著者
高野 祐一 宮代 隆平
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.343-362, 2021-03-05 (Released:2021-03-05)
参考文献数
57

回帰モデルの変数選択は,統計分野で古くから重要な課題として認識されており,扱うデータ量の増大を背景として,近年はデータマイニングや機械学習などの分野でも盛んに研究されている.この変数選択問題に対して,数理最適化問題として定式化し分枝限定法を用いて求解する,混合整数最適化によるアプローチが新たな注目を集めている.混合整数最適化の最大の利点は,目的関数として設定した回帰モデルの評価指標に関して,最良の変数集合を選択できることにある.筆者らはMallowsのCp規準,自由度調整済決定係数,情報量規準,交差確認規準などの各種の統計規準に基づいて,線形回帰モデルの選択変数の集合と基数を同時に最適化する定式化を考案してきた.本論文では,線形回帰モデルの最良変数選択問題に対する,混合整数最適化による各種の定式化を解説する.
著者
岩永 二郎 西村 直樹 鮏川 矩義 高野 祐一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.D-L74_1-11, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)
参考文献数
23

Many mothers have considerable anxiety about pregnancy, childbirth, and childcare. For such mothers, searching for information on the Internet is an effective means of dissolving their anxieties. We consider the problem of estimating, for each search word, a distribution of search dates with respect to children’s birth dates. Most of the empirical distributions have unimodal or bimodal shapes, and some of them are asymmetric about extremal points and rise or fall sharply. We propose nonparametric estimation methods based on mathematical optimization models for such probability distributions. Our unimodal and bimodal optimization models automatically estimate the optimal extremal points and can be extended to multimodal distributions. These models are formulated as mixed-integer convex quadratic optimization problems, which can be solved exactly using optimization software. Experimental results using real-world and synthetic datasets demonstrate that our methods are effective by comparison to conventional moving average and kernel estimation methods.
著者
山村 詠一 長濵 正亞 高野 祐一 丸岡 直隆 大池 信之
出版者
一般社団法人 日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.731-740, 2016-10-31 (Released:2016-11-10)
参考文献数
19
被引用文献数
3

症例は52歳,男性.既往歴,アレルギー歴に特記事項なし.前医にて急性胆嚢炎に対し胆嚢摘出術を施行され,術後経過は概ね良好であったが術前から認められた肝障害が増悪した.前医にて精査したところ原因が不明であったため,胆嚢摘出術より1カ月後に当院紹介受診した.CTやMRCPでは総胆管に限局性の狭窄を認め,ERCPにて胆道ドレナージを行った.狭窄部の生検では胆管壁に好酸球浸潤を認め,末梢血好酸球数増加所見と併せ好酸球性胆管炎と診断した.ドレナージ後に胆管狭窄は軽快し,ご本人の希望もあったためステロイドは投与せず経過観察の方針となった.その後1年間無治療経過観察しているが,正常胆管像となり肝胆道系酵素も正常化している.今回我々は,急性胆嚢炎で発症し,その後胆管狭窄を呈するもステロイド治療を行わず無治療で軽快した好酸球性胆道炎の1例を経験したため,若干の論文的考察を加えて報告する.
著者
大澤 義明 城所 幸弘 栗野 盛光 小林 佑輔 櫻井 一宏 小林 隆史 和田 健太郎 高野 祐一
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

EVシフトが進めば、大幅な税収減となり新たな財源の確保が必要となる。一方で、インフラ維持管理費用が深刻な問題となる。走行距離など移動経路に応じて課税する受益者負担の考え方はわかりやすく身の丈にあったインフラ量を誘導する。道路修繕更新費用の一部が走行税で賄われる受益者負担課金を想定し、地方自治体まちづくりに与える影響を分析し、社会最適化などの理論モデルを構築する。
著者
佐藤 俊樹 高野 祐一 宮代 隆平
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.57-58, 2016-03-10

本研究では,逐次ロジットモデルの変数選択問題を考える.変数選択とは,候補となる説明変数の集合から,有用な部分集合を選択することである.この問題に対してTanaka and Nakagawa (2014) は,ロジスティック損失関数を二次近似し混合整数二次最適化問題として定式化して解く方法を提案した.しかし,この手法は近似の誤差が大きく,良い変数集合を選ぶことは難しい.そこで本研究では情報量規準に基づく変数選択問題に対して,ロジスティック損失関数を区分線形近似し混合整数線形最適化問題として定式化する手法を提案する.また,二次近似を用いた変数選択手法と性能を比較する数値実験を実施し,提案手法の有効性を検証する.
著者
水野 眞治 小島 政和 比嘉 邦彦 二宮 祥一 尾形 わかは 中川 秀敏 中田 和秀 中野 張 北原 知就 高野 祐一 高橋 幸雄
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

数理ファイナンス/金融工学に関連する数理技術、特に「最適化・オペレーションズ・リサーチ」「確率数値解析」「情報ネットワークセキュリティ」という3つの要素技術に関して理論的研究を行った。また、それらを実装したソフトウェアをインターネット上で公開した。さらに、金融数値計算を行うシステムの設計と構築を行った。その結果、高度な専門的数理技術を容易にアクセスできるようになった。