著者
稲田 慎 相庭 武司 原口 亮 芦原 貴司 草野 研吾 清水 渉 池田 隆徳 中沢 一雄
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.54Annual, no.28AM-Abstract, pp.S264-S264, 2016 (Released:2016-11-19)

Our research group have been conducting simulation studies for analyzing arrhythmia such as sick sinus syndrome, atrial fibrillation, ventricular tachycardia and fibrillation using multi-scale heart models with personal computer and supercomputer. One purpose of our simulation studies is to stratify the arrhythmic risk non-invasively using computer simulation. Recent study has shown that conduction delay around the right ventricular outflow tract is one of the mechanisms to induce ventricular arrhythmias such as Brugada syndrome. Our findings from computer simulation suggest that our model may be useful to stratify the arrhythmic risk in the Brugada syndrome. In this symposium, we will present our simulation scheme and recent progresses. In addition, we would like to discuss our future prospect and the possibility of computer simulation.
著者
柴田 久 齋藤 勝弘 池田 隆太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.30-43, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
56
被引用文献数
2

本研究では2008年から17年までの10年間に発表された景観研究論文を対象に,研究目的別の系譜図を作成した.さらに先行研究の成果を踏まえ,作成した系譜図に対する考察から,景観研究の動向と今後の課題について検討した.その結果,景観研究論文として484編が選出され,35の研究視点による目的別研究系譜図が導出された.さらにそれら系譜ごとの考察を行ったうえで,景観研究の動向と今後の課題として1)自然的・文化的風景を巡る保全論の再提起や,2)防災と景観を両立させる思想論・方法論の検討,3)質の向上を図る制度推進に有効なデザイン手法の提示について考察がなされた.
著者
池田 隆英
出版者
岡山県立大学保健福祉学部
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 = BULLETIN OF FACULTY OF HEALTH AND WELFARE SCIENCE, OKAYAMA PREFECTURAL UNIVERSITY (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
no.25, pp.37-47, 2019-03-12

本研究は、「新しい科学論」の問題意識に立ち、「学校問題」における「子ども/大人」関係の構図と論理を描こうとするもので、本稿では、「いじめ問題」に関する先行研究の知見を対象にメタ分析し、その位相や配置から成る言説空間を後づけた。まず、レビュー論文27本を対象に、「いじめ問題」の「語られ方」を抽出した。その結果、論者の専門領域や関心領域に焦点を当てた知見にいくつかの傾向が読み取れた。しかし、レビュー論文の知見は、現実の「いじめ問題」に活用するには限界がある。そこで、「いじめ問題」の学術論文(1056 本)を渉猟してメタ分析を行った。先行研究のテーマは、大別して20項目の「下位カテゴリー」、さらに抽象化した4項目の「上位カテゴリー」に分類できた。レビュー論文の知見を比較するため、「上位カテゴリー」である「現象」、「要因」、「防止」、「予測」によって分析すると、レビュー論文の視野が明らかになった。一方、先行研究1056 本を「下位カテゴリー」「上位カテゴリー」で分析すると、「現象」「因果」といった「事後の分析」から「防止」「予測」といった「事前の分析」へと移行しつつあることがわかった。危機管理の問題意識に立てば、「想定外の事態」を回避・軽減するには、「いじめ問題」をめぐる言説を広くとらえ、事態を単純化しないことが重要である。
著者
池田 隆一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.59, pp.9-16, 1998-07-17

当社は,HTML言語の知識を持たないユーザーがHTMLを利用した文書(そのほとんどはいわゆる「ホームページ」と呼ばれるもの)を作成するためのHTMLエディタ「こざいく」を開発した.本稿では主にHTML文書のブロック構造,文書間・文書内のリンクの張り方に関して1.HTML言語をユーザーが意識しなくても良い.2.ブラウザ時のイメージと編集イメージの間に違和感を生じさせないの2点を両立させるために「こざいく」で採用した編集形態について述べる.We developed HTML editor "COSAIC" for the user who did not have knowledge of HTML language to make the document which utilized HTML. This report describes the editing form that was adopted with "COSAIC" in order to let next two characteristic be compatible: 1. not need knowledge of HTML language. 2. does not produce a difference on appearance in browsing and editing.
著者
柳澤 亮爾 池田 隆徳 米良 尚晃 星田 京子 三輪 陽介 宮越 睦 阿部 敦子 石黒 晴久 塚田 雄大 柚須 悟 吉野 秀朗
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SUPPL.2, pp.S2_113-S2_119, 2010 (Released:2012-08-21)
参考文献数
12

致死性不整脈の発症直前に, 肉眼的に識別可能なT-wave alternans(TWA)を認めることがある. われわれは, 重症心疾患で入院となり, 経過中に高度なQT時間延長を呈し, その後にTWAが生じることで, 突如としてtorsade de pointes(TdP)をきたした2症例を経験した.
著者
西間木 彩子 三輪 陽介 鈴木 亮 桑原 彩子 横山 健一 佐藤 範英 高山 信之 坂田 好美 池田 隆徳 佐藤 徹 吉野 秀朗
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1550-1554, 2011 (Released:2013-02-21)
参考文献数
15

特発性好酸球増多症候群(idiopathic hypereosinophilic syndrome; IHES)は, 全身臓器に好酸球浸潤を伴う疾患であり, レフレル心内膜炎合併は心不全の増悪や心筋症様変化を伴い予後不良である. われわれは, 心臓MRIで治療効果を評価し得たレフレル心内膜炎合併HESの1例を経験した. 症例は33歳, 男性. 紅斑, 下痢, 末梢神経障害を主訴に来院した. 来院時, 好酸球の増加が認められた. 入院時の心電図で前胸部誘導のR波が減高していた. 心臓MRIで左室壁運動障害と心筋中層から内膜側にかけて, 遅延造影像が認められ, 心筋生検で好酸球の浸潤が確認されたため, レフレル心内膜炎と診断された. 各種検査でIHESに起因して発症したと判断され, プレドニゾロン(predonisolone; PSL)の投与が開始された. 心臓MRIで遅延造影効果が強くみられた心室中隔基部で壁運動の低下が残存し, 淡く認められた部位や造影効果のない部位は壁運動低下が改善傾向であった. レフレル心内膜炎の心臓MRIに関する報告は散見されるが, 遅延造影効果についての報告はほとんどなく, 心臓MRIの遅延造影が心機能予後予測や治療効果判定に有用である可能性が示唆された, 興味ある症例と考えられたので報告する.
著者
池田 隆太郎 柴田 久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00089, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
15

本研究では,大分県津久見川における河川激甚災害対策特別緊急事業を事例として,基本構想から現場施工までに至る事業プロセスを詳述するとともに景観配慮の実現方策について考察した.その結果,1) 事業早期段階における整備・管理主体間の地域の実情を踏まえた目標設定と共有の場づくり,2) 管理者による景観設計方針を引継ぐシステムとともに監修業務にあたれる人的体制,3) 都市との一体的整備を念頭におきながら自由度の高い交付金を激特事業の工期に重ね合わせて取得・活用する工夫が,激特事業等の災害対策事業における景観配慮を実現させる有効な戦略として挙げられた.
著者
池田 隆文 伊庭 斉志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.1, pp.191-198, 2002-01-09
参考文献数
11
被引用文献数
1

囚人のジレンマ(Prisoner's Dilemma PD)は経済学、数学、ゲーム理論、政治学、社会心理学、人工知能など、さまざまな分野で広く注目を集め、研究されてきた問題である。囚人のジレンマにはさまざまな拡張が存在する。その中にn人による繰り返し囚人のジレンマ(n-person Iterated Prisoner's Dilemma n-IPD)がある。n-IPDは一般性と現実世界の問題への応用性が高く、エネルギーや資源の保護の問題、インフレと賃上げ自粛の問題、環境汚染問題、人口増加問題、軍縮問題、などその適用範囲は広い。本研究ではn-IPDを行うエージェント集団を遺伝的アルゴリズムを用いて進化させ、その時のエージェント集団の振る舞いを観察する。そしてゲームのプレイヤーを増やしたことによって生じる効果を明らかにし、n-IPDの得失について考察する。Althought the normal 2 person Iterated Prisoner's Dlemma has widely been studied for explaination of the cooperative vehaviour evolution in social and biological systems, it began to be recognized this model has some limitation. Compared with the Prisoner's Dilemma played by 2 persons, the n-person Iterated Prisoner's Dilemma(n-IPD) has greater generality and applicability to real-life situations. In addition to the problems of energy conservation, ecology, and overpopulation, many other real-life situation. In addition to the problems of energy conservation, ecology, and overpopulation, many other real-life problems can be represented by the n-IPD paradigm. The n-IPD can model those problems which cannot be handled by the 2-IPD. This paper shows the population dynamics of the 3 and 4-IPD game, in which different strategies are evolved by Genetic Algorithm. We discuss the emergent properties of n-IPD by example.
著者
池田 隆博 佐田 達典
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_101-I_116, 2012 (Released:2013-03-29)
参考文献数
9

衛星測位分野では現在GPSの利用が主流であるが,近年GLONASSなどの利用可能な衛星が増加しており,複数衛星系による併用測位が今後一般的になるものと想定される.また,衛星数が増加することで,マルチパス等の誤差を含む衛星電波を排除しても,測位に必要な衛星数を確保できるようになったため,事前に衛星電波の状態を把握し測位に使用する衛星を選択することが求められる.本研究では,マルチパスの影響を受ける衛星電波を判別するため,衛星の搬送波の距離変化を使用して判別を行い,それをもとに測位に利用する衛星を選択し測位性能の検証を行った.その結果,搬送波の距離変化を用いることで,マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別が可能であること,利用衛星を選択することで,Fix解の取得率が増加し,解の欠損を生じることなく測位できることが確認された.
著者
池田 隆司 笠原 敬司 伊藤 健治 多田 堯
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.549-557, 1984-12-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
4

In order to obtain information on the underground structure around the Karasuyama-Sugaonuma fault, we carried out a temporary observation for artificial explosions which were blasted at four sites in Saitama and Ibaraki Prefectures in March 1982. Crossing the southern part of the fault, seven seismometers were deployed on an east-west striking observation line 30km long. For three of the explosions, good records were obtained at all the stations. Travel time analyses provided three layers; apparent p-wave velocities in the layers are 1.7km/sec, 2.8-3.1km/sec and 6.1km/sec from top to bottom. Travel times for the 6.1km/sec layer jump near Sashima-cho, Ibaraki Prefecture, where the western branch of the fault is supposed to lie. For the wave propagating through the topmost layer between the eastern and western sides of the north-south striking fault, a systematic difference in the wave form was observed. Those observed features strongly suggest that not only the basement layer (VP=6.1km/sec) but also upper layers are displaced or fractured by the Karasuyama-Sugaonuma fault.
著者
池田 隆介
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.598-605, 2010-08-05
参考文献数
63

銅酸化物高温超伝導体(HTC)の発見以来,電子相関の強い超伝導物質が続々と見出され,基礎研究の対象となる磁場下の超伝導現象も多岐にわたるようになってきた.HTCの現象を通して磁場下の超伝導相図の理解が一新されたのに加え,近年対象となる系では常磁性効果や磁気的揺らぎ等の強い電子相関に起因する側面が重要な役割を果たし,磁場下の超伝導状態,つまり渦糸状態の現象のバラエティーは豊富になりつつある.しかし一方で,超伝導理論の基礎が変更をうけるわけではない.本稿では,磁場下の超伝導渦糸状態に関する理解の現状を概説する.
著者
池田 隆徳
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.64-73, 2016 (Released:2016-03-25)
参考文献数
11

β遮断薬は,Na+あるいはK+チャネル遮断作用を有する狭義の抗不整脈薬に比べて,不整脈に対する作用効果は弱い.しかし,交感神経活動の緊張緩和や頻拍時の心拍数減少などの二次的な効果を有するため,不整脈治療に使用される頻度は高い.また,狭義の抗不整脈薬は強力な不整脈抑制作用を有する反面,心収縮力低下や危険性の高いほかの不整脈を惹起することがあり,この点においてもβ遮断薬は重篤な副作用の発現が比較的少なく,使用しやすい薬物といえる.さらに不整脈領域では,持続性心房細動・心房粗動のレートコントロール目的での使用頻度が最も高く,交感神経緊張が関与する心室不整脈の抑制や予防,心不全や心筋梗塞患者の心臓突然死の予防目的でも広く用いられている.β遮断薬には経口薬のみならず静注薬もあり,急性期の心室不整脈の管理においてなくてはならない薬物となっている.心室不整脈の薬物治療の中心はIII群抗不整脈薬であるが,それが無効である症例に対しては,β遮断薬が有効であることが多い.
著者
加藤 貴雄 八島 正明 髙橋 尚彦 渡邉 英一 池田 隆徳 笠巻 祐二 住友 直方 植田 典浩 森田 宏 平岡 昌和
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.5-13, 2021-02-26 (Released:2021-03-01)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

【背景】心電図自動診断はすでに半世紀を超える歴史があり,健診や臨床の場で広く用いられている.各心電計メーカーの汎用心電計には,それぞれ最新の自動解析プログラムが搭載されているが,その診断精度は決して十分とはいえず,実臨床の場ではいまだに専門医によるオーバーリードが不可欠である.【目的】近年,臨床的意義が高まっている心房細動を取り上げ,不適切自動診断の現状とその問題点ならびに不適切診断をもたらした要因について検討することを目的とした.【方法】有志の集まりである「心電図自動診断を考える会」会員から収集した,匿名化心房細動関連不適切診断心電図計145例について,世話人間で詳細解析を行った.【結果】①一般健康診断(会員A)における不適切自動診断は,健診心電図連続50,000例中1,108例(2.2%)に見られ,そのうち心房細動関連は54例(約0.11%,誤診43例,読み落とし11例)であった.一方,循環器専門外来(会員B)の調査では,さまざまな不適切診断連続272例中51例(18.8%)で心房細動の読み落としが見られた.②心房細動を読み落とした計62例では,f波を洞性P波と誤認したのが42例(67.7%),異所性P波としたのが5例(8.1%),心房粗動としたのが8例(12.9%),心房波を読み取れなかったのが7例(11.3%)であった.③心房細動と誤診した計83例では,洞性P波を見落としたのが38例(45.8%),異所性P波を認識できなかったのが37例(44.6%),粗動波をf波と誤認したのが8例(9.6%)であった.【結論】心房細動の不適切診断に関しては,誤診が不要な再検査や専門医受診を招く一方,読み落としによる治療の遅れが脳梗塞や心不全の発症など,重大な合併症を引き起こす危険性をもたらす.波形計測や診断アルゴリズムのさらなる改良に加え,適切な心電図所見のビッグデータを用いた人工知能(AI)の導入など,より精度の高い自動診断システムの構築が求められる.
著者
因 京子 Apduhan Kyoko I. 池田 隆介
出版者
専門日本語教育研究会
雑誌
専門日本語教育研究 (ISSN:13451995)
巻号頁・発行日
no.2, pp.38-45, 2000

本稿は、中級程度の日本語知識を持つ理系留学生が専門分野の講義やゼミに参加する技能を獲得するために、専門授業に近い形で授業の教科書として用いることのできる専門科目のための日本語教材が必要であることを論じ、その素材と作業の内容を検討する。近年、科学技術系の専門用語や文型を提示する教材やレポート作成法などについての有用な参考書が次々と提案され、研究活動に必要な日本語の知識を得ることが格段に容易になってきた。しかし学習者の多くは、主体的にそうしたリソースを利用して自分の研究活動を行う段階に至る前に、日本語能力の不足を補いつつ専門科目の活動に参加する方法を具体的に経験することを助ける教材を必要としていると考えられる。専門科目型教材は、専門の授業に近い活動を核として、言語的準備から授業参加、課題実行までの活動を総合的に体験する機会を与え、自律学習への意欲と技能とを高めることを目的とする。このような教材の素材としては、議論や提案の余地を持つ主題を選択すべきである。学習のための作業としては、言語と専門内容についての準備作業と、レポート作成などの実践的作業の両方を含めることが必要である。また、自己の学習を意識化するよう促さなければならない。教材の作成にあたっては専門科目の教官と日本語教官との連携が必須であり、授業の実施にも、日本語教官が関わる必要があると考えられる。