著者
美和,千尋
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.34, 2010-11-22

われわれは,3つの異なる条件下の40℃90%のミストサウナとミストサウナ無しのエネルギー代謝の比較を行なった.その4条件は,ミストサウナ無し,ミストサウナだけ,ミストサウナに等尺1生運動,ミストサウナに等張性運動を加えたものである.実験前にはインフォームドコンセントを行なった健康な平均21歳の若年男性を対象とした.測定項目はエネルギー代謝量を酸素摂取量と炭素排出量から計算し,その他,温度計を用いて鼓月鄭盈,血圧計を用いて心舶数,体重変化と尿量から総発汗量とした.エネルギー代謝はミストサウナ単独の条件に比べて,運動を加えたミストサウナ条件で有意に増加した.ミストサウナと等張性収縮は,ミスト無しの2倍のエネルギー代謝量であった.鼓膜温,'L舶数,総発汗量もミストサウナ無しに比べて,他の3条件では有意に増加した.しかしながら,3条件下には有意な差は認められなかった.これらの結果より,ミストサウナを用いたエネルギー代謝の増加は,運動に関与するものが主であることが示唆された.
著者
杉浦,正純
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.38, 2014-11-20

本研究は、被験者を用いて日傘使用時の温熱環境を評価することを目的とする。実験は2014年8月7日・18日・25日に大同大学にて実施した。被験者は成年女性18名を採用した。被験者は屋外でメッシュ素材の椅子に座り、3種(通常加工(黒)・通常加工(白)・ラミネート加工(茶))の日傘を評価した。アンケートにより温冷感・快適感・受容度を回答させた。実験の結果、以下の知見を得た。日向において日傘なしの被験者は「暖かい」から「暑い」の間の評価であったが、日傘を使用すると「暑くも寒くもない」から「やや暖かい」の評価となった。したがって、夏季に日傘を使用することによって日傘なしよりも暑さの感覚が緩和される。被験者による温冷感申告は、日傘の色および生地加工によって異なる。また、夏季に日傘を使用すると日傘なしよりも快適に感じる。
著者
光田 恵 村田 順子 棚村 壽三
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.179-180, 2014

本研究では、在宅介護環境の臭気対策に必要なデータを収集することを目的とし、臭気発生場面の調査を実施した。1次調査では、ガスセンサーを用いて在宅介護環境の臭気の発生場面、発生状況を調査した。2次調査では、1次調査において、においの発生場面と特定した場面の臭気を採取し、嗅覚測定法と臭気成分分析を行い、臭気濃度、臭気強度、快・不快度、臭気質、臭気成分濃度などのデータを収集した。1次調査の結果、主な臭気発生場面は、排便行為、尿・便によるおむつ交換時、体位変換時であり、寝室の使用済みおむつ用のごみ箱からのにおいが室内の臭気のレベルへ影響している可能性が示された。2次調査の結果、摘便時は臭気強度、不快度が高く、摘便時、便によるおむつ交換時に、メチルメルカプタン濃度と酢酸濃度が上昇傾向にあることが明らかとなった。
著者
松川 創 佐藤 布武 橋本 剛
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.203-206, 2014

本研究の目的は都市空間構成と音環境の関係を明らかにすることである。茨城県土浦市は土浦城の城下町を基に開発した経緯から新旧多様な都市空間構成を有する。土浦市中心市街地において2014年7月25~27日に開催された土浦祇園まつりの山車・御囃子の音を音源のサンプルとして、等価騒音レベル等を実測した。その結果、低層住宅地と中高層商業地で音の広がり方に顕著な違いが見られた。また高架道や建物単体の影響が明らかとなった。
著者
長谷 博子 亀井 大造 矢野 大樹 野浪 亨
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.197-198, 2015

におい刺激に対する快・不快度は,DVA動体視力にどのような影響を与えるのか検討した.若年者30名(男性15名,女性15名)を被験者とし,15種類のにおい(植物精油:10種類,悪臭物質:5種類)を用いて,DVA動体視力の評価を行った.被験者らは,においを6段階臭気強度尺度と9段階快・不快尺度を用いて評価した.DVA動体視力の評価には,ポータブルゲーム機(DS眼力トレーニング)を使用した.においに対する快・不快度とDVA動体視力の間には,負の相関が認められた.さらに,においに対して不快と申告したにおい物質とDVA動体視力の間には,強い負の相関が認められた.においがより不快な方がDVA動体視力の得点が高くなった.
著者
西村,龍人
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.36, 2012-11-21

旅や移動が主題となるロードムービーを用い、変化していく景観の特徴を明らかにすることが本研究の目的である。対象として、映画監督ヴィム・ヴェンダースの三作品を選定し、作中の景観シーンを静止画像で抜き出し、それぞれの景観構成要素やカメラアングル等を抽出した。それらを説明変数に数量化3類とクラスター分析を行った。その結果、景観を記述する「主観性一客観性」「閑散一賑わい」の2軸を得て、景観は9つのグループに分類された。グループを考察すると、景観は道を中心として構成され、主に水平に近いカメラアングルで映し出さていることが分かった。さらに登場人物の感情や状況を表現する、特徴的な構成要素の意味を見出した。
著者
丸田 直美 田村 照子 有泉 知英子
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.105-108, 2006

時代とともに変化するファッションや昨年提案された地球温暖化対策としての「COOLBIZ」ファッションが人々の着衣量にどの程度影響をするのかを確認するために、2006年3月から2006年8月までの半年間、約10日間隔で東京都内の某交差点の横断歩道を渡る通行人の最外層の着衣を調べ、5年前(2001.6~2002,5)に同様の方法で調査したデータと比較した。その結果、女性の衣服の一部に今年度のファッショントレンドをみることができたが、春夏季の主要上衣衣服である長袖ジャケットと半袖シャツの着用率と日平均気温との関係は前調査結果とほぼ一致し、環境に対する人々の着衣行動には変化がみられなかった。着衣量もほとんど変化はみられなかったが、男性のビジネススーツの着用率やネクタイ全体の着用率が今年度わずかであるが夏季に減少していた。これらの結果より「COOLBIZ」運動はゆっくりではあるが普及していると思われた。
著者
西原,直枝
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.30, 2006-12-01

本報では、温熱環境や室内空気質環境のような室内環境質が知的生産性に与える影響を評価する為の、人体反応の客観的評価手法の一つとして、近赤外線分光を用いた脳内酸素代謝測定に着目した。人体の呼吸の深さが脳内酸素代謝に与える影響を調べるための被験者実験について報告した。呼吸深度状態について、安静時との比較を行ったところ、息止め後10秒において、右額側にて総ヘモグロビン濃度が有意に増加し(p<0.05)、酸化型ヘモグロビン濃度が増加する傾向があった(p<0.1)。また、深呼吸時は、右額側で、総ヘモグロビン濃度および酸化型ヘモグロビン濃度は減少する傾向があった(p<0.1)。呼吸深度の変化により脳内血流内のCO2分圧が変化し、脳内酸素代謝に影響を与える可能性が示唆された。
著者
鈴木,純
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.36, 2012-11-21

ピッチ上の空間の暑熱環境は人工芝と芝のピッチでは異なることが予想される。そこで、長野県松本市の人工芝と芝のサッカー場で、地上0.7mと1.78mの温湿度を同時に観測した。また、前者では同時に、日射、反射、地表面温度、自作の黒球湿球ならびに乾球水温、風速風向を観測した。その結果は次のとおりである。 (1)気温が約32(Cのとき、人工芝面の表面温度は68.3℃に達した、(2)両ピッチの日中の気温差は高さ0.7mでは2.5℃程度人工芝のピッチが高かったが、1.76mではそれは0.5(Cであった、(3)湿度は、高さ0.7mと1.78mとも人工芝ピッチで芝ピッチに比べて低かった。
著者
安岡 広志 佐藤 健 塩地 成香 中島 みずき 井川 正治
出版者
人間-生活環境系会議
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.253-254, 2014

近年,ソーシャルメディアの進展やスマートフォンの急速な普及により,利便性が向上する一方で,ネットの長時間利用により実生活に悪影響が出る,いわゆる「ネット依存」と呼ばれる事例が一部で問題となっている。本調査研究では,東京情報大学のオンラインアンケートサーバーを用いて,各教育機関の端末室等で全体説明を行いない,14歳から20歳代前半の若者,1089名(男542、女547)の有効回答を得た。インターネットとスマートフォン,フィチャーフォンを中心とした情報環境の利用実態とヤング基準によるネット依存傾向を判定した結果,被験者全体の56.2%に,中程度以上のネット依存傾向があることが明らかとなった。性別では,男性52.2%,女性60.2%がネット依存傾向にあり,女性が多い傾向であった。さらに,学生別では高校生の51.9%,大学生,大学院生の59.8%がネット依存傾向であることが明らかとなり,特に大学1年生、2年生において高いネット依存傾向にあった。