著者
桐田 隆博 遠藤 光男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.734, pp.13-18, 2003-03-11
参考文献数
10

笑いは日常生活、とりわけ、対人相互作用場面において、ごくありふれた行為として観察される。本研究では、対人相互作用場面における笑い、その中でも笑いながら話す現象(laugh-speak)に焦点を当てて、その生起の状況と機能につて検討した。実験的な会話場面として、インタビュー形式の面接を設定し、その面接場面をビデオで録画・録音し、これらの詳細なトランスクリブションを作成した。笑いが生じた箇所を含む隣接対をlaughingevents(LE)として、これを分析対象としてた。その結果、1)笑いは話す話題よりは、話す状況と関連すること、2)面接対(dyad)によって、笑いの表出パターンが異なること、3)laugh-speakは被験者においては、全ての笑いの50%にも及ぶこと、4)laugh-speakの機能は、発話内容の修辞を中心として、その守備範囲はかなり広いことなどが明らかになった。
著者
平本 毅 高梨 克也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.176, pp.7-12, 2012-08-11

本稿では,科学館の新規展示物制作の打ち合わせ場面において,制作チームのメンバーが,将来的に生じることが見込まれる行為を身振りを交えて演じながら他メンバーに説明する際にみられる,聞き手への「振り向き」を分析する.分析の結果,(1)「振り向き」が,将来的に生じることが見込まれる行為がもちうる「問題」のイメージを共有するために形成される,演技を伴う説明の「区切り」の到来を投射する役割をもつこと,(2)「振り向き」が,演技という活動のための身体の志向と,想像を協働で行うための聞き手とのやり取りを行うための身体の志向とを両立させる手続きになっていること,(3)「振り向き」のタイミングが,この手続きのはたらきにとって決定的な役割を果たすことが明らかになる.
著者
米谷 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.328, pp.29-32, 2003-09-20

神戸大学大学院総合人間科学研究科対人行動研究室では、これまで10年に渡って私の指導の下に表情研究がなされてきた。われわれは表情を顔・頭部における社会的行動とみなし、通常の対人コミュニケーション場面における日本人の一般的な表情表出(Facial Display)を研究している。この報告ではそのために開発された視線や頭部の動きも含めた顔の各部の時系列的変化をとらえるための表情記述法(J-FACT)を説明し、これを用いて進めてきたわれわれの研究をレビューする。
著者
松田 祐児 大澤 博隆 大村 廉 今井 倫太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.317, pp.41-46, 2008-11-16
被引用文献数
1

本稿では,目や口といった顔のパーツがヒューマンロボットインタラクションに与える影響を調査,検討を行ったものである.近年ではヒューマンロボットインタラクションに関する研究が盛んになってきている.しかしながら,インタラクションで重要とされるロボットの擬人的外見がヒューマンロボットインタラクションに与える影響に関しては究明されていない.そこで我々はシステムの反応時間(SRT)に応じたユーザの評価を得て,そのデータを元に擬人化度を測り,3つの結果を得ることができた.1つ目はユーザはインタラクションの対象となるロボットが不完全な擬人化パーツであってもそのロボットに対して擬人化の認識を持つということ.2つ目は目パーツのほう口パーツよりも擬人化に対して効果があるということ.3つ目は擬人化することでインタラクションそのものの評価が向上するということである.
著者
松坂 要佐 緒方 淳 麻生 英樹 浅野 太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.219, pp.13-18, 2006-08-21
被引用文献数
6

多人数会話の工学的応用を行った研究についてのサーベイを行った.多人数会話とは3人以上の参加者によって行われる会話形態のことである.公共の場での大小の会議や各家庭でのテーブルトークなど,我々の日常の社会生活のうち,時間・重要性の両面において多くを占める部分がこの形態の会話によって行われている.本稿ではこの多人数会話を対象として作られた工学的なシステムについていくつか取り上げて議論するとともに,会話の構成員,利用メディアの種別によって分類することを試みた.既存の研究の分類・共通する問題についての議論を行うとともに,現在我々の開発している会議アーカイブシステムVTMOfficeについて紹介した.
著者
渡辺 哲矢 小川 浩平 西尾 修一 石黒 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.487, pp.19-24, 2009-03-16

遠隔操作型アンドロイドを操作する際,視覚フィードバックしかないのにも関わらず,ロボットの体に触られると自分の体に触られたように感じることがある.類似の現象として,視覚刺激に同期して触覚刺激を与えると身体感覚の延長が生ずる「Rubber Hand Illusion」が知られているが,視覚刺激のみでの研究事例は少ない.そこで我々はアンドロイドの遠隔操作時の同調性を制御した被験者実験を行い,実際に錯覚が生じているのか,またはどのような条件がそろえば,そのような錯覚が生じるか検証した.その結果同調感を高めると,視覚刺激のみでも身体感覚の延長が引き起こされることがわかった.
著者
高橋 一裕 長谷川 光司 阿山 みよし 春日 正男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.99, no.384, pp.7-10, 1999-10-21

マルチメディア技術の発展によって,迫力のある映像だけでなくより臨場感のある音場再生技術が望まれているが,これを実現しようとするとき,映像が音像定位に与える影響は無視できない.本研究では,視覚情報が音像定位に与える影響について実験的に検討する.被験者の正面より左右30度ずつに配置された2つのスピーカから被験者の両耳までの伝達関数をそれぞれ測定し,バイノーラルな音場再生を実現するための逆フィルタを求めた.これにより作成したバイノーラル音像と実音源による音像をそれぞれ用い,半円形のスクリーン上の様々な位置の映像を組み合わせて被験者に提示し,音像定位を測定した.
著者
平田 佐智子 小松 孝徳 中村 聡史 秋田 喜美 澤井 大樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.185, pp.1-6, 2013-08-16

オノマトペ(擬音語・擬態語)は表現力豊かな言葉であるとされており、その性質や応用可能性について明らかにされつつある。本研究は、オノマトペが言語コミュニケーションにおいて果たす役割を検討するため、地域によってオノマトペの使用頻度が異なるのか、またどのような人に対して用いられるのか、どのような伝達内容に対して用いられるのか、を調べるため全国規模の調査を行った。結果として、主観的な使用頻度には地域差は無いものの、オノマトペの地域差に対する根強い信念が存在すること、またオノマトペが親密性の高い間柄で用いられる点や、触覚や視覚情報を伝達する際に最も多く使用されることがわかった。
著者
山本 紗織 寺谷 望 中村 有美香 渡辺 成美 林 延徳 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.176, pp.31-36, 2012-08-11
参考文献数
11

一般に普及しているビデオチャットシステムを利用した遠隔コミュニケーション環境では,多人数での対話参加者間の視線によるインタラクションを成り立たせることができない.そのため,話者によるアドレッシングや次話者への発話権の円滑な交替が困難となり,多人数対話機能はほとんど利用されていない.このような問題に対して,申請者は視線による自然な発話アドレッシングとセレクトを明示化した多人数ビデオチャットシステムPtolemaeusを開発し,このシステムによって実現できた視線によるインタラクションが円滑な遠隔多人数対話を実現できる可能性を実証した.
著者
竹内 勇剛 片桐 恭弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.123, pp.57-63, 1999-06-18
参考文献数
17
被引用文献数
6

人間は自分と類似した態度をとる他者に対して好意を抱く傾向がある.さらに類似した他者とのインタラクションを想定した場合,その者との作業の円滑な進行が実現する可能性を高める効果がある.本研究では,このような社会心理学的知見をもとに,人と擬人性を付与したエージェントとの間において人同士と同様な社会的インタラクションが成り立っていることを心理実験を通して実証した.本実験の仮説としては,人-エージェント間においても人同士と同様な社会的インタラクションが観察できると考えた.実験の結果,人の判断に同意する傾向を示すエージェントに対しても人は人同士の場合と同様に親和的反応を引き起こしていた.このことから仮説は支持され,人とエージェント間においても社会的インタラクションが成り立っていることが明らかになった.
著者
長田 典子 和氣 早苗 大須賀 美恵子 井口 征士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.113, pp.25-28, 2003-06-06
参考文献数
4

最近のテレビ番組で,ストーリーの山場にコマーシャルを挿入する手法が見受けられるが,集中を削がれるため,とりわけ子供に対する影響が懸念される.そこでコマーシャルの挿入タイミングが子供の集中力に及ぼす影響について検討を行う.呼吸・脈波・瞬目に関する生理心理計測実験を実施したところ,呼吸率と呼吸振幅の変化を4つの集中度パターンに分類できた.また瞬目についても集中度との関連が明らかになった.実験結果から,高まった注意集中が削がれることにより,次の注意集中の高まりが遅れることが観測された.そしてCMを効果的に提示するという観点からも,CMはストーリーの山場より完結後に挿入されるのが望ましいとの見解を得た.
著者
榎本 美香 石崎 雅人 小磯 花絵 伝 康晴 水上 悦雄 矢野 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.445, pp.45-50, 2004-11-11
参考文献数
10
被引用文献数
1

本稿では,会話相互行為の実証的な分析にふさわしい単位について考察するために,これまでに提案されているいくつかの単位間の比較を行う.比較する分析単位として間休止単位・韻律単位・節単位・スラッシュ単位・ターン構成単位を取り上げる.まず,各単位の判定基準に基づき,共通データ(3人会話)の単位区切りを行う.次に,ターン構成単位を軸としてその他の単位との境界の一致傾向を調べる.また,数量化II類を用いてターン構成単位の境界の有無をその他の単位から予測するモデルを構成し,ターン構成単位へのそれぞれの単位の影響について検討する.分析の結果,ターン構成単位との一致が強いのは節単位・スラッシュ単位であり,予測モデルに大きな影響を与えるのは節単位と一部の韻律単位であることを示す.
著者
相澤 侑斗 片桐 恭弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.238, pp.11-14, 2012-10-06
参考文献数
10

表情や環境などの視覚的情報や音声などの聴覚的情報を基に他者の心理的状態を推測し、他者とコミュニケーションを行なっている。特にヒトは霊長類現生種の約半数の内で眼裂横長度及び強膜露出度が最大であり、唯一強膜に色素がなく白色である[1]ことからもヒトの眼はコミュニケーションに特化した形状であることがわかる。しかしながら、この眼裂のみに着目した研究は少なく、小文ではこの眼裂の変化に着目し基本6表情の判別実験の結果からどのような傾向が見られたかを記述する。
著者
埴淵 俊平 伊藤 京子 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.383, pp.59-64, 2011-01-14
参考文献数
20

近年笑顔認識技術の向上・市販化により,今後人と人,もしくは人と人工物がコミュニケーションをする際に笑顔情報を利用したインタフェースデザインが検討されると考えられる.本研究では,笑顔がもつ他者の受容が適用可能なコミュニケーション場面とそのインタフェースデザインを検討することを目標とし,笑顔の送り手-受け手といった関係性を顕在化した場面を適用することで,内部観察的に笑顔の受容が会話に与える影響を分析することを目的とする。具体的に笑顔表出者が笑顔メッセージを受け手に送信する過程を笑顔アイコンを用いて視覚化した2種類の会話場面(対面・非対面会話)によって分析する.会話実験より,笑顔がもつ受容は5つの主成分に影響を与え,また爽快な印象が自分の笑顔表出量と相関があり,社会的な印象が他者の笑顔表出量と相関がある可能性が示唆された.
著者
寺田 員人 原田 史子 山添 清文 花田 晃治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.99, no.289, pp.41-47, 1999-09-04
参考文献数
6

歯科矯正治療によって,歯ならびに歯槽骨の位置ならびに形態が変化し,その上にある軟組織も変化し,側貌,正貌,特に口元が変化する。 この様相を治療前後の正面ならびに側面顔写真とセファログラムを用いて調べた。また,歯科矯正治療前後の顔画像から表情を作成し,その印象の強さを調べた。その結果,喜びの表情では,上顎前突症を有する患者で,治療後の顔画像の方が治療前より印象が強いと評価した回答が多くなった。一方,アンケートから歯科矯正治療を受けた患者の家族や友人は,歯並び,口元の変化,さらに明るくなった性格や積極的な行動の変化を感じていた。
著者
渋井 進 山田 寛 厳島 行雄 佐藤 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.97, no.506, pp.1-8, 1998-01-22
参考文献数
11
被引用文献数
3

顔面表情のカテゴリー化に関して、同じカテゴリーに分類される表情の中の最も典型的な表情 (プロトタイプ) からの距離によって分類されるというモデルと、カテゴリーの一般的あるいは抽象的概念そのものからの距離によって分類されるという2つの仮説を立てた。表情刺激にはコンピュータグラフィックスの手法により合成された21の平均顔を用いた。実験1ではこれらの刺激および6つの情動概念 (喜び、悲しみ、驚き、怒り、嫌悪、恐れ) をSD法で評定させた。その結果両者は快・不快、活動性の2次元で構成される同一の空間で認知されることが示された。実験2では表情刺激をカテゴリー判断させた。分析の結果プロトタイプモデルの概念モデルに対する優位を示す傾向が見られた。
著者
平岩 明 上地 正昭 北岸 郁雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.721, pp.37-41, 2000-03-21
参考文献数
7

テレイグジスタンスは, 人間が従来の時空の制約から開放され, 時間と空間ないしそれらの両者を隔てた環境に仮想的に存在することを目指す新しい概念である.本稿では, パーソナルなテレイグジスタンスシステムとして, N-ISDNテレビ電話等にネットワーク接続したパーソナルユースの移動型AV情報収集ビークルであるテレエージェントに搭載した, CCDカメラやマイクのAV情報を遠隔で視聴し, かつビークルの移動の遠隔操縦を行うシステムの実験例について報告するユーザがパーソナルユースで, 家庭やオフィスにあるN-ISDNテレビ電話や, PC, 携帯型テレビ電話, ウェアラブルPC等のモバイル端末で, 自由自在に遠隔地の情景をテレエージェントを介して視聴でき, かつ移動型のテレエージェントで見たい場所を自由自在に遠隔操縦して視聴できるテレエージェントの実験例と, コンセプトについて紹介する.N-ISDNの定額制度化や, インターネットの普及にともなう常時接続を前提とすると, こうした移動ロボットであるテレエージェントをネットワークに常時接続した新しいサービスが, 21世紀には現実のものとなり, パーソナルユースでも普及する可能性があると思われる.
著者
大島 優 正田 悠 阪田 真己子 鈴木 紀子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.189, pp.41-45, 2014-08-15

数名での対話形式を取りながらも,第三者への情報伝達を目的・可能としたコミュニケーション構造は「オープンコミュニケーション」と呼ばれている.ラジオのように,聞き手であるリスナーに直接見られることなく,音声のみ伝わる場合でもオープンコミュニケーションは成立する.これは,ラジオが数名での対話形式を取りながら,リスナーである第三者へ情報伝達を行っているためである.本研究では,聞き手に視覚情報が呈示されないオープンコミュニケーションであるラジオの話者の振る舞いに着目し,聞き手に視覚情報が呈示される状況(公開録音)との比較からその特徴を明らかにする.またラジオパーソナリティの経験者ペアと初心者ペアの比較を行い,ラジオパーソナリティ独自の"スキル"という観点からも考察を行う.
著者
沢村 栄治 棚橋 大介 江原 暉将 白井 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.98, no.284, pp.23-30, 1998-09-19
被引用文献数
1

通信・放送機構のプロジェクトとして、「字幕制作システム」の研究を進めている。この研究の中で、字幕放送利用者が求める最適な字幕表示方法を追求するために、種々の字幕提示方法による実験用字幕番組を制作するとともに、聴覚障害者も含む評価者の協力を得て、制作した実験用字幕番組の予備評価を行った。パソコンを利用した多様な表示方法による実験字幕番組制作システムと、制作した実験字幕番組例、字幕パラメータ・評価者群別などの主観評価実験結果などについて述べる。
著者
三宅 雄大 寺田 和憲 吉川 雅博 松本 吉央 高橋 英之 伊藤 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.73-78, 2013-11-02

本研究では,人がアンドロイドを人のようなインタラクション対象とみなすかどうかを繰り返し非ゼロ和ゲームを用いて検証した.実験タスクには協調も搾取も可能な繰り返し非ゼロ和ゲームである1,2,5じゃんけんを用いた.対戦相手としてアンドロイド,PC,人を比較した.実験の結果,実験参加者は対人条件の場合は相手との協調を優先したが,対アンドロイドの場合には対PCと同様に自己利益を追求し搾取を行った.実験結果の解釈を定めるために,追加実験を行い,対人であっても,その人が実験者である場合には自己利益を追求することが確認された.以上の結果から,金銭に関して価値を共有しないことがアンドロイドの人らしさを減退させていると結論づけた.