著者
西岡 博之 新井 宗亮 野方 康次 森田 将史
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.265-271, 2013 (Released:2014-03-01)

高層建物の解体工事は,今後国内でも多くの需要が予想される分野であるが,高さのリスクや都心部であるといった制約条件から,安全面や環境面からクレーンによるブロック解体のニーズが高まるであろう。今回,旧ホテルプラザ解体工事において移動架構技術を利用したブロック解体(ハットダウン工法)を適用した。ブロック解体において,鉄骨の切断方法や揚重方法,荷降ろし方法等様々な要素技術を確立し,一定以上の成果が得られたので,ここに報告する。
著者
栃木 謙一 野村 朋宏 長谷川 達也 森下 充史
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.801-806, 2013-10-01
参考文献数
4

各務原大橋は,一級河川木曽川を渡る橋長594mのPC10径間連続フィンバック橋であり,移動架設桁を用いた張出し架設工法により橋梁上部工の施工が行われた。本工事においては,高粘性のコンクリート(設計基準強度50N/mm<sup>2</sup>早強ポルトランドセメントを使用)を長距離圧送する必要があり,圧送時に流動性の低下が生じた場合,充填性に大きな影響を与えることが懸念された。また,単位セメント量が多くなるため,温度応力による有害なひび割れの発生が懸念された。本稿では,これらの課題に対する検討と対策およびコンクリートの施工状況について報告する。
著者
正岡 勇夫 斉藤 昌弘
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.32-41, 1982-07-15 (Released:2013-04-26)
被引用文献数
2 3

原子力発電所工事の躯体コンクリートは, その構造物のもつ性質上, 厳しい品質管理のもとに施工する必要がある。本稿は, 東京電力 (株) 福島第二原子力発電所を建設するにあたって実施したコンクリート工事について, コンクリートの製造, 打設, マスコンクリートの温度管理, 遮へいコンクリート等, 品質管理を中心に述べたものである。
著者
藤原 一成
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.147-150, 2008-09-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
岡本 伸
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.23-34, 1983-02-15 (Released:2013-04-26)
参考文献数
7

本報告は, 静岡県麻機地区を対象として計画された人工土地の1次構造物 (基盤構造) の耐震安全性を検討することを目的として実施されたモデル実験結果ならびに, それに基づく基盤構造の耐震安全性に関する検討結果の概要を述べたものである。基盤構造はプレストレストコンクリート (PC) 造のはりおよびスラブからなる3層のデッキと鋼管柱から構成されており, 実験は, PC造のはりと鋼管柱の接合部に関して行われた。
著者
二宮 利治 杉村 真智子 吉野 雄一郎 小室 努
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.523-528, 2017 (Released:2018-06-01)
参考文献数
4
被引用文献数
2

名古屋の玄関口である「JR名古屋駅」に,JRセントラルタワーズと一体となり名古屋の新たなランドマークとなる「JRゲートタワー」が誕生する。JRゲートタワーは,地上高さ220m,基礎深さGL-35mの大深度地下構造を有する超高層複合ビルであり,建築計画と施工計画上,主に地下および基礎構造に様々なコンクリート技術を取入れている。本稿では,本建物の設計概要とともに採用したコンクリート技術について報告する。
著者
野口 貴文 兼松 学 福山 智子
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1091-1096, 2016 (Released:2017-11-01)
被引用文献数
1

2016年7月,日本建築学会より「鉄筋コンクリート造建築物の耐久設計施工指針・同解説」の改定版が発刊された。2004年に発行された初版では,鉄筋コンクリート造建築物の耐久設計における性能設計の枠組み・方向性が導入された。本改定では,関連規基準類への整合化,設計劣化外力の見直し,仕上材の有する躯体保護性能とその経年低下の考慮,塩害やアルカリシリカ反応に関する最新技術の取込み,凍害モデルの再構築,品質管理・検査に関わる新手法の紹介,付録における耐久設計例の充実などが行われた。本稿では,2016年改定版の主な改定点を取り上げて解説する。
著者
戸川 一夫 荒木 謙一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリートジャーナル (ISSN:00233544)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.105-112, 1974-04-15 (Released:2013-04-26)
参考文献数
14

本研究の主目的は短く切った金属繊維をモルタルあるいはコンクリートに混入することによって曲げ強度の改善を行なうことと, 曲げ強度を合理的に表わす指標を究明することである。本実験でもちいた主要因は金属繊維の長さ, 径, 混入量, 付着強度およびモルタル, コンクリートのワーカビリチーである。本実験結果を要約すると次のようである。1) 直径360μ, 長さ30mm, のクリンプした金属繊維を30%混入したモルタルの終局曲げ強度は普通モルタルの5倍近い強度が得られた。2) 金属繊維補強モルタルの終局ならびに初期ひびわれ荷重時の曲げ強度は (付着強度) × (繊維の長さ) × (繊維の比表面積) × (フロー比) の関数として表わすことができる。3) モルタルの引張強度, コンクリートの曲げ強度も上記関数をパラメータとして推定することが可能である。
著者
吉川 弘道 大滝 健 前田 欣昌 中村 孝明
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.26-34, 2007 (Released:2013-04-26)
参考文献数
25
被引用文献数
4 4

地震リスク解析は地震被災度を定量的に評価するもので, 防災計画の重要な指標になるとともに, LCC (生涯レンジの価格評価), PML (予想最大損失), BCP (事業継続計画) に対して直接的なコア技術となる。本文はこのような地震リスク解析のうち, エンジニアが直接関わるフラジリティ曲線と地震損失関数について調査/報告するものである。本文では, まずリスクの工学的定義と地震リスク解析について述べ, そのなかでのフラジリティ曲線と地震損失関数の位置付けを示す。次に, コンクリート構造物を対象としたこれらの基本算定式および推定方法について述べる。さらには, 土木・建築構造物を対象としたこれらの評価事例を紹介する。