著者
溝口 文雄
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.158-164, 1995-04-01
被引用文献数
2

本稿は最近注目されているグループウェアの考え方を紹介して,その分類と機能に触れている。そして,"同じ時間型"及び"違う時間型"のグループウェアを取り上げて,その各々の事例を紹介している。前者は主として,発想支援であり,パソコンのハイパーカードを利用したシステムである。後者はインターネットを用いた論文作成システムであり,どのようにして論文の分担を集めて共同論文にしていくかが強調されている。こうしたグループウェア的なパソコンやインターネットの利用は高速なネットワークの進展と共に,さらに進展していくと思われる。
著者
橋詰 秋子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.120-125, 2004-03-01

国立国会図書館が編集する情報誌『カレントアウェアネス』は,1979年の創刊以来,図書館及び図書館情報学における近年の動向及びトピックスに関する"カレントアウェアネスサービス"を現場の図書館員に提供してきた。本稿では,メールマガジン『カレントアウェアネス-E』にも触れつつ,季刊誌『カレントアウェアネス』について,編集方針・体制,誌面構成,概歴等を紹介する。また,幾つかの観点からこれまでの掲載記事の特徴・傾向を明らかにし,約25年に渡る歩みの概観を試みる。さらに,「研究文献レビュー」記事を取り上げその課題を述べ,最後には『カレントアウェアネス』の今後の方向性について考察する。
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.293-323, 2011
著者
中島 康比古
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.554-558, 2006-12-01
被引用文献数
1

大量に生み出される情報のうち,何を残し,何を捨てるべきなのか。組織の活動の証拠として作成される記録の中から永久的に保存すべきものを選び出すアーカイブズの世界の評価選別論を紹介する。第三者の利用価値を重視したシェレンバーグ,記録作成時の社会の価値観を分析するよう説いたブームスらの議論のほか,「マクロ評価選別」論を概観する。また,近年注目されている「レコード・コンティニュアム」の理論やそれを実践的方法論に変換したDIRKS方法論,さらに,アカウンタビリティを記録管理の目的として位置づけるISO15489について検討する。その上で,組織がアカウンタビリティや透明性を求められる現代社会において,記録や情報をどのように評価選別すればよいのか,その基本的な在り方を論じる。
著者
水谷 長志
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.216-221, 2011-06-01

ミュージアム,ライブラリ,アーカイブという蓄積・検索型の情報サービスを提供する機関のトータルなイメージには,「差異を孕みつつ連続するもの」がある。近年,多くの場面で語られるMLA連携においても,その同質性において「連続」し,かつMLAの個々が固有に持つ伝統的な所作の差異を背景として他者へ「侵犯」することによって個々の成長が企図される。その時現れる緊張感が,MLA連携が意味を持つ可能性を開いていくと考えられる。このMLAの間で進行する「連続と侵犯」は,MLA連携のフィロソフィーにとってその原理の一面であると考える。
著者
崔 錫斗 田窪 直規
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.401-407, 2008-08-01
被引用文献数
1

韓国には情報やドキュメンテーションを重視する社会的土壌があり,システム指向ではなく情報・ドキュメンテーション指向の情報システムが構築される傾向にある。同国では,自国に関するWeb情報資源を統合的に検索できるよう,国家知識ポータルというWebサイトが構築されており,また,これを保存・利用するために,Webアーカイビングが行われている。後者は,法律に基づく"デジタル資料納本制度"によって強力に推進されようとしている。前者については比較的問題は少ないが,後者については社会的問題など,解決すべき問題が残っている。
著者
堤 恵 佐藤 久美子 牧野 めぐみ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.187-193, 2011-05-01

レファレンス協同データベース事業(以下,レファ協)は,国立国会図書館が,全国の公共図書館・大学図書館・専門図書館等と協同でレファレンスに関する大規模なデータベースを構築し,それをインターネットを通じて提供することにより,図書館でのレファレンスサービスや一般の人々の調べ物に役立てることを目的とする事業である。本稿では,まずレファ協の概要と現況を紹介する。そして2010年3月に行ったシステム改修等最近の取り組みや,レファ協によってどのような変化が生まれたのかについて述べ,最後に今後の展望と課題について述べる。
著者
グッド長橋 広行
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.539-544, 2009-11-01

本稿は,米国大学図書館が1990年代前半から提供し始めたGIS(Geographic Information Systems)サービスの動向と将来の展望を,過去のアンケート調査と著者の追跡調査,GIS教育との関わりを通して考察する。大規模大学図書館ではすでに90%の普及率に達しているが,今後利用者を増やしていくには,しっかりしたデータ・コレクション・プランが必要であると考えられる。また,中規模,小規模大学図書館はまだ20〜30%の普及率でこれからも伸びるであろうが,より充実したGISサービスを提供していくには,学科や学部との共同作業が望ましいと思われる。
著者
長橋 グッド 広行
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.285-289, 2008-06-01
被引用文献数
1

デジタル時代のいま,大学図書館に求められていることは,館内での対人サービスよりもオンラインでの情報検索がいかに使いやすいかである。ピッツバーグ大学図書館の2006年度の統計によると,オンラインの図書館利用回数は館内でのサービス利用回数の10.9倍であることが分かった。図書館ウェブサイトが利用者にどれほど使いやすくデザインされているかを知るために,2007年11月,ユーザビリティ調査を行った。調査の結果から,ウェブデザインの改善と検索ボックスの一本化が必要であることが分かった。次世代OPACにその解決策の1つがあるようだ。
著者
西尾 初紀 大塚 奈奈絵
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.251-268, 1992-03-01
被引用文献数
2

会議録は,研究活動における情報源として,またその発表の手段としても,重要性を増し続けてきている。特に進歩の速度の著しい科学技術の分野においては,報文誌への投稿論文よりも迅速性において優っている点や,会議での発表のみで他の文献形態では発表されずに終わる情報も多いため,会議録に対する需要は極めて高い(図1)。会議録自体は何もそう歴史の新しいものではなく,例えばケンブリッジ大学の会議録総合目録"Union Catalogue of Scientific Libraries in the University of Cambridge. Scientific Conference Proceedings"を見ると,少なくとも1644年には既に会議録が刊行されていたことがわかる。1950年代後半から会議録の持つ重要性や問題点が指摘されてきているが,ことに近年になって注目を集めるに至ったのには,二次資料類にも収録されるようになり,また会議録専門の二次資料も登場して,参考文献としての引用率が高まってきたことに一因があると考えられる。しかし,資料自体に高い利用価値が存在するからこそ二次資料の収録対象として浮上してきたとも考えられ,これは「鶏が先か,卵が先か」の問題であろう。[figure]
著者
渡部 真友子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.359-362, 1998-06-01

会議資料は科学技術分野において, その重要性を認識されながらも, 入手困難ないわゆる灰色文献として知られる。国立国会図書館は, まとまった会議録コレクションを持つ, 国内でも数少ない機関の1つとして, 会議資料提供サービスを行ってきた。所蔵情報は, 「国立国会図書館所蔵科学技術関係欧文会議録目録」, 「日本科学技術関係逐次刊行物総覧」および数種類のデータベースに収められ、幅広く一般に提供している。
著者
根岸 正光
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.412-418, 1994-08-01
被引用文献数
1

学術情報センタ-のデータベース・サービスNACSIS-IRについて,その歴史,現況および今後の展開を述べる。1987年のサービス開始以降,センターでは,わが国独自の学術情報データベースの編成を進めてNACSIS-IRの充実を図り,また検索システムの改善,アクセス経路の多様化等に努めてきた。また,民間の研究者への公開,JICSTとのゲートウェイ開設,海外利用の制度化など,利用者の拡大を図ってきた。今後は,インターネットのような高速の通信環境への的確な対応が重要な課題であろう。
著者
大矢 直子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.397-400, 2006-09-01

「人と人との交流」の1事例として,筆者が参加している「複写と著作権メーリングリスト(Copy & Copyright ML)」について,体験的に述べる。企業内専門図書館は,著作権法第31条で複製権を認められる対象となっていない。このMLは,企業内専門図書館の従事者らによる,複写と著作権を主題とした,オンラインのコミュニティーである。情報交換・意見交換の場として,活発に先鋭的に活動している。情報交換・意見交換の場として,参加をお勧めする。情報流通の早さと質の高さを挙げる。運営方針に,オフライン活動が重要な機能を果たしている可能性も指摘する。
著者
金 宣伶
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.15-19, 2007-01-01

2005年の韓国データベースサービス市場は4,739億ウォンと集計されており,これは2001年以降年平均30%も増加した数値である。本稿では,このように成長を続けている韓国データベースサービス市場の動向および利用現況と関連政策に対して概括的に紹介し,さらに更なる成長を続けるための現状の問題点と当面課題に対して見つめてみる。
著者
金 容媛
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.2-8, 2007-01-01
被引用文献数
1

図書館情報政策は国の包括的な情報政策の一つであり,国家発展に直結する情報資源の統括と,国民の情報アクセス権と知る権利の保障を目的とするものである。本稿では,韓国における図書館情報政策を,関連する法・計画,行政・政策決定機関,推進体制を中心に概観する。また図書館および情報化の現況や図書館・情報資源管理を取り巻く最新の動向について紹介する。図書館情報政策に影響を及ぼす図書館情報関連の専門団体,学会,教育機関等についても説明する。
著者
嶋田 真智恵
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.73-78, 2007-02-01

国立国会図書館件名標目表(NDLSH)は,「件名標目の数が少ない」「参照形の不足」「件名標目表の公開の遅れ」といった問題点があり,NDL-OPACによる検索には使い勝手の悪いものであった。国立国会図書館では,2004年から改訂作業に取り組み,「件名標目の数の増大」「件名標目および細目の付与基準の改訂」「参照形の充実」「件名標目のシソーラス化」によって,問題点の解消につとめた。現在では当館ホームページ上にPDFファイル形式で公開し,希望者にはテキストデータを提供している。
著者
松尾 和彦
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.490-497, 1993-06-01

国の行政機関には,広汎多岐にわたる情報が保有されその中には,データベース化されているものも多い。総務庁の調査によると,現在国の行政機関が運用しているデータベースの数は277に及ぶ。しかしながら,これらのデータベースの整備方法,内容は省庁ごとにまちまちな面も多い。そのため,政府全体の立場から,データベース整備の計画的推進,省庁間での共通的な利用,民間等への外部提供による社会的活用の推進を図る必要があり,総務庁を中心として,その具体的方策の推進のため,閣議決定,方針の策定等を行ってきた。本稿は,国のデータベースの現状とこれまで行ってきた各種の総合利用に関する推進施策及び今後の課題を紹介したものである。
著者
赤池 伸一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.550-556, 1999-11-01

政府の研究開発全般の評価については,平成8年7月に閣議決定された科学技術基本計画において,研究開発に関し厳正な評価を実施することにより我が国の研究開発の抜本的な活性化を図るとの方針が示され,「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」が平成9年8月に内閣総理大臣決定された。この後、関係15省庁において評価実施要領等が策定され研究開発課題及び研究開発機関の評価が実施されているところである。また,科学技術会議政策委員会の調査によれば,現在,概ね大綱的指針に沿って評価が行われているが,本格的取組は開始されたばかりであり,評価の定着が今後の課題となっている状況である。