著者
松井 正典 廣瀬 敬 肥後 祐司 舟越 賢一 真下 茂 佐多 永吉 入舩 徹男
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

高温での圧力スケールとして良く用いられるMgO,NaCl,Ar,Au,Ptについて、それらの常温常圧~高温高圧における温度-圧力-体積関係を、放射光高温高圧X線回折、高温高圧下における弾性波速度測定、衝撃圧縮実験、分子動力学法を用いた計算機シミュレーション等に基づいて、高精度で求めた。加えて、地球マントル遷移層から下部マントル、コア上部を想定した、温度1000~3000K、圧力20~150GPaにおける、高信頼度の圧力スケールを求めることに成功した。
著者
高山 洋一郎 藤田 孝之 前中 一介
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

ワイヤレス通信システムの普及・高度化に伴い,広ダイナミックレンジの高効率,低ひずみ特性の可能性を持つ送信用マイクロ波電力増幅器としてドハティ増幅器が注目されている.ドハティ増幅器は,B級動作のキャリア増幅器およびC級動作のピーク増幅器を直接結合して,低RF電力レベルでキャリア増幅器(CA)の特性を,高RF電力レベルでピーク増幅器(PA)の特性を取り出して,低RFレベルから高RFレベルにわたって優れた特性を実現しようとする増幅器である,しかしながら,2台の増幅器の一般的な直接合成特性の解析・設計理論は確立していなかった.本研究者らは,マイクロ波域での電力増幅器の解析・設計に適応できる理論を提案し,Si MOSFET電力増幅器を設計製作してその有効性を示した.まず,ドハティ増幅器を構成するCAおよびPAへのRF入力信号が等分配の場合について詳細な検討を行った後,本研究者らが提案したより一般的な出力合成回路構成法およびその設計法を拡張して,CAおよびPAへのRF入力信号の配分が等分配でない場合の一般的なマイクロ波ドハティ増幅器回路の設計法を検討提示した.この設計法によりRF入力電力分配比率を変えた場合のドハティ増幅特性を検討し,より高性能のドハティ増幅器構成法の可能性を示した.入力不等分配回路は直接分配型およびウイルキンソン型を試作検討した.アイソレーションがない直接分配型は安定性に課題があるため,ウィルキンソン分配回路により1GHz帯2WクラスのSiMOSFET電力増幅器を製作評価して詳細な検討を行った.その結果,不等分配によりさらに低レベルでの効率の向上を期待できる広ダイナミック特性入出力を確認した.
著者
福本 直之 永田 正義 菊池 祐介 花田 和明 宮澤 順一
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

磁化同軸プラズマガンであるコンパクトトロイド(CT)入射装置を用いて, CTプラズマを生成・加速し,ガスを注入したセルに入射する実験を行った.これで,荷電交換反応によりCTプラズマの中性粒子化を促進させ,高速ガスジェットの生成を試みた.その結果,現状では荷電粒子が一部に残るものの, CT速度相当の高速ガスジェット生成に成功した.これにより, CTプラズマと極超音速ガスジェットの選択的入射が可能となった.
著者
岩佐 真也
出版者
兵庫県立大学
雑誌
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 (ISSN:18816592)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.57-65, 2007-03-15

セネガルでは、国の方針として基礎保健員(以下ASCと略す)と呼ばれるコミュニティーヘルスワーカーの活動を期待している。しかし、その育成方法は各州・県に委ねられている。筆者は青年海外協力隊・保健師隊員として、セネガルでの活動の際にASC育成に関わった。その育成時に直面した「人選」の問題を通してASCの適切な選出条件を検討する。研究対象者は、1998年9月から2000年1月までにセネガルの農村部であるA村のASC候補者となった5人で、この5人が候補者として選出された経緯や性別、年齢、職業、現住所、出身村、村での役職、配偶者の職業、候補者以外の家族員の村での役職について比較検討を行った。その結果、候補者の性別は男性1名女性4名であり、年齢は20歳代から30歳代であった。現住所は保健小屋(ASCの活動拠点となる施設)のある村に在住している者が4名、そうでない者が1名であった。5人の候補者(A氏〜E氏)の内ASCに選出された者はE氏であった。それ以外の4名の落選理由は、A氏の場合、有職(農業)者であることと保健委員長としてA村で活動していることであり、C氏の場合は義父が村長で義母が産婆であるため、D氏はA村外在住であるためだった。また、B氏については候補者となったが、夫の病気、自身の妊娠・出産、また産後の健康状態がふるわず、ASCを辞退していた。A村での選出過程を通してセネガルの農村部におけるASCの重要な選出条件は、1.ASCが保健小屋のある村の出身か、そうでない場合はASCの出身村が保健小屋のある村と関係性が良好であること。2.ASCとして活動に専念できることを期待されているため、20〜40歳代の無職の者で、かつ女性は近い将来出産の予定がないこと。3.ASCの一家族内に、村での重要な役職に就いている者がいないこと。4.ASCの配偶者が現金収入を得ているといった、ASCの家族の経済状態が安定していることであった。