著者
鶴見 敏行 脇田 建
出版者
FIT(電子情報通信学会・情報処理学会)運営委員会
雑誌
情報科学技術フォーラム一般講演論文集
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.97-100, 2007-08-22

Clauset, Newman, Mooreはネットワークをボトムアップかつ貪欲に解析する手法(CNMアルゴリズム)を提案し、50万ノード程度までの社会ネットワーク解析を可能としたが、それ以上の規模については実用的な時間内での解析は困難であった。そこでCNMアルゴリズムの合併の過程を観察した。その結果合併するクラスタサイズの不均衡が計算コストに大きく影響していることが明らかとなった。この観測から、合併するクラスタサイズの均衡がアルゴリズムの速度向上につながると考えた。本稿では、合併時のクラスタのサイズを考慮することにより合併比率を向上させる3種類の手法を提案する。提案手法の実験データセットとして、国内最大級のソーシャルネットワーキングサービスより2006年10月に取得した550万ユーザーの友人関係のネットワークを使用した。提案した3つの手法を用いたところ、CNMアルゴリズムに比べ劇的なスケーラビリティの向上がみられた。もっとも速度向上がみられた手法では、100万ノードに対して5分、400万ノードに対しては35分程度で解析する事に成功した。また別の手法では、50万ノードに対して50分(CNMアルゴリズムより7倍早い)で解析でき、モジュール性の向上にも成功した。
著者
岡本 将彦 辰己 丈夫
出版者
FIT(電子情報通信学会・情報処理学会)運営委員会
雑誌
情報科学技術フォーラム一般講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2002, no.4, pp.299-300, 2002-09-13

ネットワークを適正に運用するには規約が必要であるが、それを白紙の状態から作成するのは容易ではない。しかし、運用規約はある程度構造化されていて、組織毎に共通な部分と異なる部分が存在することから、計算機による作成支援が可能である。そこで、我々は教育機関をターゲットとして、ネットワーク運用規約作成支援システムの開発を行なっている。本稿では、その設計指針とプロトタイプのデザインについて述べる。このシステムを用いると、学校関係者が必要な項目を入力・選択することで、各学校の状況に対応した規約の雛型を半自動的に作成することができるようになる。
著者
橋本 弥弦
出版者
FIT(電子情報通信学会・情報処理学会)運営委員会
雑誌
情報科学技術フォーラム一般講演論文集
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.357-360, 2006-08-21
被引用文献数
1

Captchaとは、相手がコンピュータではないことを確認するシステムの総称である。一般によく見かける形式に、画像の中に描かれている数字やアルファベットをユーザに入力させるものが多く、不正にWebサービスの登録を試みるボット(bot)への、有効な対策手段とされている。しかし、近年のOCR技術の発展と共にその解析コストは低下し、世界的に有名なCaptcha"Gimpy"が約30%の精度で解析され、世間を騒がせた事は今も記憶に新しい。本研究では、未だ理論的に解明されていない錯覚現象「主観的輪郭」を応用することにより、本質的に解析の困難なCaptcha画像生成の可能性を示した。