著者
伊東 大介 四倉 達夫 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.122, pp.17-24, 1999-06-17
被引用文献数
1

近年、人間の顔表情をCG (Computer Graphics)にて表現することは映画の特殊効果や、ヒューマンインタフェースのためのエージェントの表現として-般的になっており、そのクオリティは実写に近いレベルまで達している。しかしながらそれらの構築に対しアニメータ等の膨大な労力と資金が必要であり、製作期間も長期間にわたるのが現状である。そこで本論文ではリアルな顔画像生成のため、皮膚組織や表情筋を持つ顔面筋肉モデルを用いて表情表出を行うシステムを構築し、各表情筋の変化に対応した筋電を測定する装置を用いて各々の筋電を測定し、各筋肉の収縮をモデル化する。測定データから顔面筋肉モデルの表情筋をコントロールして、リアルな口形状のモデル化を実現するシステムも可能となった。
著者
土屋 直樹 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.681, pp.25-30, 2006-03-15

本研究ではCMC環境においてより円滑な会話を行うために,仮想空間上のアバターを用い身体的相互作用の生まれる環境の構築を目指す.そこで,身体的相互作用を支える身体的機能として視覚能力に基づく視野に注目し,仮想空間の2次元空間上に存在するアバターに視野を付与した.そして,視野の付与による相互作用の変化を観察するため,被験者に他者同士の会話へ参与する場合の身体配置を決定させる課題を与え,身体配置を記録した.その結果,被験者自身のアバターに視野を付与されることに伴って,被験者以外のアバターにも暗黙的に視野を有しているという前提の下での身体配置が観察された.このことから,視野を付与する事によって仮想空間での身体的な相互作用を促進させる可能性が示され,CMCシステムの設計において,アバターの空間的な配置や身体的な振る舞いの付与を検討する事の重要性が示唆された.
著者
新垣 武士 星野 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.122, pp.7-11, 1999-06-17
被引用文献数
10

これまでの多くの研究は,非定型の運動や舞踊などに対しては感性評価を行ってきたが,運動規則と主観的印象の関係に関してはほとんど知られていない.本研究では,沖縄舞踊「カチャーシー」を再現したComputer Graphicsに対して,感性評価を行い,主成分分析を行う事で運動特性や時間情報と主観的印象の関連性を実験的に検討する.運動特性と主観的印象との関連性を解析することにより,創作舞踊や非定型舞踊の印象評価に関する指標を決定する事が可能となり,より効果的な心理的影響を与えることのできる動画像作成の指針を得ることができる
著者
ロクマン ジュアンダ 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.744, pp.35-40, 2005-03-17

日常生活の中で、我々は環境内の一つ或いは複数のオブジェクトに関わるような行動を良くする。例えば、キーボードをタイプする、電話をしながら歩く、コップで水を飲む、本を読む等である。日常生活における人間の動作の多くは環境内のオブジェクトと密接に関係している。本論文では、オブジェクトとの関係における拘束を考慮して、観測された身体部分の動作を解析することにより、人間の動作を理解する方法について述べる。環境内のオブジェクトと人物の動作との関係の取扱いを容易にするために、環境の3次元モデル及び人物の上半身のスティックモデルからなる仮想世界を構成する。実環境における人物動作をこの仮想世界に反映させることにより、オブジェクトとの関係に基づく人物動作の理解を行う。机の前に座ったユーザが机上のオブジェクトを手で動かすようなシーンに対する実験例により、本方法による人物動作の理解の結果を具体的に示す。
著者
前原 秀明 臼井 澄夫 鎌田 一雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.29, pp.7-11, 2002-04-12
被引用文献数
1

IT革命と高齢化社会の進行によりデジタルデバイドが大きな社会問題として意識されている.我々はこれまで,利用者による情報機器を介した情報獲得に焦点を当て,情報インタフェースと呼ぶ視点に基づいてこの問題を検討してきた.本稿では,情報インタフェースの視点から改めて情報獲得におけるバリア(情報バリア)を明らかにし,情報インタフェースにおける情報獲得の構造と評価方法について検討する.またこれに基づいて情報バリアフリーを定義するとともに,これに対するアプローチとして情報バリアフリーモデルを提案する.