著者
武 高男
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.11-17, 2007-06-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
8

2006年に, 石綿含有建材に関する大気汚染防止法や労働安全衛生法などの多くの法律が同時期に改正された。理解するのが難解であるため要点を解説した。石綿は既に製造および使用が禁止され, 問題は既存の建物に残るあらゆるアスベスト含有製品である。この調査, 分析, 処理・処分方法について概説した。さらに石綿の代替となりうる繊維にっいて紹介した。
著者
岩波 光保 横田 弘 寺内 潔
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.33-40, 2008-02-01

桟橋上部工の維持管理を容易にすることでライフサイクルコストの削減に寄与できる新しい構造形式「リプレイサプル桟橋上部工」について, その概要と構造性能についてこれまでに実施した実験の結果に基づいて概説する。
著者
葛西 泰弘 神山 繁 池田 隆 田中 茂義
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.35-46, 1995-08-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4

十勝大橋は北海道帯広地方において建設中の, 中央径間251m, 幅員32.8mを有する日本最大の1面づりPC斜張橋である。施工は片持ち張出し架設により行われたが, -20℃を超える厳寒期にも施工を行うために, 断熱シートや鋼板で覆った全天候型移動式作業車が用いられた。寒中施工, 特に寒中コンクリートの施工では打設コンクリートの温度管理と養生管理が重要となる。前者は生コンプラントの製造システムで対処され, 後者は現場における養生囲いや給熱養生により実施された。その他の技術的特色としては, 大容量現場製作斜材の採用, リフトアップ工法による移動式作業車の組立て, 水バラスト工法による側径間部の施工等がある。
著者
梅原 泰弘
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.25-33, 1990

京王線堀之内を最寄り駅とする多摩ニュータウン12-2BLにおいて, プレキャスト鉄筋コンクリート造による住宅・都市整備公団の高層分譲住宅(11階建て2棟)が建設されている。これはいま, 中高層住宅躯体の主流となっている壁式ラーメン構造をプレキャスト化したものである。その狙いは, いわゆる性能発注でない, 公団および設計者独自のプレキャスト工法の開発であり, 昨今の労務事情に対応する工期短縮である。本稿は, その設計・工法概要と施工の実際について述べるものである。
著者
宮下 力 藤原 亨
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.31-45, 1992-02-01 (Released:2013-04-26)

生口橋は, 本州四国連絡橋尾道・今治ルートに属する中央支間長490mの斜張橋である。本橋は中央径間が鋼げた, 側径間がPCげたという複合主げた構造を日本で初めて採用している。本稿は, 平成3年12月に完成した生口橋の設計・施工の全般について, その概要を報告するものである。とくに主げた接合部の設計・施工および側径間PCげた部のクリープ・乾燥収縮が, 斜張橋全体系に与える影響に対する設計・施工上の対応など複合構造に起因する特徴的な事項について重点をおいて報告している。

1 0 0 0 OA 平羅橋の施工

著者
胡 信弘 南山 剛
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.37-42, 1995-05-01 (Released:2013-04-26)

平羅橋は, 大崎下島地区農道整備事業の一環として, 大崎下島と平羅島とを結ぶ単径間の1室箱げたPC斜張橋である。プレキャストブロックよりなる主げたは張り出し工法によって架設されたが, これは日本で初めてのことである。PC斜張橋は, 塩害対策面を考慮して選ばれ, また, 単径間の斜張構造は橋体下の漁場の確保と平面線形での見通しの面を考慮して選ばれた。プレキャストブロック工法は, 工期短縮と高強度コンクリートの品質管理上の理由に加え, ブロックの製作とストックのためのヤードが近隣に確保できたことから適用された。
著者
前川 宏一 長谷川 俊昭
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.13-22, 1994-05-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
44
被引用文献数
2 8

本稿は, コンクリート構造物の有限要素解析などで必要とされる連続体コンクリートおよび鉄筋コンクリートの構成則 (応力-ひずみ関係) に関する研究動向と今後の課題について解説したものである。ここでは, 骨材最大寸法の数倍のコントロールボリューム内で空間的に平均化された応力とひずみの関係として定義される連続体コンクリートの構成則のうち, 塑性論的アプローチ, 損傷理論, 塑性・損傷の組合せ理論, 微細構造に立脚したモデルについて述べた。分散ひびわれを有する30~50cm四方のコントロールボリュームに関する鉄筋コンクリート構成則は, ひびわれの密度や本数, 鉄筋比などの影響要因が相互に関連をもって変動するため, 見かけ上, ひびわれの分散性には強く依存しないことを説明した。鉄筋が交差する1本のひびわれを対象とする鉄筋コンクリート離散ひびわれ構成則は, 鉄筋の構成則とひびわれ面の応力伝達構成則を組み合わせたものであり, 単独では表現されない経路依有牲を記述することができる。今後は構成則の論理の明快さと精度や適用範囲のバランスをとり, 部材レベルから構成モデルと解析手法を系統的に検証していく段階にきている。