS11b03, 2018 (Released:2018-07-30)

本稿では,名古屋市のタクシー配車データに基づき,Smart Access Vehicle Service(SAVS)をシミュレーション評価する.近年,デマンド応答型交通(DRT)は地方だけでなく都市部でも注目されてきているが,数時間前までの予約が必要など,利便性が高い交通サービスとは言えない.一方,SAVSはリアルタイムに提供可能なドア・ツー・ドアの交通サービスであるため,独占型の交通サービスであるタクシーを共有型に変換することが可能である.ODパターンとデマンド数が異なる4つの時間帯を対象にシミュレーションを行った結果,乗り合いによりSAVSはタクシーより効率的に配車できることを確認した.
著者
徳島 智春 曽我 真人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1L103, 2018 (Released:2018-07-30)

競技かるたとは百人一首を用いた競技で,読手が百人一首の上の句を読み,競技者が下の句だけが書かれた札をとるという競技である.競技かるたにおいて,素早く札をとるための戦略として決まり字が大変重要である.決まり字とは,競技かるたにおける上の句のこの文字が読まれると取る札が確定する文字のことである.決まり字は競技が進むごとに変化していくが,既存の練習素材ではこの変化に対応できていない.競技かるたにおける決まり字変化の学習を効率的にし,システム使用者がより早く札を取れるように支援するシステムをUnityで開発し,決まり字変化機能を搭載しているシステムと搭載していないシステムで比較を行い,システムの有用性を評価した.
著者
尹 聖在 菅 愛子 高橋 大志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2K104, 2018 (Released:2018-07-30)

News articles play an important role in financial markets. This study analyzes the relationship between news articles and stock price fluctuations using high frequency trading data in Korean stock markets. Especially, we analyze differences in market reactions according to languages of news articles. In order to understand the influences of news articles, this study explores conditions of Long Short Term Memory (LSTM) models that classify news articles.
著者
チェン ドミニク 小島 大樹 岡 瑞起 池上 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2D2OS21a04, 2018 (Released:2018-07-30)

オンライン空間での静的なテキストによるコミュニケーションには実世界の対面型コミュニケーションにおける身体化された情報に欠けている.本研究では,タイプトレースという執筆プロセスの記録と再生を可能し,そのプロセスの中の時間的なゆらぎを可視化するウェブソフトウェアを用いることで,デジタルな文章のコミュニケーションに生命性を実装しようとするものである.本稿では予備実験の設計と結果について説明し,今後の展望について議論する.
著者
一言 正之 桜庭 雅明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1D103, 2018 (Released:2018-07-30)

洪水氾濫災害に対するソフト対策として,洪水予測の精度向上は重要である.洪水予測にはして様々な手法が提案されており,そのうちの一つにニューラルネットワーク(ANN)によるものがある.これまでの研究で,様々な河川においてANNモデルの適用性が報告されているが,他の手法と比べた精度の優位性は示されておらず,全国の洪水予測システムなどで実用に至っている例は少ない. また,ANNをはじめとする機械学習モデルの一般的な弱点として,学習事例を上回るような事例に対しては予測性能が担保されない,という点が挙げられる.洪水予測においては,学習事例を上回るような大規模洪水への対応こそが重要である.そのため,ANNによる洪水予測モデルは十分な信頼性を得られておらず,防災現場への実用化が進んでいない. こうした課題への対応として,本検討では2016年の台風10号で生じた網走川における過去最大の洪水事例を対象として,ANN洪水予測モデルの適用検討を行った.学習事例を上回るような高い水位の洪水に対しても,「水位変化」に着目して学習を行うことで,予測モデルの適用性が保たれることを示した.
著者
佐々木 耀一 木村 圭吾 山本 風人 岡嶋 穣 定政 邦彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.4K1OS16a05, 2018 (Released:2018-07-30)

本論文では有向ハイパーグラフ(DH)上での到達可能性判定問題を高速に解くためのアルゴリズムを研究する。 DHは有向グラフとハイパーグラフそれぞれの特徴を持ち、より一般化されたグラフとみることができる。 本問題に対し、推移閉包情報の性質を活かすため組合せ集合に特化した圧縮を行うことにより,メモリ使用量を減らしつつ,高速に到達可能性判定を行うことができるアルゴリズムを提案する.
著者
森田 順也 藤本 奈央 柳田 克巳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1M202, 2018 (Released:2018-07-30)

建設現場の品質管理は,現場監督員の熟練度により品質確認の結果に差が出やすく、精度担保が課題である.加えて,精度の高い品質確認を行うには,現場の状況に即して適切な「着眼点」を見出すことがポイントとなっているが,形式知化が難しいため,効率的なトレーニングや人材育成の難易度が高い.さらに,現在の首都圏建設市場の急拡大により,社員をバランス良い年齢構成で配置することができず,技術伝承の要となるOJT(On-the-Job Training)による適切な指導ができていない状態も続いている.そこで本研究では、ベテランの建設現場監督員が何を手掛かりにして「状況認識」し,その後どのような「判断」で「作業」をしているか,ウェアラブル機器で視線を計測することで一連の作業プロセスを明らかにする.そして,抽出される熟達者の行動プロセスをいかに未熟者に継承していくかについて,今後の展望を示す.
著者
関口 海良 堀 浩一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3H1OS25a03, 2018 (Released:2018-07-30)

AI倫理の重要性は近年益々大きく認識されているが,成果がAI技術の研究開発に取り入れられているとは言い難く,両者にはギャップが存在している.本研究では,AI技術者による倫理的な設計の実践を支援することを通じて,このギャップを解消することを課題として,有機的で動的なAI倫理ライブラリを実装し提供を開始した.ここで有機的とは,AI倫理ライブラリが異なるAI倫理間の複雑な関連を踏まえて支援することを意味する.また動的とは,AI倫理ライブラリがAI技術者とのインタラクションを通じて新しい文脈を考慮しながら支援することを意味する. 具体的には,AI倫理ライブラリは各AI倫理の構造の違いを明確にしたり,AI倫理の相互の意味的な距離を提示したり,また,AI技術の研究開発の延長線上に連続的にAI倫理を捉えられるようにシナリオパスを推薦する支援を行う. さらにAI倫理ライブラリによって,上記を通じてAI倫理の側もより実践的に再構築され得るものと期待される. 本論文では,倫理的な設計学を適用してAI倫理を扱う議論の枠組みを整理しながら,AI倫理ライブラリの概要と事例を紹介した上で,上記効果について評価を行う.
著者
長野 匡隼 中村 友昭 長井 隆行 持橋 大地 小林 一郎 金子 正秀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2G404, 2018 (Released:2018-07-30)

本稿では,連続的な時系列データを教師なしで分節化する手法を提案する.ガウス過程(GP)を出力確率分布とした隠れセミマルコフモデル(HSMM)により,連続的な身体動作を単位動作に分節化する手法(GP-HSMM)が提案されている.しかし,GP-HSMMでは,予め分類されるクラス数を与える必要があった.そこで,階層ディリクレ過程(HDP)を導入することで,GP-HSMMをノンパラメトリックベイズモデルに拡張したHDP-GP-HSMMを提案する.提案手法では,GPから単位動作が生成され,それらが結合されることで,動作全体が生成されると考える.クラス数を階層ディリクレ過程とSlice Samplingにより決定し,Forward filtering-Backward samplingによりパラメータを推定することで教師なしの身体動作の分節化が可能となる.
著者
神畠 正稔 折原 良平 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2H202, 2018 (Released:2018-07-30)

データ分析は、ビジネス、科学、スポーツなどさまざまな分野で活用されている。 その中でもサッカーチームにおける選手やチームの評価は、戦術、トレーニング、スカウティングに影響を与えており、試合結果のシュートやゴールなどのデータを活用することで、選手やチームが評価される。 しかし、シュートやゴールなどのデータを活用するだけでは、選手やチームの能力を十分に理解するのは不十分である。 本研究では、サッカーのパスのデータを用いた新しい分析手法について述べる。 選手やチームのパフォーマンスを評価するために、グラフマイニングを適用している。 選手やチームを評価するために、組織内の個々の貢献度を評価する中心性という指標がある。 本研究では得られる選手間の中心性の測定において最短経路だけでなく、最短経路より長い経路も考慮している。 その結果、提案した手法は従来の方法よりも試合結果とより整合していることがわかった。
著者
佐藤 遼河 杉本 徹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3Pin127, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究の目的はコーパスとシソーラスを用いてユーザが指定した被喩辞と特徴語の組に対応する比喩を生成し、提案するシステムを構築することである。本研究では、2つのプロセスから喩辞を求める。1つめはword2vecを用いて被喩辞と特徴語の単語ベクトルを取得し、コサイン類似度を基に喩辞の選択に用いる。word2vecを用いることで任意のコーパスから単語ベクトルを作成することができ、ユーザの執筆する文章に合わせたことば選びが可能である。2つめは分類語彙表のカテゴリを用いて特徴語とカテゴリの共起行列を作成し、特徴語と共起しやすいカテゴリに属する単語を喩辞とする。共起行列により特徴語に適した多様な喩辞を提案できる。システムが生成した喩辞を適切性と有用性の観点から評価した。結果として、適切な比喩の割合は低いもののユーザが文章を作成するに当たって有用な比喩を生成することができた。次に、青空文庫をコーパスとした単語ベクトルを用いた場合の喩辞と国語研日本語ウェブコーパスの単語ベクトルを用いた場合の喩辞を比較した。その結果コーパスを変えることでユーザの執筆する文章に合わせた喩辞が出力できることが分かった。
著者
工藤 郁子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3H2OS25b03, 2018 (Released:2018-07-30)

今般社会問題となった、いわゆる「フェイクニュース」現象においては、インターネットに端を発する虚偽情報がソーシャルメディア等で拡散され、投票結果などに影響を及ぼすほど流通してしまったと指摘されている。現在、虚偽情報を流す主体は人間が中心であると見られるが、もし悪意の人間が疲れを知らない人工知能(AI)を使って「フェイクニュース」を量産・拡散するようになれば、真偽を検証する「ファクトチェック」が今以上に追いつかなくなり、民主主義の基盤が危うくなる懸念がある。 本報告では、「フェイクニュース」の流通過程を分析した上で、AIの利用可能性と課題について民主主義との関係から論じ、報道倫理との関係を考察する。最後に、AIと共存しながら、「個人の自律」や「人間の尊厳」をいかに守るのかについて議論する。
著者
吉田 拓海 横山 想一郎 山下 倫央 川村 秀憲
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.4F1OS11c01, 2018 (Released:2018-07-30)

競輪の予想記事の作成にかかるコストは大きい。 よって本研究では、競輪の予想記事を自動生成することを目的とする。 新規ユーザーの獲得という競輪業界の課題や既存記事が新規ユーザーには理解が難しいということを踏まえ、本研究では新規ユーザー向けの予想記事の自動生成を行う。 機械学習によるレース結果の予測と、予測に基づく予想記事の生成を行う。 予測に関しては、レース情報と選手情報を用いて着順の上位3名を予測する。 記事生成に関しては、既存記事を参考に生成する記事が満たすべき条件を設定し、その条件を満たす記事生成手法としてテンプレートによる記事生成を用いた。
著者
工藤 航 鳥海 不二夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1N201, 2018 (Released:2018-07-30)

近年、ソーシャルメディアやECサイトなどの普及に伴い、蓄積されたユーザの行動履歴からユーザの属性を推定する研究が盛んに行われるようになった。ここで、ECサイトや動画サイトにおけるコンテンツの推薦とそれに対するユーザの反応を記録するというような対話的な方法でユーザの行動履歴が取得できる状況を想定した時、属性推定の手がかりになりそうなコンテンツを優先的に選択してユーザに提示することにより、属性推定の効率化が期待できる。 本稿では、日本経済新聞社が運営するWebサービスである日経電子版に登録されたユーザに対して効率的な属性推定を行うために、記事を選択する際の優先度を測る数値的指標を3つ提案した。記事入力に対し逐次的に推定を行うことで推定の効率を評価した結果、3つの指標のうち2つが推定の効率化に有効であることが明らかになった。
著者
小方 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2H3NFC4a05, 2018 (Released:2018-07-30)

本稿は歌舞伎における人物の多重性に関する研究を発展させるものである.以下,テキストデータから歌舞伎役者の人物情報を記述するための知識構造を確定し,人物に関する具体的情報を属性記述としてテキストデータから獲得して,物語生成システム(芸能情報システム及び統合物語生成システム)で使用可能な形式にし,その使用の可能性及び方向性について考察する.