著者
小野里 憲一 大野 義照
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.7_3-7_8, 2011 (Released:2012-07-01)
参考文献数
5

2010年11月に「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説」が改定された。「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説」は「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」と「建築工事標準仕様書 JASS 5 鉄筋コンクリート工事」の間を取り持ち,両者の不足部分を補足し,配筋用の設計図面作成の手引きを示すとともに,鉄筋工事の施工方法を紹介することを目的としている。本報では2010年版の「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説」の改定の要点を解説する。
著者
斎藤 秀人 池谷 純一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.63-70, 2000-09-25 (Released:2012-11-13)
参考文献数
5

Carbon fibers are one of the most effective materials for seismic strengthening. However fire endurance of strengthening with carbon fiber reinforced plastics (CFRP) should be taken into account because of its combustibility. This paper describes the several tests in accordance with methods of Japanese Industrial Standard; tensile strength tests of CFRP exposed with elevated temperature, residual tensile strength tests of CFRP exposed with elevated temperature, quasi-noncombustibility tests of CFRP and fire resistance tests of wall, column, column with wing walls and T-shaped beam specimens strengthened with CFRP. As the results of the tests, tensile strength of CFRP at 40 °C decreased to approximately 40-50 % of normal tensile strength. Residual tensile strength of CFRP had heated up to 200 °C were two-thirds of normal tensile strength. CFRP covered with a plaster board had quasinoncombustibility. For fire resistance, reinforced concrete members strengthened with CFRP maintained their functions during 2 hours. Reinforced concrete walls or slabs with CFRP penetrations maintained their functions during 2 hours.
著者
上村 克郎
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリートジャーナル (ISSN:00233544)
巻号頁・発行日
vol.9, no.7, pp.73-78, 1971

人工軽量骨材は市場に出てすでに8カ年を経過し,最近2~3年間の生産量は急上昇である。昭和45年度はメーカ7社の合計で生産量は約120万m<SUP>3</SUP>に及んでいる。したがって,数年前までは新材料,新工法のテーマの-つとして取り上げられ,調査,研究やシンポジウム,講習会の格好の対象となっていたが,そろそろ建設界一般に浸透してきた状態になったので,ここらで問題点を整理してみることも意義があることと思われる。日本建築学会関東支部主催「人工軽量骨材に望むもの」シンポジウム(昭46.1.21)の声も参考しながら筆者の気の付いた問題点について若干触れることにする。独りよがりの空論もあるかも知れないがお許しいただきたい。
著者
竹田 宣典 石関 嘉一 青木 茂 入矢 桂史郎
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.17-22, 2011-12-01
参考文献数
8
被引用文献数
1 3

コンクリートの使用材料として海水や未洗浄の海砂を用いることにより,高い緻密性をもつ"海水練り・海砂コンクリート(人工岩塩層)"を開発した。海水練り・海砂コンクリートは,特殊混和剤の使用により真水を用いた通常のコンクリートに比べて内部組織が緻密になり,水密性が向上し,さらに早期強度のみならず長期強度も増大することが明らかになった。また,真水や陸砂の入手が困難な離島や沿岸地域でのコンクリート工事に適用した場合,材料の地産地消化を図ることができ,建設コストと建設時のCO<sub>2</sub>排出量を削減できることを確認した。本文では,海水練り・海砂コンクリートの性質およびコンクリート構造物への適用に関して検討した結果について述べる。
著者
佐藤 悠士朗 櫨原 弘貴 添田 政司 深見 桜
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.11-22, 2020 (Released:2020-03-15)
参考文献数
9

コンクリートの品質を向上させる施工方法の一つに振動締固めを行った後,一定時間をおいてから再び振動を与える再振動がある。しかし,再振動の明確な実施時期や実施方法に関する情報は極めて少なく,現場では感覚と経験に基づいた加振が行われているのが現状である。そこで本研究は,再振動の実施時期の指標としてN式貫入深さから求めたコンクリート抵抗値を用い,再振動の実施時期や加振時間の影響について検討を行った。その結果,コンクリート抵抗値が17×10-3N/mm2に到達した時期に再振動を行うのが最も効果的であることが分かった。また,再振動時の加振時間は,5~10秒程度で行うことでコンクリートの品質は向上する結果となった。一方で,再振動の実施時期が遅い場合や加振時間が長くなると,再振動によるコンクリートの品質の改善が期待できなかった。
著者
佐川 康貴 山田 一夫 烏田 慎也 江里口 玲
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.135-145, 2014 (Released:2014-09-15)
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

国内で産出する安山岩をペシマム混合率で混合したコンクリート供試体を作製し,加速および暴露試験を行った。両試験で,アルカリ総量3.0kg/m3以下である2.6kg/m3の条件で大きなASR膨張が認められ,暴露試験においては暴露期間780日で表面の膨張率は1250×10-6となり,反応性の高い骨材をペシマム条件で使用すると従来のアルカリ総量規制が不十分であり,この現象が加速試験でも検出できることが示された。ペシマム条件において,短期間では混合率15mass%以上のフライアッシュで抑制効果が得られたが,より長期の検討が必要である。鉄筋を配置した供試体では,鉄筋で拘束された内側コンクリートの膨張率が表面よりも著しく小さい結果となった。
著者
原 克己 阿波野 昌幸 田渕 博昭 濱田 一豊
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.49-60, 1996-05-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

大阪市新中央体育館 (仮称) は, メインアリーナ, サブアリーナなど全ての施設を公園地下に設けるという前例のない建物である。直径110m, 高さ30mのメインアリーナを覆う屋根は, プレストレストコンクリート球形シェル構造とした。屋根面の盛土・植栽等の荷重 (平均5~6t/m2) を支持するシェルドームに対し, その裾野部とテンションリングには約2万tの緊張力を導入する。また, シェルドーム部はプレキャストPC部材と現場打ちコンクリートの合成構造とした。本稿は, 大断面を有するテンションリングのマスコン対策, およびシェルドーム裾野部・テンションリングへのプレストレスカの導入について報告する。