著者
城間 繁
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:0386572X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.167-187, 1970-03
著者
嘉数 朝子 井上 厚 田場 あゆみ Kakazu Tomoko Inoue Atushi Taba Ayumi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
no.55, pp.221-232, 1999-10

本研究の目的は、(1)生活習慣と学習習慣、ストレス反応、および体温との関連を検討すること、(2)被験者を低体温群と普通体温群の2群に分け、生活・学習習慣、ストレス反応の両群間の違いを検討すること、であった。主な結果は次の通りであった。生活習慣とその他の要因との間には関連があった。一方、学習習慣は、ストレス反応や体温との間には関連はみられなかった。このことから、小学生においては、学習習慣、ストレス反応、体温は生活習慣の影響を受けることが示唆された。また、生活習慣尺度の中の「遅刻」の項目に関して、学習習慣の3下位因子の全てと関連がみられたことから、「遅刻」は学習習慣の形成に最も影響を与えることが示唆された。また、低体温群と普通体温群の間で、生活・学習習慣とストレス反応には違いはみられなかった。
著者
道田 泰司 Michita Yasushi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.105-117, 2007-08
被引用文献数
4

本稿では,問いのある教育がどのようにありうるのかについて,いくつかの教育実践や実践研究を取り上げ,主に思考力育成という観点から考察した。質問書方式の実践では,大学生の8割以上が疑問を持ち考えるようになったことが示されている。質問の質を高める方法としては,質問語幹リスト法が挙げられ,これを用いた実践研究が検討された。また,わからないときだけでなくわかったつもりでいるときに質問を出すことの必要性も論じられた。最後に,小学校における質問力育成教育をいくつか概観し,質問力を育成するための示唆を得た。最後にこれらをいくつかの観点から整理し,今後の課題を検討した。
著者
竹村 明子 小林 稔 Takemura Akiko Kobayashi Minoru
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.215-224, 2008-08

本研究は,親子関係と児童の学習動機の関係について明らかにするために自己決定理論(Deci & Ryan, 1985)を基に,学習動機を4水準の自己決定性-内発調整(楽しいから勉強をする),同一化調整(大切なことだから勉強をする),取入調整(恥ずかしい思いをしないために勉強をする),外的調整(親や先生に言われるから勉強をする)-に分け,親子ペアを対象に児童の4水準の自己決定性と親との信頼関係および親の家庭での関わりについて調べた。先ず,小学3~6年生173名のデータを用いて,子が認知する親との信頼関係と4水準の自己決定性の間の相関分析を行った。その結果,親との信頼関係が良好と認知するほど児童の内発調整および同一化調整が高いことが明らかとなった。次に,親子ペア141組のデータを用いて,親の家庭での関わりと児童の4水準の自己決定性の間の相関分析を行った。その結果,①親が子への経済的支援を惜しまず,将来について会話するほど児童の自己決定性は高くなること,②親が子と伴に文化的活動に関わるほど児童の内発調整は高くなること,③親が子の生活習慣の形成に関わるほど児童の同一化調整は高くなること,などが見出された。
著者
吉田 安規良 呉我 実香 Yoshida Akira Goga Mika
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.51-70, 2008-08

沖縄県教育庁八重山教育事務所管内の2つの小学校の変則的な複式学級設置校での授業実践から、変則的な複式学級での教育実践に何が必要かを考察した。(1)2つの小学校とも、教育課程や校内人事を工夫し、授業運営を可能な限り単式化していた。(2)国語の複式授業では、変則的な複式学級特有といえるような特別な工夫は見あたらず、「わたり」や「ずらし」といった複式学級一般で用いられる手法が利用されていた。少人数のため徹底的に個に応じた指導が行われており、「変則的な複式学級だから必要とされる資質・能力」というより、「目の前の子どもに寄り添った指導」ができることが重要である。正誤表追加 : 2009年2月10日
著者
知念 幸人 田中 敦士 Chinen Yukihito Tanaka Atsushi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.145-152, 2010-08

本研究は沖縄県内の高等学校の発達障害の特徴を有する生徒に対する就労支援の実態と課題を明らかにすることを目的とした。質問紙調査票の回答を各学校の特別支援教育コーディネーターに依頼した。回答を分析すると、特別支援教育コーディネーターとしての経験や専門性、職員のゆとり、職員の理解・協力、生徒本人・保護者の理解・協力、進学の場合の就労支援、事業所の理解・協力、特別支援学校との連携、に関する課題が見えてきた。
著者
森山 克子 伊礼 夏未 Moriyama Katsuko Irei Natumi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.153-161, 2010-08

1.郷土の行事食を含む給食献立年間計画作成と郷土料理の提供数・種類数との関連を明らかにするため給食献立年間計画表や家庭用配布献立表の回収を行った。対象は県内全市町村を網羅した92調理場で、資料提供があった調理場の内、年間計画表を回収できた調理場は、22調理場(36.1%)であった。約4割が作成していると推察できたが、その内容は一定ではなく調理場間に内容面で差がみられた。また、家庭配布用献立表を回収できたのは61調理場(回収率66.3%)であった。郷土料理の提供数や種類数は,調理場形態(共同調理場・単独調理場)では提供数、種類数共に有意差はなかった。また供食数(29~6677食)でも有意差がなかったことから,県内のどの調理場においても,給食管理の点から郷土料理を活用した食育を推進していくことが可能であるということが示唆された。1. To clear the relation between the School Lunch Service Annual Planing and the serve count and menu variety count of Okinawa Prefecture's School Service, we have collected the School Lunch Service Annual Plan and the Student's Lunch Menu. The collection was objected towards the entire Okinawa Prefecture's 92 cooking facilities, where the School Lunch Service Annual. plan collaction was 22 faciliteis (36.1%) out of all submitted facilities. A surmise of 40% of the facilities create a School L Lunch Service Annual Plan, which content were not standard and a difference between facilities exist. The Student's Lunch Menu collection was of 61 facilities (collection rate of 66.3%). The serve count nor menu variety count of Native Food had significant difference between facility form (joint cooking facilities and individual cooking facilities). No significant difference was seen in the prepared meal count (29~6677 meals) either, which indicates that all cooking facilities within Okinawa Prefecture has a possibility to provide dietary education through Native Food from terms of the School Lunch management.
著者
金 彦志 韓 昌完 田中 敦士 Kim Eon-Ji Han chang-wan Tanaka Atsushi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.199-206, 2010-02

韓国では、2008年に「障害者等に関する特殊教育法」が全面的に制定され、特殊教育に関する大きな法的整備が行われた。その内容としては、3歳未満の障害のある乳幼児の教育の無償化、満3歳から17歳までの特殊教育対象者の義務教育の権利、特殊教育支援センターの設置・運営の見直し等である。これは、小・中学教育を中心とした今までの制度から、乳幼児および障害成人のための教育支援に対する規定に変化したものであり、国家および地方自治団体の特殊教育支援についての具体的な役割も提示された。本論文では、韓国における特殊教育に関する法的背景を紹介し、2008年行われた「特殊教育実態調査」を参考に韓国特殊教育の現状を概観し、また、障害児教育・保育についての実態と課題を検討した。