著者
横山 徳爾
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.5-54, 2001-12

ヨーク朝最後の国王であるリチャード三世(Richard III, 1452-85, 在1483-85)は, 在位わずか2年2か月弱ののちに, 1485年8月22日にレスターシャーのボズワース・フィールドにおいて, リッチモンド伯ヘンリー・チューダー(Henry Tudor, Earl of Richmond)に敗れ, 32歳にして落命した。リチャードの死によってヨーク朝は滅亡し, 28歳のヘンリー・チューダーがヘンリー七世(Henry VII, 1457-1509, 在1485-1509)として即位し, チューダー朝が成立した。……
著者
金児 曉嗣
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.35, no.13, pp.735-801, 1983

前稿(金8, 1982)では, 浄土真宗本願寺派門信徒を対象とした宗教性に関する調査資料に因子分析を施した結果が報告された。それぞれの因子は, 門徒的真宗信仰の因子, 事なかれ的伝統主義の因子, 民族宗教の因子, 反制度的宗教の因子, 道徳教団の因子と解釈された。……
著者
図越 良平
出版者
大阪市立大学文学部
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.p523-539, 1990

I『湯治客。バーデンにおける湯治の手記』(Kurgast. Aufzeichnungen von einer Badener Kur)は1923年10月にバーデンとモンタニョーラで書かれ, 翌1924年9月, 最初は『湯治場心理学。バーデン湯治客の皮肉』(Psychologia Balnearia oder Glossen eines Badener Kurgastes)の標題のもとに私家版として300部出版され, その後わずかに手直しされて, 1925年春にS.フィッシャー書店より現在の書名で刊行された。……
著者
丹下 和彦
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1115-1140, 2000

VI. 第2スタシモン(863~910行) : 四つのスタンザからなる。まずストロペー1では人知によらぬオリュンポスを父とする天上の掟の存在が告げられ, その掟に従って言動いずれも清らかに過ごす定めが我とともにあるようにと歌われる。……
著者
岩瀬 悉有
出版者
大阪市立大学文学部
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.p512-523, 1979

私はワシントンというこの網の真中に静かに身をひそめて, 蜘蛛を演じることにすっかり慣れましたし, 大勢の蠅やその他の昆虫が網の目にかかって食い殺されるのを見てきましたので, 今はいささか, 醜悪で太った, 紫がかった猛毒の, 毛深いタランチュラのような気分です。……

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著者
森口 美都男
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.59-72, 1965

一 第一次大戦の始まる直前、ディルタイは相並び立つ多種多様の世界観の相対性の事実を強調すると共に、その様な「無政府状態」から脱出しうる唯一の途として、彼のいわゆる「歴史意識」の徹底とそこに基礎をおく類型化的把握とを提案した。……
著者
岩瀬 悉有
出版者
大阪市立大学文学部
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.p315-331, 1974-10
著者
市川 美香子
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.393-408, 1999

フィクションは「嘘」である。したがって, 語り手は読者に対して暴かれない嘘をついてはならない, つまり正直でなければならない。理由は単純至極。嘘をついたのにそれが暴かれないとすると, 元のフィクションは消滅し, 別の<フィクション=嘘>になってしまうからである。フィクションにおいて語りに「嘘」があるとすれば, 「嘘」と「真実」の両方が見えていなければならない。つまり, 歪みは歪みとして見えなければならないのである。その歪みがより明確に見えやすいのが, 作中のドラマに関わっている人物の一人称による語りである。……
著者
高島 葉子
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.997-1018, 1998

1 はじめに : 蛇女とは何ものなのだろうか。それはまず, 水に関係した超自然の生き物つまり水の妖精である。水の妖精の最も代表的な存在は, 人魚, 特に女の人魚であろう。そして, 人魚の姿は, よく知られているように, 上半身は女性で下半身は魚か蛇である。キリスト教的図像では, 人魚は「女性の姿をした蛇」であり, OEDにも, 人魚と同義的に使われるセイレーンは, 「想像上の蛇の一種」と説明されている。蛇女は人魚と同類と言える。……
著者
奥平 康照
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.331-339, 1968

現在ではもう既に, 経験主義教育論が, 実践の場においても, 理論の場においても, まともに正面にすえて批判されたり問題にされたりすることはほとんどないと言って良いだろう。たしかに第二次大戦後, それが教育理論(思想)のすべてでもあるかのように, 日本の教育界を包んだ経験主義, アメリカ新教育の直輸入, というレベルでの批判は既に終っているであろう。だが, 経験主義的思考は依然として教育についての考え方や実践の中に, ある力をもっている。……
著者
加藤 美雄
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.11, no.8, pp.789-806, 1960
著者
森 信成
出版者
大阪市立大学大学院文学研究科
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.37-50, 1965-01

ことわりがき : 昨年春以来、公然たるかたちをとってあらわれるにいたった中ソの思想的、政治的対立は、世界政治に深刻な影響を与えている。本稿は、本誌に中ソ論争の理論的内容を紹介するために、中共の代表的イデオローグである周揚の、中共派の主張を要約した、いわばその結語ともいうべき「哲学、社会科学工作者の戦斗的任務」(『前衛』一九六四年四月号所収)をとりあげ、批判したものである。……
著者
藤井 康生
出版者
大阪市立大学文学部
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.p821-842, 1993

コルネイユは, 殉教の悲劇『ポリュクト』(1642)で成功を収め, 続いて悲劇『ポンペーの死』(1643), 喜劇『嘘つき男』(1644), 喜劇『続・嘘つき男』(1644), 悲劇『ロドギューヌ』(1664)を発表した後, 再び殉教者を主人公にした悲劇『テオドール』(1645初演, 1646初版)を書くのだが, この宗教悲劇は大失敗に終わる。……
著者
丹羽 哲也
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.44, no.13, pp.1115-1150, 1992

副助詞には、程度用法aと取り立て用法bを合わせ持つものがある。……
著者
小林 直樹
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.685-702, 1998

一 『今昔物語集』巻一七第33話は、女人と変じた法輪寺の虚空蔵菩薩が好色な叡山僧を学問の世界へと「謀リ」導く顛末を幻想味豊かに語って、本朝仏法部中でもひと際印象深い一篇である。その末尾は次のように結ばれる。……
著者
中山 治一
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.783-797, 1968

(一)問題の所在 : 説明する必要もないことであろうが、クリミア戦争が、一八五三年のロシアとトルコの開戦にはじまり、途中でイギリス・フランス・サルディニアの参戦を経て、セヴァストポリ要塞の陥落、そして結局一八五六年のパリ条約によって終結をつげる戦争であることはいうまでもない。……
著者
松本 和也
出版者
神奈川大学人文学会
雑誌
人文研究 (ISSN:02877074)
巻号頁・発行日
no.195, pp.1,3-40, 2018

This paper analyzes the screenplay of the TV drama Itsuka Kono Koi wo Omoidashite Kitto Naite Shimau(Love That Makes You Cry) by Yuji Sakamoto fro mmultiple viewpoints. This work is "Monday 9"(a television drama aired at 9 oʼclock on Monday) and is about young romance, but it also has a serious theme. Although this work is presented as being realistic, and appears on the surface to be so, there are also many fantasy elements. This paper follows the story, focusing on the heroʼs voice and the actions of the master. It also considers the dead and the "scenes" held by him // they, and "the dramaʼs lie" which exposes a fictional gimmick etc.
著者
井上 浩一
出版者
大阪市立大学文学部
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.p725-750, 1988

第三八章 : (九七)もし地方長官ががいるなら、彼を訪れよ。しかし頻繁には行くな。たまに行って必要なことを慎重に話せ。尋ねられなければ黙っていろ。神が汝に与えて下さった食べ物、飲み物のうちから、汝の力に応じて、長官とその従者に貢ぎ物をせよ。……