著者
飯野 智子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
no.31, pp.59-75, 2010-03

セクシュアリティ表現と商品化の場においては、長らく女性が商品であり男性が消費者であったが、女性のためのセクシュアリティ文化も近年広がりを見せている。ボーイズラブコミックやレディスコミック、バトラーズカフェ等のポップカルチャーや、キャバクラ、ホストクラブといった性が商品化される場において、男女のセクシュアリティ表現にどのようなジェンダー差、非対称性が表れるのか。仮構の世界に求められる恋愛と性の検証を通して、セクシュアリティ文化におけるジェンダー構造を分析する。
著者
小林 卓 大井 三代子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.121-142, 2013-03-19

「戦後の図書館学教育と女性司書」として、鬼頭當子(きとう まさこ)への聞き取りによるオーラル・ヒストリーの研究を行った。鬼頭が、実践女子専門学校から、実践女子大学図書館、慶應義塾大学図書館学科、国際基督教大学図書館とすすみ、館長になるプロセスをおいながら、「結婚、出産と仕事」、「全面開架とサイン」「UTLAS、大学教育」などを聞き取ることにより、鬼頭の歩んできた道がライブラリアン一筋の生き方であると同時に、戦後女性の生き方であることを浮かび上がらせた。
著者
児島 由理
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.69-82, 2009-03

In 1936 Kyoshi Takahama and Riichi Yokomitsu made a voyage from Japan to Europe on the same ship. After they landed at Marseilles, Kyoshi called on his son in Paris and traveled through Europe, while Yokomitsu went to see the 1936 Berlin Olympic Games after a stay in Paris and some travels through Europe. After their return to Japan, Kyoshi published Tofutsu Nikki, and Yokomitsu Oshu Kiko. Though they had similar experience on board, their records of their voyages are quite different. The purpose of this paper is to compare these two works and to consider their difference and the common social background.
著者
高瀬 真理子 能地 克宜 山口 みなみ
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-57, 2013-03-19

馬込文士村に関わる資料整理を終えて、概説、時代背景から、文士の生活や彼らの人間関係、時代との向き合い方、主たる文士に焦点を当てたものや再評価すべき文士(特に吉田甲子太郎)のことなどを5人の筆者がそれぞれにテーマを設けて考察し、報告している。
著者
高城 弘一
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.109-119, 2013-03-19

今日の平仮名と片仮名の字母・字形(五十音図)に統一したのが、明治33 年の「小学校令」の「施行規則第十六条」および「第一号表」といわれる。明治初年の教科書で、仮名の表記が特徴的である『旁訓單語篇』、『幼童初學』、『学校童子訓』をもとに、平仮名および片仮名の表記に新しい見解を見出した。特に、『幼童初學』、『学校童子訓』の平仮名五十音表記では、現行の平仮名と字形に異同があるものは、「お」(「於」の変体仮名)のわずか1例のみであり、字母に関していうならば、すべてが現行の五十音と一致しているのを見出し、『幼童初學』と『学校童子訓』との関係を考察するに及んだ。
著者
三浦 宏文
出版者
実践女子短期大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
no.35, pp.73-84, 2014-02

本稿では、2011年に日本テレビ系列で放送された連続ドラマ『妖怪人間ベム』に見られる仏教思想を考察した。このドラマの中で、ベムたちは自分たちがどのような境遇にあっても救いを求める人間がいる限り救い続けるという浄土教の法蔵菩薩に通じる行動原理を示していた。さらにその最終回では、自らの人間になりたいという夢を断念して人間たちを永久に救い続けるという決断をする。これは大悲闡提の菩薩に通じる境地を示していたのである。 This paper investigates Buddhism thought included in a Japanese serial TV drama "Humanoid Monster Bem". In the story, Bem helps anyone in need, even if he also had any difficulties. In his attitude, we can find a kind of Bodhisattva thought of Buddhism. In addition to this, in the last episode of this TV drama, Bem chooses to continue his salvation activity forever at the sacrifice of his own dream of becoming a human being. It is the thought of Boddhisattvaicchantika, which immeasurably deepens Altruism of Bodhisattva, that his decision in this episode represents.
著者
越野 由香
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.49-58, 2010-03-20

自律神経機能の調整手段としてのマッサージの効果について、近年の調査研究を再考した。その結果、発達障がいをもつ子ども達にとってマッサージは、1)自立神経の調整に役立ち、さらに攻撃的行動や対人関係に変化をもたらす、2)親(身近な大人)との情緒的絆を築く助けとなり、触れられることに耐えるといった基本的な自己コントロールの力をもたらす、ことが示された。そのことから、触れられる体験の必要性および緊張(警戒状態)からの回復という点で、発達障害を抱える子ども達に対する早期からの足裏マッサージは有効と考えられた。
著者
飯野 智子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.83-99, 2013-03-19

本稿は、美容の分野におけるジェンダー問題を取り上げる。近代以降、男性は自己の美を追求し楽しむことをやめ、ひたすら機能的な身体とファッションを目指さざるを得なかった。しかし今日、美容の場において「男らしさ」の規範を逸脱するような美の追求という現象が見られ、男性が変わりつつあるように思われる。そこで、メンズエステ、男性のファッション、男性化粧品、美容外科、男性ファッション誌へのインタビューを通して、「男らしさ」の縛りから男性は自由になりつつあるのか否かを検証する。
著者
飯野 智子 イイノ トモコ Tomoko Iino
雑誌
実践女子短期大学紀要
巻号頁・発行日
no.31, pp.59-76, 2010-03-20

セクシュアリティ表現と商品化の場においては、長らく女性が商品であり男性が消費者であったが、女性のためのセクシュアリティ文化も近年広がりを見せている。ボーイズラブコミックやレディスコミック、バトラーズカフェ等のポップカルチャーや、キャバクラ、ホストクラブといった性が商品化される場において、男女のセクシュアリティ表現にどのようなジェンダー差、非対称性が表れるのか。仮構の世界に求められる恋愛と性の検証を通して、セクシュアリティ文化におけるジェンダー構造を分析する。
著者
薗田 碩哉
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.25-37, 2012-03-19

何かをするための余暇ではなく、私という存在の根源に帰ることのできる余暇という時間を得ること、そこに自由の出発点がある。そしてこの自由によって私たちは現実にある「しがらみ」から離れた別種のコミュニケーションを生み出し、新しい「つながり」を紡ぐことができる。政治とは人々の多様なつながりを組織することであり、それによって社会を改良することである。しかし、先進国でもっとも低水準の余暇しか持ち合わせない日本人は、貧弱な政治組織に低迷せざるを得ない。より良い社会を作るために多忙からの解放が必須である。余暇は祈りや瞑想を通じて、生きることの意味や世界のあり方に思いを巡らすことのできる時間ともなる。労働と生産を追い求めた産業社会の行き詰まりに直面して、私たちは余暇に力点を置いた生活と社会を構想し直さなければならない。未来への希望は余暇にこそある。
著者
三田 薫
出版者
実践女子短期大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
no.35, pp.19-43, 2014-02

本稿では、スカイプ英会話を短期大学の英語コミュニケーション学科正規科目に導入した英語教育の調査結果を紹介する。3つの選択科目の授業内で学生は、フィリピン人講師と25 分間の1対1 の英会話に毎時間参加した。この取り組みの目的は、学生のスピーキングによるコミュニケーションの自信と習熟度を上げることであった。学生は、授業について高い満足度を示した。質問紙調査の結果、「第二言語コミュニケーションの自信」に関わる項目で、事後に平均が有意に高まっていることが明らかになった(p<.01)。この結果について、インタビュー調査の質的データと合わせて、さらなる分析を行った。 The current study investigates the implementation of Skype-based video chat in three regular elective English courses for junior college students majoring in English, who engaged in twenty-five-minute one-on-one Skype video lessons with Filipino instructors in every 90-minute class per term. The aim of this activity was to increase students'c onfidence and proficiency in oral communication. The students reported great satisfaction with the lessons. Questionnaires and interviews were administered for data analysis. Quantitative analysis of attitudes indicated that the difference at the beginning and the end of the study concerning L2 communication confidence was statistically significant at p<.01, whose implication was further explored in detail employing responses of open-ended questions and interviews.
著者
池田 理香子 イケダ リカコ Rikako Ikeda
雑誌
実践女子短期大学紀要
巻号頁・発行日
vol.31, pp.119-124, 2010-03-20

中世の時代から、コンシェルジュは巡礼者が訪れる協会に常に在中し、ホスピタリティー(思いやりと暖かさ)をもってお迎えし、旅にまつわるトラブルを解決し、次の目的に正しく導くお手伝いをしていたという歴史が存在する。現在、コンシェルジュは、ホテルに於いてその地位を確立している。コンシェルジュはという職業が中世の時代、どのように誕生し、そして発展していったのかを探りながら、真のサービスについて考えてみたい。Since middle ages, Concierge already existed in the church which many pilgrims were visiting. Concierge was welcoming them with the hospitality and try to solve any problems may occur during their trip, also Concierge were escorting them to their next destination with correct advices. Now, Concierge is establishing their position as profession in Hotel industry. We would like to consider about his Ultimate Service by searching the root of Concierge Profession and its development.
著者
今 防人 コン サキモリ Sakimori Kon
雑誌
実践女子短期大学紀要
巻号頁・発行日
vol.28, pp.55-63, 2007-03-20