著者
市川(向川) 祥子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.441-451, 2010

<p>被服を中心としたおしゃれへの関心がきょうだい数・きょうだい構成・出生順位によってどのような影響を受けるのかを検討した.調査対象者は小中学生1062名であり,本研究では.小学生,中学生,それぞれにおいて分析を行った.様々な質問項目においてきょうだいの影響が確認された.特にひとりっ子においておしゃれに関する情報や流行への関心が高かった.全体として,ひとりっ子と女一女きょうだいにおいて,関心が高い傾向にあり,男きょうだいがいる場合の関心度が低くなる傾向にあった.更に,女子の場合,流行への関心では小中ともに性別の効果が見られたが,小学生では性別の効果が,中学生では出生順位の効果が多くみられ,女子次子の方が女子長子に比べ積極的に行動する傾向が明らかになった.長子の場合も次子の場合も,女一女きょうだいの場合が全体として関心が高い傾向にあり,男一男きょうだいの場合との差が顕著であった.</p>
著者
神山 進 枡田 庸
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.104-113, 1992

容姿メッセージ評定尺度を用いて, 基本的な服装色が伝える情報内容を測定することが本研究の目的であった.得られた結果は, 次のようなものであった.すなわち, (1) 赤, 榿, 黄, 黄緑, 緑, 青緑, 青, 紫青, 紫, 赤紫, 黒, 白の12の服装色別に, 異なったメッセージが伝達される事態を確認でき, またそれらを測定することができた. (2) 赤, 榿, 黄, 紫青, 黒, 白の各色彩メッセージは, その他の色彩メッセージよりもいっそう明瞭であった.また暖色は寒色よりも, メッセージが一層明瞭であった. (3) 因子分析法により, 各色彩別に4つないしは5つの色彩メッセージ因子が抽出された.例えば赤色の場合には, 「性的魅力」, 「気品」, 「派手さ」, 「世間ずれ」, 「活発さ」と命名された5因子が, 黒色の場合には, 「性的魅力」, 「格式性」, 「気分」, 「反社会性」, 「仕事」と命名された5因子が抽出された. (4) 具体的な衣服のかたちで色彩が提示された本研究の場合を, それが単なる方形や円形で提示された従来の研究と比較した場合, 両色彩メッセージの間には一定の相違が認められた. (5) 服装色メッセージには, 多くの色に共通して, 「性的魅力」, 「気品」, 「お酒落」に関した情報が顕著であった.特に赤色, 黒色, 紫色の服装のいずれもが, 「性的魅力」を伝達すると考えられていた. (6) 服装色の白と黒は, 「女らしさ・顔立ちのよさ・知的さ」を伝達すると考えられていた. (7) 服装色の黄と紫は, 「派手さ・目立ちたがり屋・刺激の追求・挑発」といった意味を伝達した. (8) 服装色の青は, 「堅い仕事への従事・礼儀の尊重」を伝達した. (9) 服装色の緑, 紫, 黒は, 「反社会性」, すなわち社会的に不適応な人柄を伝達した.
著者
上野 清一郎 東条 順子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.18, no.12, pp.547-551, 1977

人間の視覚イメージに合うような被服図形を創り出すため, 既成の被服の概念からはなれ, 乱数を用いて直折線のつながりから図形を求めた.そしてこの中から視覚イメージによって被服図形と認知できるものをえらび, 同一イメージに属する図形のグループ化を試みた.<BR>因子分析法を用いて解析した結果, 一部の図形に関しては, 図形作成のための要因・水凖とイメージとの対応, すなわち直折線の乱数系列において, どの要因・水準を組ませればどのようなイメージ群にまとまるかということがわかったが, 大部分の図形では必ずしも明らかな対応は得られなかった.しかし要因・水準の組合せ, ならびにイメージ用語の選定如何によっては, 乱数を用いて視覚イメージに合う被服図形を創り出せるという手がかりは得られた.
著者
富田 弘美 中川 隆子 小菅 啓子 小林 茂雄
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 = Journal of the Japan Reseach Association for textile end-uses (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.54-63, 1998-12-25
参考文献数
7
被引用文献数
1

社会人男性の生活場面における服装意識と生活意識の特徴及び関連性について20代と40~50代を対象に質問紙法により調査を行った.主な結果は次の通りである.<BR>(1) 服装意識について20代は職場では個性を重視した服装, 余暇では外出時の服装に関心がみられ, 40~50代は職場では規範意識を持ち機能的な仕事着を必要としている.<BR>(2) 生活意識について20代は家庭中心の人付き合いや積極的に余暇を過ごすなど個人を尊重している.40~50代は地域社会を背景とした人付き合いをし, 伝統的な社会ルールを受容している.<BR>(3) 服装意識と生活意識の関連性についてそれぞれ因子分析をした結果, 抽出された各因子の関連性を正準相関分析により解析した.職場の服装意識では規範性が低く, スーツ着用や仕事着の必要性に対して否定的な層は, 生活意識では余暇の過ごし方は積極的だが仕事に対しては消極的であった.また職場での服装の規範性が高く, 余暇の服装に興味の少ない層は, 生活意識では個人尊重や人付き合いの因子間に関連がみられ, いずれも消極的であった.さらに冠婚葬祭の服装や家庭での服装の因子は, 生活意識の個人尊重, 慶弔行事への考えの因子間に関連がみられた.
著者
今岡 春樹 増田 智恵
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.422-429, 1996-08-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
5

衣服構成の目的は, 布という単純な面で人体という複雑な面を覆うことである.この目的から考えると, ある面が平面に展開できるかどうかが重要で, それはガウスの曲率で定義することができる.もし面の至る所でガウスの曲率がゼロであれば, 可展面と呼ばれる.このガウスの曲率に関して, 曲面内のガウスの曲率の総和と境界線上の測地的曲率の総和を加えたものは, 2π×オイラー標数と等しいというガウス-ボネの定理がある.本論文では, この定理を衣服構成の立場で議論する.特に, 裁断と縫合という技術はガウスの曲率と測地的曲率の変化と捉えることが出来る.この定理は一種の角度保存則と考えられるので, 角度の配分という考え方を導入することができる.この考え方をより明確にするために, 縫合の前後で各曲率がどの様に変化するかを示し, この関係を縫合の式と呼ぶことにする.角度の配分という考え方と縫合の式は衣服構成にとって有益であると考える.
著者
杉尾 孝 川添 大輔 清水 明彦 神野 寧 横山 昭一 嘉久 和孝 本田 公康 佐野 光宏 中川 英明 馬場 雅浩 久保 次雄 坂本 尚希
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.102-109, 2007

当社は, 現在, 「エコも, 使いやすさも」をコンセプトに商品を提供している.すなわち, 「環境・家計にやさしい」, かつユニバーサルデザイン (Universal Design: UD) として, 「使う人に優しい」商品の開発・販売に取り組んでいる.このような背景の中で, 筆者らは, フィルター掃除の自動化に取り組み, 世界初「フィルターお掃除ロボット」搭載エアコンを開発し, 市場から高い評価を得た.今回, UDの更なる進化として, 新開発の空気清浄ユニット, 除菌熱交換器, 脱臭フィルターを「フィルターお掃除ロボット」と組み合わせることで, 従来, 半年ごと (脱臭フィルター) や3年ごと (空気清浄ユニット) に必要としていたお手入れや, 熱交換器クリーニングなどのメンテナンスを不要とした「10年間手間なしで清潔・省エネ・パワフルなメンテナンスフリーエアコン」を開発した.
著者
川上 梅
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.397-408, 2007

身体プロポーションの年代差は従来から指摘されてきたことではあるが, 近年の若年女子は中高年女子よりも著しく高身長である.このため, 身長に対するプロポーションの年代差には, (1) 同一身長で比較したプロポーションの年代差だけではなく, (2) 身長の差異による影響が含まれていると考えられる.そこで, 20代から90代までの成人女子の身体計測データ (人間生活工学研究センター, 1992-1994年計測<SUP>1) </SUP> ) を使用して, 前面からみたプロポーションを表す身長に対する各身体計測値の割合を算出し, 身長一括グループの場合の年代変化, および同年代を身長グループで分類した場合, つまり年代別身長グループ別のこれらの割合の変化を検討した.年代区分は20代から60代までは10歳毎, 70-90歳は一括とし, 身長グループ区分は5cm毎とした.この結果, 多くのプロポーションが身長と密接に関係することが確認できた.また, 身長一括の年代別平均値の比較では, 隣接する多くの年代間で有意差が認められ, 年齢が若くなる程高身長に伴うプロポーションになると解釈される結果が得られたが, 身長グループ別の年代別平均値の比較では, 隣接する年代間の有意差は減少し, 同一身長であれば年代差が認められないプロポーションも多いことが明らかになった.<BR>同一身長で比較しても隣接する年代間で有意差が認められ, プロポーション自体の年代差が存在すると考えられたものとしては, 20代は30代よりも, 比股下高および比前ウエスト高が大きく, 比ヒップ幅が小さいことから, 長脚でウエストが高いとともに下半身がほっそりとしていることなどが明らかになった.ただし, 20代の身長160cm以上では比股下高は横ばいとなったことから, 長脚化に歯止めがかかるものと考えられる.また, 同一身長で比較すると, 小顔化は徐々に生じている年代変化ではなく, 比全頭高は身長145-150cmでは50代以下で, 155-160cmでは60代以下で小さいというステップ状の年代変化を示すことが確認できた.また頭部の幅である比耳珠間幅の平均値は, 年齢に関係なく身長に対してほぼ線形に変化し, 隣接する年代間では差が認められなかった.一方, 顔面の幅である比下顎角幅は身長145-160cmの広範囲において50代以下では顕著に小さいことが明らかになった.
著者
岡部 和代 黒川 隆夫
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.416-424, 2004-06-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
13

ブラジャー内の乳房の3次元偏位特性はほとんど知られていないが, 機能的なブラジャーをデザインするためには不可欠である.本研究では, 3次元計測器で測定したブラジャー着用前後の左胸25点の座標値から位置変化を求めた.被験者は22~24歳の成人女性7名である.実験試料は3種類の市販のブラジャーで, Type1は下カップにワイヤーのあるフルカップブラジャー, Type2はボーン部に柔らかいワイヤーがあるフルカップブラジャー, そしてType3はスポーツブラジャーである.実験試料は, ブラジャーのカップ部の装飾を衣服圧に影響を及ぼさないと確認後に削除して用いた.まず, 測定した座標点の偏位量を算出しTypeの違いを明らかにした.Typeの違いは垂直方向ではなく, 左右方向の偏位量の大小や, 前後方向の偏位に見られた.次に測定点の違いが, 乳房の柔らかい前腋点方向や体側側の領域の偏位量が正中線側より顕著であること, 正中線側では内輪の偏位量が最大を示すが, 体側側では外輪であることを明らかにした.偏位量は乳房形状や硬さの特性に依存する面が大きく個人差が認められた.今後は被験者のパラメータを類型化して検討を行いたい.
著者
水梨 サワ子 宮川 キクヨ 松本 紀代子 庄司 光
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.13, no.8, pp.323-328, 1972-08-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
3

寝具の着心地に対する項目別要求度を報告する.(1) 各寝具はそれぞれ特有の要求項目を持つ(2) 個々の寝具に要求される項目は, 性, 年令, 居住地域や就寝様式を問わず, きわめて類似している.(3) 着心地に関する各要求項目の要求度について夏しきぶとんと冬しきぶとんにおいて有意の相関が認められ, 年間を通じて要求項目にやや一致点がみられる.(4) またねまきについても, 上記 (3) と同様のことがいえる.
著者
岡部 和代 黒川 隆夫
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.416-424, 2004

ブラジャー内の乳房の3次元偏位特性はほとんど知られていないが, 機能的なブラジャーをデザインするためには不可欠である.本研究では, 3次元計測器で測定したブラジャー着用前後の左胸25点の座標値から位置変化を求めた.被験者は22~24歳の成人女性7名である.実験試料は3種類の市販のブラジャーで, Type1は下カップにワイヤーのあるフルカップブラジャー, Type2はボーン部に柔らかいワイヤーがあるフルカップブラジャー, そしてType3はスポーツブラジャーである.実験試料は, ブラジャーのカップ部の装飾を衣服圧に影響を及ぼさないと確認後に削除して用いた.<BR>まず, 測定した座標点の偏位量を算出しTypeの違いを明らかにした.Typeの違いは垂直方向ではなく, 左右方向の偏位量の大小や, 前後方向の偏位に見られた.次に測定点の違いが, 乳房の柔らかい前腋点方向や体側側の領域の偏位量が正中線側より顕著であること, 正中線側では内輪の偏位量が最大を示すが, 体側側では外輪であることを明らかにした.偏位量は乳房形状や硬さの特性に依存する面が大きく個人差が認められた.今後は被験者のパラメータを類型化して検討を行いたい.