著者
河本 直樹
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.163-171, 2015-02-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
10

女性ファッション雑誌の表紙における色彩分布の特徴を調べた.表紙の画像データから得られる9個の特徴量を用いて,クラスタ分析を行い,雑誌を分類した.その結果,まず女性ファッション雑誌の表紙は,他のジャンルの雑誌とは明らかに区別されることがわかった.また女性ファッション雑誌は,対象とするファッション系統によってそれぞれ特徴的な表紙を有することもわかった.また,因子分析によって特徴量を要約し,4 個の因子(あざやかさ,明るさ+細かさ,多色相性,トーンコントラスト)を得た.ティーン系の雑誌では「明るさ+細かさ」および「多色相性」の因子得点が高いこと,モード系の雑誌では「多色相性」の因子得点が著しく低いこと,ストリート系の雑誌では「トーンコントラスト」の因子得点が高いことなどがわかった.また,平均彩度と平均明度については雑誌による差異が明確であったが,色相についてはほとんど差異がなく,女性ファッション雑誌の表紙の平均色相はどれも赤からオレンジの領域にあることがわかった.
著者
井手 幸恵 風間 健
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.265-270, 1997

本報の目的は女子就労者がブランドの鞄を所持する状態と希望する要因を明らかにすることである.分析手法として因子分析を用いた.結果は以下のとおりであった.<BR>1) 女子就労者が所持している鞄はユリエニタニ, エルメス, フェンディ, マリクレール等が多かった.<BR>2) 女子就労者が希望する鞄はシャネル, ルイ・ヴィトン, プラダ, フェラガモ, フェンディ等が多かった.<BR>3) 因子得点の符号の正負と勤務先, 所持ブランド, 希望ブランドとのそれぞれの間にはχ<SUP>2</SUP>検定を行なった結果, 有意な差があると認められた.<BR>4) 希望するブランドの鞄には3つの要因があることが明らかになった.「ゴージャス-シンプル」, 「話題性-実用性」, 「自己志向-他者志向」の要因と考えた.これらの要因と勤務先や希望ブランドの関連性を追究した.<BR>5) 各ブランド側のアピールが女子就労者によく伝わっていることがわかった.<BR>6) 所持している鞄と希望する鞄とは共通の要因があった.
著者
三野 たまき 丹羽 寛子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.793-802, 2008-11-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
20

若年女性の衣生活における浴衣の位置づけを, 女子大生 (長野市内在学) を用いてアンケート調査した.彼女らの97.2%に和服着用経験があったが, その着用機会は夏祭りや花火大会で, 浴衣の所有率が78.3%と最も高かった.洋服・振袖・浴衣のイメージを11項目で評価させ主成分分析したところ, 日常性と興味関心の2主成分が抽出された.振袖はより非日常へ, 洋服はより日常へ偏り, 両者の興味関心は同程度であった.一方浴衣は両者の中間に位置し, 興味・関心は最も高かった.彼女らは浴衣を「着物の中の浴衣」として捉えず, 「着物」とは別な, より身近な存在として捉えていた.また, 和服着用時の難点は動きにくさと圧迫に関する申告が多かった。着用機会があっても和服を着ないと答えた人は成人式で振袖を着た時に, 息苦しく, 動きにくく, 重く, 汚しそうで気疲れした経験を持っており, これが着物離れの一因であると考えられた.
著者
上垣 良信 佐藤 哲也
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.463-468, 2015-05-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
6

植物染料を用いて繊維を緑色に染色する技術は,従来は鉄を発色補助剤として用いているが,色合いの濃さと耐光性の観点から改善すべき余地がある.我々は鉄と同じ遷移金属元素であるバナジウムを発色補助剤(媒染剤)として用いた新しい染色法の開発に取り組んでいる.濃度5×10-3 mol/Lで処理したバナジウム先媒染ウールを濃度50%owfの植物染料ヤシャブシで染色すると,耐光堅ろう度の高い濃緑色に染色できた.バナジウム先媒染ウールをESR分析したところ,オキソバナジウム錯体として繊維表面に付着していることがわかった.バナジウム先媒染ウールは皮膚への刺激性が低く,環境負荷を軽減可能な新しい媒染剤として有効であることが示された.
著者
矢田 和也 出口 潤子 高橋 順一
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.129-136, 2017-01-25 (Released:2017-01-27)
参考文献数
4

本研究においては,ブラジャーを対象に,CAE技術を用いた商品設計技術を構築することによ,商品機能の発現の原理解明を行い,既存の設計技術では両立が困難であった「防振性」と「快のトレードオフの関係を解決し,着用快適性の高いブラジャーの開発検討を行った. 人体及びブラジャーの3次元有限要素モデルを構築し,着用シミュレーションを行い,仮想的に験を繰り返すことで,着圧の上昇を抑えつつも,高い防振性を有する最適な商品構造を導く可能なことを明らかにした.また,シミュレーション結果と実際の着用試験による結果の比り,高い整合性も見られたことから,CAE技術による商品設計技術の有用性も明らかにすができた.
著者
三野 たまき 上條 真友子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.321-326, 2010-04-20 (Released:2016-08-31)
参考文献数
16

若年女性の関心の高い下肢部の浮腫の内,足部位に着目し,その実態を明らかにした.被験者は20歳代前半の成人女子8名(BMIは20.0±1.5)で,彼女らそれぞれの月経周期の高温期に足部容積を測定した.なお測定には自作した測定用シューズを用い,彼女らの右足部(利き足)の,足首(部位B)と足首より先端(部位A)の2部位に分けて,8:00~16:00の間に5回容積を測定した.被験者の右足部容積の増加率(y)を調べたところ,測定時間(x,単位は分)との間に,y=3.34(1-e-t/235.1)(R2=0.997)の曲線近似がなされた(足部全体).なお椅座位で8時間(480分)過ごした後の足部容積は,部位Aは561.7±50.2mlから579.3±51.7mlへと17.5ml,部位Bは194.5±35.8mlから200.9±40.0へと6.4ml,有意に増加した.また,部位Aの容積変化率はy1=3.24(1-e-t/242.2)(R2=0.976)に曲線近似されたことから,8時間以内では相対容積増加率が徐々に増えつづけることがわかった.一方部位Bのそれは,y2=3.41(1-e-t/151.4)(R2=0.949)に曲線近似され,部位Bは部位Aに比べ,容積増加率の時定数が90.4分短くなることがわかった.このように,同じ足部でも足首とその先端部では,部位特異的に容積増加率の経時変化の様子が異なった.
著者
横井 亮子 吉田 美奈子 笹川 栄子 平田 耕造
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.537-547, 2006-09-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
25

異なるサイズのガードルの衣服圧測定と, ガードルによる身体圧迫が心拍数, 皮膚血流量, 皮膚温, 呼吸量に関する項目, および主観的評価におよぼす影響を, 3つのサイズ変化に対応する独自に開発した加工ガードルを用いて解析した. (1) 各部位の衣服圧において加工ガードルは, 既存ガードルとの間に有意な相関 (r=0.95, p<0.01) が得られ, サイズ変化に十分対応していることが確認された. (2) 加工ガードルのサイズが小さくなるに伴い, 衣服圧値は徐々に高くなり, 圧感覚もよりきついレベルへ移行した.この時心拍数は有意に増加した.下腿部の皮膚血流量は有意に減少し, 同皮膚温も有意に低下した.1回換気量, 予備呼気量は有意に減少し, 予備吸気量は有意に増加することが明らかとなった.
著者
辻 幸恵
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.933-941, 2014-12-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
9

「ゆるキャラ」は地域の特産物や歴史を多くの人々にアピールするためにつくられている.本報告ではどの「ゆるキャラ」が大学生に人気があるのかを中心に調査を実施した.その結果,特に大学生たちの認知が高かった「ゆるキャラ」はひこにゃんとくまモンであった.彼らは大学生たちの好感度も高かった.ひこにゃんは大学生たちからはかわいいそして親しみやすいので人気があった.くまモンはさらに多くの理由から人気があった.かわいいと親しみやすいの他に,いやされる,わかりやすい,ほほえましい,愛嬌があるという理由があった.かわいいと感じる要因は,基調の色が白や黄色であること,丸いこと,動物のモチーフであることなどであった.キャラクターグッズは男子よりも女子の方が所持が多かった.このことから「ゆるキャラ」は女子の目線で作成された方が良いと考える.
著者
薩本 弥生 丸田 直美 斉藤 秀子 諸岡 晴美
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.80-89, 2017-01-25 (Released:2017-01-27)
参考文献数
9

ブラジャー着装時のズレ防止や防振性の観点から,動作時の胸部動態や着装感に年齢・身体特性・ブラの種類が及ぼす効果を明らかにするために以下の実験を行った.被験者は若年群9 名(19-22 歳),中年群6 名(40-62 歳)を対象とした.胸部の身体特性を明らかにするため三次元画像解析による身体形状,胸部圧縮変形量,超音波画像診断による脂肪厚,衣服圧を計測した.振動やズレを計測するためにハイスピードカメラによる三次元動作解析を行った.ブラの着装条件は,補整ブラのワイヤ有とワイヤ無,スポーツブラ,ノーブラの4 種,運動は前方挙上(180˚)である.ハイスピードカメラによる三次元動作解析により動作時の乳頭点では,補整ブラよりスポーツブラの振動抑制効果が高く,中年群は若年群より振動が大きくブラによる差が小さいこと,中年群では脂肪厚が厚くカップサイズが大きい人ほど振動もズレも大きいこと,若年群では胸部の圧縮変形量が小さい人ほど振動が小さいことが明らかとなった.動作時の衣服圧は乳頭位とサイドパネルではスポーツブラが補整ブラよりも有意に小さいが,下部胸囲では逆だった.動作後の着装感評価でズレ感は振動感および快適感に相関があった.動作時には適度に下部胸囲位を圧迫したブラは振動やズレを抑えるため快適と感じると考えられる.