著者
濵田 毅 Tsuyoshi Hamada
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.25-142, 2022-04-30

従来逮捕・勾留中の被疑者に関する取調べ受忍義務肯定説(実務)と同否定説の対立が固定化しているところ、否定説について取調べ目的論からの難点や立案経緯と整合しないとの問題点を指摘すると共に、肯定説について形式的・実質的根拠及び本質的意義を明らかにした上で、従来議論されることが希であった受忍義務の存続に関し、取調べの必要性が消失すれば黙秘権保障の趣旨から同義務も消滅する旨の新たな肯定説を説くものである。
著者
益田 高成 Takanari Masuda
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.225-303, 2020-07-31

公職選挙法は、候補者が選挙運動を行うことのできる期間を法定しているが、日本ではこれまで、その期間が繰り返し短縮されてきた。本稿では、選挙運動期間を短縮する公選法改正を全て取り上げ、いかにして選挙運動期間が短縮されてきたかを検討している。分析の結果、選挙運動期間短縮は議員主導で進められてきたこと、また、期間短縮に関しては多くの事例で与野党が協調的であったことが確認された。本稿の分析結果は、選挙運動規制が、党派的対立を促す性質よりも、各党を現職議員の集合体として結びつける性質を有していることを示唆している。
著者
わが国における法史学の歩み研究会 岩野 英夫 Hideo Iwano
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.357-439, 2007-05-31

東洋法史学者である奥村郁三教授へのインタビューを原稿にしたものであり、内藤湖南以降の東洋史・東洋法制史の研究史、研究上の重要テーマが論じられている。
著者
佐藤 教人 Norihito Sato
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.1288-1215, 2014-11-30

領海関連概念の歴史的背景を確認した上で、関係国際法条文の起草過程を分析することにより、根拠条文を踏まえた外国公船への執行措置要領を一定程度明らかにすることを目的とした論文である。
著者
コート マイクル 麻田 貞雄 Michael Kort Sadao Asada
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.471-491, 2009-01-31

This article provides an overview of the scholarly debate concerning bombing of Hiroshima by the United States, focusing mainly on American historians. It traces the rise and eventual decline of the so-called revisionist school of historiography on the subject, which in its various forms challenged the thesis that the atomic bomb was necessary to force a Japanese surrender in 1945 and that the United States used the bomb for that reason. In particular, the article describes how scholarly works published since the early 1990s have demolished the main pillars of the revisionist argument, including the baseless "atomic diplomacy" thesis that the bomb was used to intimidate the Soviet Union and limit its postwar gains in Eastern Europe and Asia.
著者
中谷 猛 ナカタニ タケシ Nakatani Takeshi
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.161-194, 2007-07-31

論文(Article)第一部(Part1)フランスの共和主義的伝統において,ジャコバン主義とデモクラシーとの間にはどのような論理的関連があり,またそこにはどんな特徴が見られるのか。フランス革命と革命後世紀で展開された革命擁護論とそれに対立する批判論に含まれたジャコバン的観念の特質,つまりジャコバン的パラダイムの明確化をめざす。この過程でジャコバン的観念がデモクラシーや共和制のイメージに及ぼした影響を検討して,共和主義言説におけるデモクラシーとジャコバン主義の複雑な関係を整理したい。How shall we think the relation the Jacobinism and democracy in the Frenchrepublicanism ? It seems to me that this problem, Sovereignty versus Democracy is the essential matter. We shall try to show complex a phenomen Jacobinism in French political thought, after national integration and scio-economic change. Therefore this monograph is a study of Jacobinism paradigm or characters in debate and action on wide spectrum of 19th-century critics.
著者
井上 一洋 Kazuhiro Inoue
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.853-879, 2020-10-31

本稿では、Peter WestenやKenneth L.Karstらの論稿を手がかりに憲法上の平等原則の実体的価値について考察を行うとともに、アメリカとの比較法の観点から平等が問題となった事件における判例理論について検討を行う。