著者
三浦 彩美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.174, pp.23-26, 2002-06-21
参考文献数
7
被引用文献数
2

本研究では、ポピュラーな洋画のシーンを呈示刺激として用いた感情評定実験と、テレビ視聴に関するアンケート調査により、映画作品における登場人物の感情評定と、幼少の頃から現在までのテレビ視聴時間や視聴番組のジャンルとの間にどのような関係があるかを検討した。その結果、呈示刺激に見出した感情表出の多様性と小学校時代のテレビ視聴時間との間に相関関係がみとめられ、感情認知とテレビ視聴に関連があることが示唆された。
著者
川上 貴文 廣瀬 敏也 春日 伸予 澤田 東一 小口 泰平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.581, pp.49-52, 2005-01-15
参考文献数
4

本研究は, 運転者の認知過程を考慮した追突防止システムの評価を検討したものである.システムは3種類を用意し, それぞれのシステムはブレーキランプに情報を提示するものである.その提示情報は(1)減速度, (2)制動力, (3)点滅による警報である.実験はドライビングシミュレータを用いて, システムを搭載した前走車の減速に伴い, 後続車の運転者が減速するものである.その結果, 制動力を提示したシステムは, 追突防止に効果が見られた.理由としては, システムが運転者の認知, 判断の時間を短縮していることが考えられる.
著者
木村 大治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.317, pp.1-6, 2008-11-16

今日,インタラクションの概念は諸学の中でますます重要になりつつあるが,一方で,この概念によって否定しようとしたものたちが,しばしば亡霊の如く,秘密裏に研究の中にあらわれてきているように思われる.本講演では,私のアフリカでの観察を参照しつつ,そういった「亡霊」たちの出現の機序を,双対図式というフレームワークを用いて考えてみたい.
著者
葛岡 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.185, pp.1-4, 2010-08-20

CSCWの研究では、実験・観察、分析・評価、そしてシステムの試作・開発を繰り返すことが重要であると言われている。しかし、システム開発を専門とする研究者が十分な分析・評価をおこなうことは難しい。筆者らは社会科学者と共同研究することによって、CSCWの分野と人間ロボットインタラクションの分野において、繰り返し手法を実践してきた。
著者
高橋 康介 三橋 秀男 則枝 真 仙洞田 充 村田 一仁 渡邊 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.224, pp.11-16, 2009-10-01

非言語コミュニケーションは、言語による伝達が出来ないような情報を伝える。本研究ではオノマトペを用いて、接触行動を伴う非言語コミュニケーションがどのように感じられているのかを調べた。実験では二人の人物の接触行動を伴うコミュニケーションが描かれた写真を呈示し、適切なオノマトペなど、一連の質問項目に答えた。その結果、雰囲気を表すようなオノマトペで表現されたコミュニケーションは比較的望まれるものであったのに対し、動作の特性を表すようなオノマトペで表現されたコミュニケーションは「行いたい」と感じられなかった。またコミュニケーションに対する形容詞評定を用いて主成分分析を行った結果、第一主成分として場の雰囲気(暖かさ)を表す軸が、第二主成分として動作の特性を表す軸が現れた。以上の結果から、接触行動を伴うコミュニケーションにおいては動作の特性自体よりもそのコミュニケーションにより生じる雰囲気の方が優先的に受け取られ、また望ましさを決定することが示唆された。
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.99, no.385, pp.7-14, 1999-10-22

今年で26回目となるSIGGRAPH'99は,8月8日(日)から13日(金)まで,アメリカ合衆国Los Angelsのダウンタウンに程近いコンベンションセンタで行われた。SIGGRAPHはACMに属する一つの研究会であり、CG(Computer Graphics)やInteractive技術に関する国際会議であり、最新のVirtual RealityやMultimediaに関する最新の試みなどが発表される。本研究会ではチュートリアルとしてSIGGRAPH'99の報告を行う。
著者
戸塚 大介 小暮 悟 小西 達裕 竹内 勇剛 伊東 幸宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.487, pp.25-30, 2009-03-16
参考文献数
5

近年,情報通信機器の発達によって我々の生活は便利になった反面,我々はそれらに応答する責任を暗に負わされている.この問題を解決するために公的メディアを用いたメッセージ配信システムが提案されている.本稿では,比較的小規模な集団内で共有することにメリットがある情報として集団内に属するメンバのスケジュール情報に着目し,スケジュールの遂行支援のためのメッセージを,公的メディアを利用して配信することを考えた.まず,誰にどんなメッセージを配信すれば効果的であるかについて検討しメッセージ生成のためのルールを決めた.そして,決められたルールに従ってメッセージを生成するためのシステムを実装し,集団内での運用実験を行った.実験では,メッセージそのものの有用度の評価,またメッセージを見たユーザに対して,期待したコミュニケーションが発生したかについて評価を行う.最後に考察と今後の展望について述べる.
著者
山田 寛 内田 英子 四倉 達夫 森島 繁生 鉄谷 信二 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.712, pp.27-34, 2001-03-14
被引用文献数
5

本研究では、人間が自然な表情を自発した時と普遍的で典型的と言われている表情を演じる時の顔の動きを高速度カメラで撮影し、顔の特徴点の変位の測定に基づいて顔の動きの定量的な特性を分析した。自然な表情は、Gross & Levens (1995)が標準化した情動喚起刺激を被験者に提示することによって自発させた。典型的な表情の演技は、FACSの定義に基づいた。自発表出条件、演技表出条件ともに顔の各部位の動き出しの差は微細であり高速度カメラを用いたことの有効性が示された。また情動ごとおよび表出条件ごとに顔の各部の動きの量や速さに特徴的な違いが認められたが、動きの変化そのものの様相には興味深い共通性が認められた。
著者
久保 宏一郎 藤野 雄一 八木 秀俊 大塚 作一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.10, pp.25-32, 1999-04-16
被引用文献数
6

本稿では, 寝たきりの障害者や高齢者がキーボードを使用することなく電子メールを送受信するためのシステムについて報告する. 本システムにより, 使用者がベッドや自宅にいながらにして外部との情報交換を行うことが可能になる. 文字や各種コマンドの入力に既報告の首振り動作の検出(頭部につけた赤色マーカを追尾)を利用し, かな漢字変換や電子メール機能については, 市販のアプリケーションとのインタフェースの整合性を取るため, 各種APIを利用して主にGUI部分のみを新規に作成した. さらに操作性を改善するため, カメラ位置の補正を自動的に行うキャリブレーション機能を実現した. 実験の結果, 撮像領域内のマーカのずれに対して約30秒でキャリブレーションを完了できることを確認した.
著者
濱 保久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.95, no.88, pp.9-14, 1995-06-09

伝統的な説得的コミュニケーションの研究では、情報の内容、情報の送り手、情報の受け手を個別に研究の対象としてきた。しかし、交渉場面などで展開されている説得的コミュニケーションは、双方向性でしかも力動的なものである。本研究では、ゴール・プランの考え方を導入し、対話過程そのものの構造化を試みた。実験では、架空の交渉場面を設定し2人の被験者に筆談による交渉を行わせた。収集した対話を分析した結果、1)話題の深化には2つのタイプが存在すること、2)話題の深化パターンに2つのタイプが存在すること、3)話題の転移パターンにも2つのタイプが存在することが明らかになった。
著者
中谷 桃子 宮本 勝 米村 俊一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.744, pp.41-46, 2005-03-17

コールセンタにおいて電話後にユーザに付加的な情報を与える, 「自己解決指向型ユーザサポート」の効果を, ユーザの自己解決意欲と主観的成功確率という2種類の尺度を用いて評価した. 結果, 全く同一の課題を与えているにも関わらず, 1人の被験者は達成見込みを高く評価し, 自己解決意欲も直ぐに向上した. 一方, もう1人の被験者は, 向上意欲は高いが, 達成見込みを低めに見積もり, 自己解決意欲に対しても非常に慎重な様子を見せた. これらの結果から, 前者のような被験者には, 多くの情報量を与え成長の機会を増やし, 一方, 後者のような被験者には, ある程度情報量を限定した付加情報の与え方が重要であることが示唆された.
著者
伊藤 英一 大橋 正洋 飯塚 慎司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.95, no.237, pp.9-16, 1995-09-14
被引用文献数
1

頚髄損傷による四肢麻痺者は運動機能のみならず、上肢の感覚機能にも障害を有する。そのため、高い巧緻性を必要とするマウス操作が困難となる場合が多い。そこで、感覚の無い手指やスティックによりポインティング操作を行なうためマウスの代替装置を利用する。しかし、キー操作などによる代替装置では失われた感覚機能を視覚により代替することが必要であり、マウスポインタに集中するべき視線が頻回に移動せざるを得ない。そこで、キーボードなどによる選択や押し替えの必要な方法ではなく、上肢の位置に影響されず、粗大な運動によって二次元の方向を示すことが可能なポインティングデバイスを考案・試作し、評価実験を行なった。
著者
和田 親宗 伊福部 達 井野 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.95, no.237, pp.53-58, 1995-09-14
被引用文献数
10

我々は音声スペクトルを振動パターンに変換しそれを人差し指の腹に呈示することによって聴覚代行を行う装置、タクタイルボコーダの改良研究を行っている。我々は刺激を電光掲示板のように指腹上を流すというスウィープ呈示方式を考案しその評価を行ってきた。その際、触覚の疲労や時には指先に不快な感覚が生じることを経験した。この不快感は振動刺激が指腹上を流れることに起因するものと想像されたので、今回、点字のような凸点刺激をスウィープさせて呈示することにより問題を軽減できるのではないかと考えた。また、盲人による点字の読解能力を考慮すると,スウィープする凸点パターンは振動パターンよりも識別の面でよりよい刺激方法になることも想像された。そこで振動刺激を用いた場合、凸点刺激を用いた場合、両者を組み合わせた場合の3つの場合について、絶対閾値、二点閾値、疲労の状態からそれらを評価した。その結果、絶対閾値、二点閾値についてはほとんど差が見られなかったが、凸点刺激だけの場合には疲労の影響を最も受けにくかった。このことより長期間使用するタクタイルボコーダの刺激方法は凸点刺激が実用的であろうと推察された。
著者
川瀬 新司 大崎 章弘 金子 哲治 三輪 敬之 柴 眞理子 田中 朱美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.552, pp.21-24, 2008-03-15

リハビリ施設や精神科病院などで機能的な運動支援が行われているが持続性に問題があり,自発的な身体運動を創出する手法が求められている.そこで筆者らがこれまで開発してきた空中に3次元的に描画できる空中描画システムを,ダンスセラピーに活用することを考え,ダンス教室における鏡をイメージし,スクリーン上に使用者の姿と同時に身体の動作軌跡を合成して投影する手法を考案開発した.そして,精神科病院で行われているセラピーの現場において患者に対する効果について検証した結果,本手法が患者の身体運動を引き出す動機付けになるだけでなく,自発的に動いて表現する能動性と描線によって動きが引き出される受動性を循環させる可能性を見出した.
著者
渡辺 貴文 上杉 繁 三輪 敬之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.552, pp.59-62, 2008-03-15
被引用文献数
1

実体の道具を使用している際にあたかも身体の一部となるような現象がある。仮想道具においてもこのような関係を強める方法へむけて,本研究では仮想道具の使用時における身体のダイナミクスを調べる手法について取り組んだ.そこで身体における微細な力みなどの挙動が反映される筋電位に着目し,仮想道具使用中の筋電位を動作と同時に計測するシステムを開発した.実験の結果,身体の動きに先立って立ち上がる電気力学的遅延や,異なる道具表現における筋電位波形の違いを確認した。
著者
青木 政勝 米村 俊一 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.552, pp.31-36, 2008-03-15
被引用文献数
1

最近の日本では地震や集中豪雨などの自然災害が頻発している.一般に災害時の情報はTVやラジオといったマスメディアによつて伝達されている.しかしながら,TV等の報道ではニュース性のある一部の情報しか報道されず,被災地の住民,被災者は生活・復旧に必要な情報がなかなか得られないのが実情である.そのため,被災者に必要な地域に密着した災害情報を共有することができる被災者間での情報共有環境が求められている.これまで我々は機動性の高い携帯電話を用いて,被災者自身が迅速かつ正確に災害時の情報を発信し,共有することを目的とした災害時情報共有システムを開発してきた.本稿では情報入力をより容易にする手法としてメニュー選択式を採用し,その有効性を情報投稿のしやすさで評価した.
著者
福田 紘 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.385, pp.51-56, 2005-10-27

本研究は情報格差に対応するバリアフリーとしてユーザがより利用しやすいインタラクションモデル構築の指針を目指すものである.そこで本研究では目の動きという社会的機能に着目する.社会的機能である目の動きをインタラクションモデルに利用することでユーザは対人コミュニケーションにおける日常の経験を利用することができる.それよりユーザの認知的な負担は軽減され, かつ学習不要であるという利点を合わせ持つことになる.本稿では心理実験によって, CGキャラクタの目の動きに対する印象評価に基づく人の認知特性について報告する.心理実験ではCGキャラクタと被験者が面接という場面において簡単なインタラクションを行い, CGキャラクタの目の動きが印象形成に与える影響を観察した.その結果, CGキャラクタの目の動きは対人コミュニケーションと同様に異なって認知されることが観察された.
著者
前田 恭兵 長岡 千賀 小森 政嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.308, pp.13-18, 2007-11-04

心理カウンセラーによる心理臨床面接場面および高校教諭による悩み相談場面における対面対話中の対話者の身体動作の同調傾向をビデオ解析に基づいて検討した.50分間の心理臨床面接の映像は4事例あり,それぞれカウンセラーの評価により「高評価事例」と「低評価事例」に分類されている.また,悩み相談場面2事例は心理臨床面接場面に登場したクライエントと高校教諭の面接である.すべてのセッションは模擬面接であった.対話者の身体動作の大きさをウェーブレット変換による映像解析によりそれぞれ求め,移動相関分析により両者の身体動作の関係を検証した.その結果,全体的な相関係数は「高評価事例」では「低評価事例」や悩み相談よりも高かった.また「高評価事例」では共通した時間変化パタンが見られた.
著者
村山 綾 清水 裕士 大坊 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.146, pp.7-12, 2006-07-03
被引用文献数
2

集団の相互依存性を検討する際に有用な多段共分散構造分析を用いて,3人集団における会話満足度に影響を及ぼす要因について検討した.大学生72名が3人集団で会話実験に参加し,お互いを知り合えるように会話を進める親密条件,時間内に1つの結論を提出するよう支持される討論条件のいずれかに割り当てられた.分析の結果,非言語表出性の高い個人ほど会話満足度が高くなることが明らかになった.また,集団内でうなずきの量が多いほど会話満足度が高くなる一方で,討論条件において集団内での笑顔の量が多いほど満足度が低くなることが示された.会話条件に関しては,親密条件よりも討論条件で会話満足度が低かった.個人レベルの指標と集団レベルの指標を1つのモデルに組み込む利点について議論を行った.
著者
石川 貴博 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.98, no.682, pp.21-28, 1999-03-23
被引用文献数
1

コンピュータグラフィクス(Computer Graphics 以下 CG) による顔表現方法の1つとして顔面筋肉モデルが挙げられる。現在、顔面筋肉モデルの表情筋は、単なる線分で表現され、実際の表情筋の様な複雑な形状を与えられていない。そこで、本論文ではこれらのことに着目し、表情筋の形状データを使用し、同時にその表情筋の運動表現を試みる。表情筋の運動表現は、表情筋がバネの集合体であると仮定し、運動方程式を解くことで実現させる。また下顎骨を剛体と仮定し、咀嚼筋による下顎骨の運動制御を提案する。下顎骨は咀嚼筋の収縮時の力を受けて回転運動を行う。これらの結果、表情筋の形状を考慮した運動表現および咀嚼筋による下顎骨の運動表現が可能になった。