出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.980, pp.66-69, 2012-07-25

JRの平泉駅(岩手県平泉町)を降りて、歩き始める。ビルや住宅が間隔を空けて建ち、背後に山が間近に迫っている感じは、東京近郊の新興住宅地を歩いているような感覚だ。そういえばここは、中世に開発されたニュータウンだったな、と思い至る。 平泉の歴史は、12世紀の初めに奥州の豪族、藤原清衡が江刺(岩手県中南部)から拠点を移してきたことに始まる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.853, pp.72-81, 2007-07-23

世界中の注目を集めている経済都市が中東にある。アラブ首長国連邦(UAE)の首長国の一つドバイだ。埼玉県と同程度の面積を持つ都市を舞台に、目を見張るばかりの急速な開発が進んでいる。 ドバイで進行中のビッグプロジェクトの多くは、情報・通信や金融、スポーツなどといった業務内容や用途ごとにゾーニングしたエリアを、まとめて開発する形態をとっている。
著者
浅野 祐一
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.853, pp.70-96, 2007-07-23

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで進行中の建設プロジェクトでは、国外から起用された建築設計者による奇抜な建築デザインが目白押しだ。既に工事が始まっている建物も多い。一方、UAEのアブダビやカタールのドーハでは、安藤忠雄氏や磯崎新氏など日本の建築家がかかわるプロジェクトが進んでいる。中東の主要都市で話題のプロジェクトの現状を追った。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.890, pp.60-63, 2008-12-22

どっしりとした柱と梁。構造材がそのまま露出した見上げるような小屋裏。その大空間に守られるように、居間、食堂、台所がひと続きにある。新しい床、壁、新しい家具。けれどもそこは、家族の誰にとっても懐かしい場所だ。 福岡市城南区に建つこの住宅は、建て主の祖父の代に建てた築約100年の民家を改修したものだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.963, pp.42-51, 2011-11-10

20年越しの計画で段階的に再開発する高松丸亀町商店街。今年3月、北側の3街区を覆うアーケードが完成した。通りから建物3層分を見渡すために考えられた構造が、街ににぎわいをもたらしている。 香川県高松市で江戸時代から続く丸亀町の商店街では、足かけ20年になる再開発計画が進行中だ。今年3月に完成したアーケードは、従前のおよそ倍の高さである約21m。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.762, pp.72-76, 2004-01-26

「なべが空になった。こっちにカレーを持って来て」。2003年12月13日午前、修道院に集まったボランティアの人たちが、ホームレスへの炊き出し用の弁当をつくっていた。修道院を所有する「神の愛の宣教者会」の修道士や主婦など20人余りが机を囲む。日本語や英語で会話を交わし、てきぱきとトレーに詰めていく。 東京都台東区日本堤——。
著者
Pearson Clifford A.
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.837, pp.70-74, 2006-12-11

見晴らしの良い所から眺めると、それはまるで地表に姿の一部を見せる階段状のピラミッドか、マヤ遺跡といった太古の遺物のようだ。カサ・トーロはポルトガル北部ヴィラ・レアルの急峻な斜面に半ば埋まった状態で建っている。 それは、ファサードというより、はるかに山並みを見渡す傾斜33度の斜面の端に突き出した、コンクリートのデッキに過ぎない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.921, pp.46-48, 2010-03-08

サッカー場のスタンドを支えるPCa(プレキャストコンクリート)製の段梁から、重さ3.5kgのコンクリート片がはく落した。スタンドを構成する段床が温度収縮し、接合部を介して段梁に水平力が加わったとみられる。 さいたま市のサッカー場「NACK5スタジアム大宮」で、東側のスタンドを支えるPCaの段梁の側面上部にひび割れが見つかったのは2009年10月31日のこと。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.956, pp.34-39, 2011-07-25

東京都が沿道建物の耐震診断を義務付ける特定緊急輸送道路を指定した。今後、旧耐震建物の耐震改修需要が高まることは確実だ。特に、民間マンションの補強技術の提案が活発になってきている。 うぐいす色の外付けフレームを大きな樹木のような形で取り付けた外観は、南側の高架を走るJR総武線の車窓からも見える。東京都江戸川区北小岩、蔵前橋通りの南側に立つクラウンハイツだ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.786, pp.68-71, 2004-12-27

わさは本当だった。小粋なカフェに小学生たちが吸い込まれていく。まるでなじみの駄菓子屋や学童保育所に入るように、2人、3人と連れだって……。「いつも来てるの?」と問いかけると、「毎日!」という威勢のいい声が返ってきた。平日の夕方や休日の昼間、ここは近所の子どもたちの憩いの場となる。 カフェの名は「Salon de AManTOサロン・ド・アマント」。
著者
岡本 藍 小谷 宏志
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.963, pp.16-31, 2011-11-10

太平金融大厦(上海)は、高層オフィスビルが立ち並ぶ上海・浦東地区の中心部で、金融関連企業が集まる陸家嘴に建つオフィスビルだ。日建設計が特命で受注した。 太平金融大廈の周囲には、金茂ビルや環球金融センターなど有名な超高層ビルがそびえ立つ。日建設計の陸鐘驍氏は、織物のように折り重なるカーテンウオールを提案した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1018, pp.86-89, 2014-02-25

日経BP社は2月5日、新たに創設した「ECHOCITY製品大賞」の受賞製品を発表した。大賞はタイルカーペットの再生材比率を77%まで高めた住江織物のECOS(エコス)シリーズが受賞。ほか5製品に特別賞を授与した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.823, pp.24-26, 2006-05-22

ユニバーサルデザイン(UD)には「これが正解」という解決方法はないといわれる。社会システムの変化や利用者の属性などによって多種多様な解答が用意できるからだ。設計者の考え方しだいで、建物はユニバーサルデザインにより近づくことができるだろう。このクイズは、「どのくらい優しい気配りで設計しているか」をテーマに作成した。質問はすべて三者択一方式。
著者
細谷 陽二郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.898, pp.130-132, 2009-04-27

久しぶりに国立京都国際会館を訪れた。最後に来たのは学生時代なので、もう20年ほど前になる。今回、地下鉄の駅を降りて会館に向かい建物が見えてきたときに「おや」と思った。以前はなかった「アネックスホール」が増築されていたからだ。 本誌では1977年に、開館から11年を経過した同館をリポートした。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.895, pp.3-5, 2009-03-09

中国・北京市のCBD地区で2月9日、OMAが設計したテレビ文化センター(TVCC)が全焼した。北京市消防局によると、消防士1人が死亡。旧暦の正月に当たる春節を祝う花火が原因だった。建設中の事故とはいえ、超高層建築物での大規模火災はまれ。「対岸の火事」として見過ごすことはできない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.766, pp.18-21, 2004-03-22

に設置してあるエスカレータをわずか2日間で交換した。エスカレータ全体を大きく三つのブロックに分割して1日目に撤去、2日目に二分割した新しいエスカレータを設置した。それぞれ、実質的な作業時間は、終電後の送電停止から始発前の送電開始までの2時間半。従来の方法では、現場で解体してから組み立てるまでに1〜2カ月の工期が必要だったので、大幅な短縮を実現した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.922, pp.52-55, 2010-03-22

環境共生を前面に打ち出す民間の集合住宅はまだ少ない。2009年5月に完成した東京都杉並区の賃貸マンション「トレステージ浜田山」は、通風を促す配置計画や、外断熱などの基本性能の確保に、積極的に取り組んだケースだ。 昨年秋、最上階の3階住戸に入居した住まい手は、「見学したのは真夏の8月だったが、室内の風通しがよく、暑さが気にならなかった」と感想を語る。
著者
木村 駿
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.897, pp.22-27, 2009-04-13

幾重にも連続する開口部を通して、光や中庭の木々だけでなく、同じ建物内のテナントの息遣い、さらにはその先に広がる山並みまでもが、室内に飛び込んでくる。 UID一級建築士事務所代表の前田圭介氏が広島県福山市で手掛けたオフィスビルは、南北の間口が約10m、東西の奥行きが約45mの「うなぎの寝床」のような敷地に建つ。敷地は西側で前面道路に接している。建物は東側に寄せた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.803, pp.8-14, 2005-08-22

平行に並ぶ8枚のメッシュ状の格子壁が建物を支える。格子壁はスチールフラットバーの垂直材と斜材で構成され、平行四辺形の格子部分には三角形のスチールパネルやガラスブロックがはめ込まれている。ところどころ向こうが透けて見え、三角形が幾重にも連なる様子は壮観だ──。今年3月に竣工した公立はこだて未来大学研究棟に格子壁を用いた狙いを、設計者の山本理顕氏はこう説明する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1023, pp.50-57, 2014-05-10

戸畑図書館(北九州市)連続する門形鉄骨を再生の象徴に大胆な改修設計で知られる青木茂建築工房が初めて手掛けた「外観を変えない」改修だ。既存建物は築約80年の庁舎。補強を内部空間に絞ったことで、門形の鉄骨フレームを意匠のポイントにする新たな手法に…