著者
谷川 恭雄 森 博嗣
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.4-16, 1987-05-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
44
被引用文献数
2

コンクリート施工のロボット化を初めとする新工法の開発や, 流動化コンクリート, 繊維補強コンクリート, 水中コンクリートなどの各種コンクリートの開発にともない, フレッシュコンクリートの流動性をより科学的な視点に基づいて評価することの必要性が高まってきている。本稿では, 現在フレッシュコンクリートのコンシステンシー判定法として広く利用されているスランプ試験について, レオロジー的な観点からの見直しを行うことを目的として, スランプ試験のメカニズム, スランプ試験によって測定される値の物理的意味, フレッシュコンクリートの流動シミュレーション方法, スランプ試験を拡張してレオロジー定数を推定する方法などに関する研究の現状を紹介する。
著者
芦塚 憲一郎 花田 克彦 中積 健一 片 健一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.188-193, 2013 (Released:2014-02-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

東九州自動車道の(仮称)田久保川橋は橋長712.5mのPC10径間連続箱桁橋である。本橋は,ウェブに蝶形形状をしたコンクリート製のプレキャストパネル「バタフライウェブ」を世界で初めて採用した新しい構造形式の橋梁である。本稿では,新構造のバタフライウェブ橋の設計と施工の概要について述べる。
著者
石川 義則
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.34-41, 1990

京成線のユーカリが丘駅前センターでは, 鉄筋コンクリート(RC)造の高層集合住宅3棟(29階建て1棟と31階建て2棟)が建設されている。わが国では6年前に初めて超高層RC工法によるRC造集合住宅が建設され, そのときは1フロアを12日で施工した。その後, 施工の経験を積み, 工事は6日/1フロアの施工スピードで行えるようになった。本稿は, 高層RC造の施工スピードとして記録的に速い4日サイクル/1フロアを達成することのできた新工法について述べるものである。
著者
菅原 信二 真山 悟
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.22-34, 1991-06-01 (Released:2013-04-26)

橋りょうとトンネルを主体とした二重ループは, 高低差170mの急峻な地形を克服するため計画された全国でも数少ない構造・形式となっている。このため, 設計・施工にあたっては, PC曲線橋 (Rmin=120m) 片持ち架設工法・NATMによる斜め深礎ぐいなど, わが国で他に例のない形式・工法を採用するとともに, 橋脚の横ばりを施工するRöRoパイプ支保工, トラスドアーチ橋を架設するタイバック式カンチレバー工法, 作業用の吊り足場としてPCT足場, 床版工事ではI形鋼格子床版, など種々の特殊な工法や新技術を導入し活用したものである。本稿は, この二重ループ構造の計画およびこれらの工法を採用した主な橋りょうの施工について概要を紹介する。
著者
島村 高平 坂口 裕美 稲田 博文 前川 裕介
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1178-1183, 2016

<p>川崎市等々力緑地内に位置する等々力陸上競技場は,第一種公認陸上競技場でありサッカーJリーグチームのホームスタジアムである。本プロジェクトは,等々力陸上競技場のメインスタンド部分の老朽化および観戦環境改善のための建て替え計画である。建替え後のメインスタンドは,地上6階,観客席数は約8000席となり,既存部分と合わせると約28000席のスタジアムとなる。観客をフィールドに近づける為に大きく前傾した3階から上部に位置する上段スタンド架構は,プレキャストコンクリートおよび鉄骨で構成している。ここでは,等々力陸上競技場メインスタンドにおける構造計画と,上部スタンド架構を構成するプレキャストコンクリート部材の製作および施工について報告する。</p>
著者
田中 宏昌 石橋 忠良
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.3-11, 1981-06-15 (Released:2013-04-26)
参考文献数
6
被引用文献数
1

鉄道構造物の高架下は現在多目的に利用されている。そのため, 高架下からの火災の発生により列車の運行に支障の生ずることもある。本稿は, 鉄道高架橋の火災被害とその復旧方法について紹介するものである。
著者
津島 聰 吹上 紀夫
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.51-58, 1990-07-01 (Released:2012-11-13)
参考文献数
3
被引用文献数
1

It is possible to predict detectable defects diameter in the inner parts of mortar and concrete, from relations between echo-height from defect and scattered echoes from both fine and coarse aggregates ; the relations can be evident by making use of a longitudinal probe with a central frequency of 1 MHz and a double crystal probe with a 1 MHz. An A-scope has been generally used for ultrasonic testing (UT), whose users need the technical knowledge and experience for interpretation or analysis of the echoes received. If the imaging of defects is realized by the B-scope, users of the UT do not need the technical knowledge and experience. The joint reseachers have succeeded in imaging defects and embedded bars by the use of the B-scope.
著者
小林 実 伊藤 仁 森島 洋一 水谷 亮
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.54-59, 2009-03-01
被引用文献数
1

これまでの高層ビル解体は上階から下階に向けて解体していたが,今回開発した工法は,1階の柱直下にジャッキを設置し,1階部分の柱を切断してはジャッキダウンを繰り返してビルを下階から解体するものである。解体作業中の建物の耐震安全性を確保するため,新たに建物内部に鉄筋コンクリート造の壁「コアウォール」と鉄骨製の「荷重伝達フレーム」を設置する。本工法を鹿島旧本社ビル解体工事に適用した結果,騒音・粉塵の飛散低減,近隣が抱く不安感の解消,高所作業がなくなったことによる落下の危険性解消など従来の解体工事の課題を大幅に改善できることを確認した。工期短縮も見込め,解体材の分別・リサイクル率も向上し,環境に配慮した解体工法である。
著者
野口 貴文 小山 明男 田村 雅紀
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.5-10, 2009-04-01
参考文献数
2
被引用文献数
1

日本建築学会では,環境に配慮したコンクリートおよび鉄筋コンクリート工事のあり方を示すことを目的として,2008年9月に「鉄筋コンクリート造建築物の環境配慮施工指針(案)・同解説」を制定した。本稿は,その概要をまとめたものである。

1 0 0 0 OA 黒部ダム

著者
加藤 雅広
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.84-87, 2008-09-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
3
著者
角野拓真 轟俊太朗 田所敏弥 石田哲也
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2018(神戸)
巻号頁・発行日
2018-06-20

目視により得られる情報として日射や湿潤状態の有無に着目して部位ごとに環境区分を設定し,設定した環境区分ごとにひび割れや剥離・剥落等の変状発生傾向および鉄筋腐食速度を分析し,目視情報に基づく鉄筋腐食環境の推定法について検討を行った。日射有と区分した部位の中性化深さは,他の部位と比較し進行しているが剥離・剥落の発生は少なく,推定した鉄筋腐食速度は2.1×10-3mm/年であった。日射無・湿潤状態および日射無と区分した部位の鉄筋腐食速度は,それぞれ3.4×10-3mm/年および3.0×10-3mm/年となり,日射有と区分した部位と比較し鉄筋腐食環境にあると推定することができた。