著者
鈴木 真
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,清朝(1636~1912)康煕年間(1662~1722)の政権上層部の権力構造を,主に当該時期の皇位継承問題を題材として分析し,康煕朝中期の宮廷政没史の実態を明らかにしたものである。皇帝(康煕帝玄〓)・旗王(有力皇族)・権門(有力満洲貴族)の三者間の関係を,清朝の軍事・社会制度である八旗の支配原理の中で捉え直し分析することに主眼を置き,これらの複雑な権力構造の下,一見すると中華王朝的な皇太子冊立がおこなわれたと指摘した。さらに皇太子廃嫡後における諸皇子の擡頭・失脚や,つづく康熙帝の後継者指名と雍親王即位の理由も,そうした権力構造の存在に求められることを指摘した。
著者
北畠 直文
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

これまでの研究において,茶の渋味については、茶抽出液ならびにタンニン酸とヒト耳下腺から採取した唾液について、その沈殿形成と渋 味発現の関係、ならびに沈殿形成にかかわる唾液中のタンパク質の同定等について検討、渋味抑制方法の開発等の研究を行ってきた。さらに、茶の成分であるカテキン類を用いて、カテキンと唾液たんぱく質との相互作用を調べた。また、先の研究においてゼラチンが唾液たんぱく質と渋味成分であるタンニン酸との相互作用を阻害し、結果として渋味の発現を抑 制することを見出していたが、用いるゼラチン素材の種類によって差異があり、抑制効果とゼラチン分子との関連について検討を進めた。続いて、タンニン酸以外の渋味成分について検討を進めた。ヒト耳下腺唾液、顎下・舌下腺唾液を別々に採取し, それぞれについて渋味を呈する①タンニン酸,②ミョウバン,③塩酸を用いて,唾液と混合した場合の沈殿の生成について検討した。 ①のタンニン酸については、耳下腺唾液と顎下・舌下腺唾液では沈殿形成に顕著な差異が見いだされ、反応する唾液成分が異なり、またその挙動(沈殿形成時間や混合比)にも違いを認めた。当該年度においては、上記の①タンニン酸,②ミョウバン,③塩酸の渋味についてさらに検討を加え、あわせてこれまでに顎下腺唾液に含まれるたんぱく質が渋味発現に重大な役割をもっていることを示唆する結果を得ていたので、これについてさらに検討を進めた。しかしながら、大学の管理運営業務等のため研究は遅れ、研究論文作成も遅延している。よって、これらを完遂すべく、昨年度末に期間延長を申請し、承認を受けたところである。
著者
小田 久美子
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、輪郭線を利用した活動の開発を目指し、臨床応用するための検証を行った。まず幼稚園教諭と研究者との連携により造形プログラムを計画立案・実施し、次にデータ整理と分析を行った。結果、鑑賞活動と表現活動が自然に融合することにより子どもの絵画表現への内発性に刺激を与え、その活性化を促す傾向が見られると判断された。現在まで特に教育的な価値が与えられていなかったが普及率は高く、子どもに好まれる塗り絵遊びに着目し、輪郭線を取り入れた教育実践を検討することは、幼児教育・美術教育において未開拓の領域であると言える。したがって教育現場にとって、新しい指導援助の方法として大きな意味を持ち得ると考えられる。
著者
福原 史子 奥山 清子 蜂谷 里香 岡本 純子
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

コスミック教育は、あらゆる事物は宇宙の一部で、一つの全体的調和を形成するよう相互に結びついていることを発達段階に応じて学習、認識するよう促す教育である。まず、研究の第一人者C.M.トルードゥーの業績研究をもとに、今日的意義をキャリア教育やESDと関連づけて検討した。加えて、幼稚園における2年間の実践研究から、命の誕生や持続のために必要な要素を感じ、興味・関心をもち、コミュニケーションを図りながら協同して学び合えるコスミック教育の実践方法を導きだした。