著者
山本 徹 関 文夫 吉田 篤史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.361-368, 2003

国民の社会資本へのニーズは、社会資本整備の進捗に伴って国民が求める「豊かさ」に質的な変化がみられ、公共投資に関する国民の意識は変化している。国民のニーズは経済効率重視のハード主体の公共投資から、環境や福祉などを重視したソフトを含めた「ゆとりや豊かさ」の実現と変化している。<BR>高度経済成長を支えてきた社会資本整備の施工者である日本の総合建設会社は間接部門を持たない外国のゼネラルコントラクターと違い、技術研究所などの技術開発部門を有しそれを活用するエンジニアリング能力も備えている。現場施工管理においては、組織としての技術支援を得ることにより確かな技術的判断をもって問題解決にあたっている。さらに技術部門は机上の研究活動からだけでなく、豊富な現場経験からのノウハウを集積しその技術力を蓄積している。<BR>本書では、従来の総合建設会社の施工管理部門 (Constructor) と工学的技術部門 (Engineer) の融合に加えて「ゆとりや豊かさ」を提供するために意匠設計能力を有するランドスケープ技術部門 (Designer) を設けて三位一体として活用する「総合技術監理システム」によるランドスケープデザインで、地域との合意形成に貢献した施工実施例を紹介する。
著者
斉田 比左子 藤原 百合 山本 徹 松田 実 水田 秀子
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.230-239, 1994 (Released:2006-06-06)
参考文献数
15

電文体発話を呈した左中前頭回後部の小出血の1例を報告した。典型的な電文体発話は我が国の Broca 失語ではまれといわれている。本症例は54歳,右利き男性で,発症時はBroca失語に相当する状態を呈し,その回復過程で,自発話のみに選択的に電文体発話が明確となった。特に,発話意欲の亢進した自発話に著明であった。書字には,電文体は認められなかった。理解力や喚語力は保たれ,文法処理能力も良好であった。本症例では,迅速かつ効率よく多くの情報を伝えようとする場合には助詞が省略され,その背景には文を構成し発話する過程で助詞の使用に関する何らかの機能不全が推察された。本症例は,文の構成に関与するといわれる左中前頭回後部に限局病変を有したことから同部位が文の構成過程に関与する可能性を示唆する1症例と考えられた。
著者
山本 徹美
出版者
中央公論新社
雑誌
中央公論 (ISSN:05296838)
巻号頁・発行日
vol.114, no.8, pp.252-263, 1999-08
著者
服部 良信 根本 浩路 小林 靖典 山本 徹 杉村 修一郎
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.341-345, 1998-08

症例は68歳の女性.1990年9月25日原発性肺癌で左上葉切除+R2a郭清を施行した.高分化腺癌で,p-stage I(T1N0M0)であった.術後化学療法(VP-16,CDDP)を施行した.1991年7月頃より呼吸困難・喘鳴が出現した.胸部CTと気管支鏡検査で左上葉切断部の中枢側の左主気管支の狭窄を認めたが,再発は認めなかった.経過観察中狭窄による症状が進行した.1994年2月22日の胸部単純X線写真で残存下葉に腫瘤陰影を認め,CT下針生検で再発性肺癌が疑われた.他臓器転移は認めなかった.左主気管支狭窄を考慮し,4月26日左残存肺全摘術を施行した.左主気管支は上方に偏位し,時計方向に約90度捻転じ,狭窄は上薬支断端部の中枢側にあり,内径は3mmであった.再発性肺癌であった.術後呼吸困難は消失し,PSは1であった.左残存肺全摘術後3年7ヵ月で全身転移のため死亡した.
著者
高橋 澄夫 井野口 卓 華 常祥 堤 善多 森脇 優司 山本 徹也
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
痛風と核酸代謝 (ISSN:13449796)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.211-215, 2006 (Released:2012-11-27)
参考文献数
15

It is well known that patients with gout frequently have acidic urine, a major risk factor for urolithiasis. However, the underlying mechanism of acidic urine in patients with gout remains unclear. Recently, uric acid nephrolithiasis has been reported to be a factor contributing to of renal manifestation of metabolic syndrome. Therefore, to clarify the mechanism of acidic urine in patients with gout, we investigated the relationships between urinary pH and other components of metabolic syndrome. Patients with a 24-hour urinary pH below 5.5 showed higher or greater levels of blood pressure, serum triglyceride, blood sugar, plasma insulin, and visceral fat area, compared with those with a 24-hour urinary pH above 5.5. In addition, there were negative relationships between 24-hour urinary pH and serum triglyceride, visceral fat area, and HOMA index. PPAR a agonist, bezafibrate, significantly raised the 24-hour urinary pH in gout patients in accordance with a reduction in serum triglyceride concentration and HOMA-R, probably through improvement of insulin resistance. These findings suggest that insulin resistance plays at least a partial role in the development of acidic urine in patients with gout.
著者
中山 実 山崎 信雄 山本 徹 恵藤 健二 加藤 真一 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.Suppl, pp.221-224, 2006-03-20 (Released:2016-08-02)
参考文献数
3

実習を必要とする学習をe-Learningで行う可能性を検討するために,講義実習一体型のe-Learning教材を開発し,従来型の[講義+実習]の場合と比較した.また,非同時性学習による効果も検討した.その結果,主観評価では従来型が高かったが,学習成績では有意差がなく,利用可能性が示された.
著者
森 拓也 山本 徹 為広 尚起 二羽 淳一郎
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.12-20, 2001
被引用文献数
1

近年, さかんに建設されている長支間を有するコンクリートアーチ橋について, その長大化の歴史およびアーチ形状, 部材, 施工法などの実績を調査した。また, コンクリートアーチ橋のさらなる長大化を想定し, 支間600mのアーチ橋の検討を行い, 今後のコンクリートアーチ橋の長大化に関する材料, 設計, 解析, 施工方法についての課題について述べる。解析については, アーチ橋の特性を考慮した, 耐震設計や不安定解析についても言及している。
著者
Tha KhinKhin 寺坂 俊介 工藤 與亮 山本 徹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

電流の流れやすさを示す指標である導電率は、体内臓器や組織系によって値が異なる。導電率を非侵襲的に測定できれば異なる組織の区別が可能となり、病的状態での組織系の予測診断の補助が期待できる。本研究は、脳MRIによる非侵襲的導電率イメージングを開発し、この方法による頭蓋内構造の導電率測定の正確性を明らかにすることを目的とした。脳MRIによる非侵襲的導電率測定法の正確性、非侵襲的導電率測定の有用性等について検討した。脳MRIによる非侵襲的導電率測定の再現性の高さ、電極を用いての組織の導電率測定結果との一致率の良さ、神経芽腫をより悪性度の低い神経膠腫から区別できること、等が示された。
著者
山本 徹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

脳血行動態が信号強度に反映する測定手段であるファンクショナルMRI(f MRI)と近赤外分光測定(NIRS)を同時に行うことで、脳神経活動に伴う脳血行動態の解釈をより確実にすることを目的とた。まず、(1)微細な脳血行動態測定のための高空間分解能f MRIにおけるアーチファクトの低減を目指した。次いで(2)f MRIとNIRSの同時測定を行い、2つの異なる情報から脳血行動態の解釈を行った。(1) f MRI画像における熱的ノイズ強度を基に画像ノイズを評価する指標を確立した。この指標により、アーチファクトの主な要因として考えられる体動・拍動・呼吸などの生理的揺動の影響を定量的に評価した。その結果、撮像後の画像処理で行われる動きの補正は画像空間分解能が粗いと不十分であり、十分な補正を行うためには1mm×1mm程度の空間分解能が必要であることが判明した。さらに、呼吸による影響は大部分が呼吸に連動した頭部の動きであることがわかり、不随意的な体動と共に動きの補正処理によりそれらの影響が低減することが確認された。(2) MRI装置に複数のNIRS用プローブを装荷し同時測定を行い、手指対立運動による脳活性化を測定した。f MRIで描出されるBOLD効果を反映した領域はNIRSで測定されるデオキシヘモグロビン(deoxyHb)変化と対応している傾向が認められた。NIRS測定ではオキシヘモグロビンとdeoxyHbの変化はover compensation的変化を示す部位が顕著であったが、夫々の変化が現れる部位は多少ずれる傾向があり、動脈と静脈の分布の違いを反映している。さらに、脳神経活動に伴う脳血行動態のさらなる精密測定を行うためには、NIRSの3次元的把握(画像化)によりf MRIでの描出領域との対応解釈を進めていくことが求められる。