著者
水上 優
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ライトの住宅の変容過程を明らかにするために,独自のダイアグラムを用いた第1黄金時代のプレイリー・ハウスの8つの型が指摘され,各型間の同一性と差異の考察によって,プレイリー・ハウスの生成過程の全体像が明らかにされた。また同一型内の個別住宅作品間の同一性と差異が「ヒコックス」型において考察された。次いで両黄金時代に挟まれた期間の住宅のDとKとの繋がりをたどり,第2黄金時代のユーソニアン・ハウスの構成の要となるワークスペースの成立過程が明らかにされた。最終的にプレイリー・ハウスとユーソニアン・ハウスの変容の鍵となる住宅が明らかにされ,建築思想の変容との関わりから作品の変容過程の意味が考察された。
著者
村松 康司
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

炭素材料の劣化は多くの場合炭素表面の酸化に起因するが,この分析技術は確立しておらず,炭素表面酸化の簡便かつ高精度な状態分析および定量分析技術の開発が急務となっていた。そこで,本研究では放射光軟X線分光法を利用して,複雑な局所構造をもつ炭素材料の酸化(劣化)分析・評価技術を開発することを目的とした。具体的には,(1)我々が提案した全電子収量軟X線吸収分光法による炭素表面酸化の状態・定量同時分析法について,実験を通してこの可能性と適用限界を明らかにするとともに,(2)産業界の実材料を分析して本法の実用性を検証した。加えて,全電子収量軟X線吸収分光法を用いた状態・定量分析に関する新しい知見・技術を取得した。
著者
池田 雅則
出版者
兵庫県立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

これまで明らかにされてこなかった、19世紀後半日本における地域エリートの学習歴とその変容過程について、史料調査を通した一次史料の収集と分析によって検証することができた。農村エリートの青少年期の日記や文官普通試験にかかわる公文書を史料として分析を進めた。そして、19世紀後半の地域エリートは、国家的制度による正規の学校体系に収まらない不定型で複雑な学習歴を歩んでいたことが明らかとなった。本研究の成果の一部は学術図書として平成25年度中に刊行されることになった。
著者
松田 陽子 野津 隆志 久保田 真弓 乾 美紀 落合 知子 杉野 竜美 北山 夏季
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

外国人児童の母語教育の現場での課題を、教師の考えや教育実践、家庭の両親の意識などを中心に調査し、日本・オーストラリア・カナダ・タイでの取り組みの調査結果をもとに、 「言語資源」の認知、学校と家庭の連携、自尊意識を高める方策の重要性を考察した。母語・バイリンガル教育についての知見や教授法のアイデアの紹介も含め、母語学習支援のための情報ネットワーク形成のプラットフォームとなる国内初の実践的な母語学習支援専門のウェブサイトを立ち上げた。
著者
中松 和己 渡辺 尚 峰野 博史
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ミニトマト、ホウレン草などの水耕栽培ビニルハウスに、温度、湿度、照度、電気伝導率(肥料濃度の目安)などを測定したデータを収集可能なワイアレスセンサーネットワークを導入した。また、得られたデータをインターネット経由でパソコンに送り、農作物への水分補給の量を自動制御するシステムを提案した。これらの成果は国際会議などで論文発表した。更に、農作業者の実際に行われた水分補給の記録と提案した水分補給自動制御システムによる水分補給の違いを分析し人の経験知識を融合した水分補給システムを構築しようとしたが、記録量が少なく有意な違いが見つけられず今後の課題として残った。
著者
山崎 徹 足立 大樹 藤田 和孝 網谷 健児 三浦 永理 早乙女 康典
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

ナノ結晶合金やアモルファス合金は高強度材料ではあるが、塑性変形中の加工硬化は生じない。このため、引張や圧縮変形時には塑性伸びを殆ど生ずることはなく、局所的なせん断帯を生じて脆性的に破壊し、これが、これら高強度合金の実用化への大きな障害となっている。本研究では、電解析出法によりナノ結晶相とアモルファス相の複合組織を有するNi-W合金を作製し、塑性変形誘起のナノ結晶粒成長を利用した加工硬化性の発現と高延性化を実現できた。さらに、アモルファス構造を有するZr基金属ガラスに貴金属を添加することにより、塑性変形誘起のナノ準結晶相の析出を促進させ、加工硬化性を発現させることができた。
著者
山口 隆英
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

日本企業が海外進出する市場として新興国が重要になっている。新興国は、これまで生産拠点であったが、市場ではなかった。新興国の経済成長に合わせて、新興国の市場としての重要性が高まってきた。新興国を市場として利益を上げることが課題となっている。その課題に対して、日本企業にはどのような組織能力が必要とされるかを検討することが本稿の課題である。この課題のキーポイントは、従業員の長期的な雇用を実現することによって、現地でつくり販売するというビジネスモデルを構築することであった。長期雇用にむけて、将来のキャリアパスの明確化が必要であった。この点については、今回の研究では十分に議論されず、今後の課題である。
著者
三宅 康成 山崎 勇志 榎本 淳 Yasunari MIYAKE Yushi YAMAZAKI Jun ENOMOTO 社会システム環境学大講座 社会システム環境学大講座 社会システム環境学大講座 Laboratory of Environment for Social System School of Human Science and Environment University of Hyogo Laboratory of Environment for Social System School of Human Science and Environment University of Hyogo Laboratory of Environment for Social System School of Human Science and Environment University of Hyogo
出版者
兵庫県立大学
雑誌
兵庫県立大学環境人間学部研究報告 (ISSN:13498592)
巻号頁・発行日
no.8, pp.61-68, 2006

The new entry farmer is expected as a supporter of the regional agriculture. In this research, the present condition and consciousness of new-entry farmer in Hyogo Prefecture were clarified. The data used for analysis was mainly obtained by the questionnaire to 88 cities, towns and villages of Hyogo Prefecture, and interview investigation to 16 new-entry farmers. In order to stabilize agricultural management, the good farming conditions and improving agricultural technology were necessary. It pointed out that cooperation with the organization in connection with agriculture and powerful support of the region were important.
著者
遊佐 真一 川瀬 毅 山子 茂 駒田 富佐夫
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

感温性ブロックおよび C_60 と親和性の高いブロックからなる二重親水性ブロック共重合体を制御ラジカル重合法で合成した。このポリマーは水に不溶な C_60 を水に可溶化できた。この C_60 とポリマーのコンプレックスは体温より少し高い温度でサイズが増加するので体内に導入した場合、温めることでその周辺に C_60 を集積化できる。さらに光照射すると C_60から DNAを破壊可能な活性酸素を発生した。 したがってこのポリマーは光線力学的療法に利用できると期待される。
著者
佐藤 井一
出版者
兵庫県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

メルカプトコハク酸で表面修飾された金ナノ粒子を水溶液表面で集合させ、単結晶配列金ナノ粒子格子を作製した。得られた金ナノ粒子格子の光学誘電率は、構成粒子の粒径を変化させることで5から11まで変化することを確認した。また、金ナノ粒子をアモルファス状に押し固めた材料の電気伝導度は、構成粒子の粒径を変化させることで3.0S/cmから500S/cmまで変化した。この電気伝導率の温度係数は1.2×10^<-4>K^<-1>であり、バルク金の温度係数よりも一桁小さかった。本研究で得られた金ナノ粒子格子あるいは金ナノ粒子アモルファス体は、発熱による熱暴走を防ぐバラスト抵抗、もしくは、電子回路の高集積化の際のゲート材料として有望である。
著者
柴田 真志
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

夜間就床後の睡眠第一相における直腸温は一過性に低下し、その間の中心温度指標と末梢温度指標の差分を積分して末梢放熱能とした。末梢放熱能と有酸素持久性能力スコアとの間には有意な正の関連が認められた。身体活動不足による有酸素持久性能力の低下が就床後の低い末梢熱放散機能と関連すると推察された。また、有酸素トレーニング(50%強度・30分間・週3回・4週間)によって、末梢熱放散機能はわずかに改善されたが統計学的有意には至らなかった。
著者
菊田 健作 木庭 淳
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

有限グラフ上の探索問題において、探索者の初期位置が特定されていない場合の数理的解析を行い最適戦略やゲームの値を求めた。また、同じグラフ上の複数の探索問題を総合的に考えて、協力ゲームのコアを応用する事により、統合による探索費用の節約額の再分配を考えた。費用が非加法的であるような探索問題の解析を新しく始めた。一方、分散システムにおける故障発見への応用をもつ偵察問題を輸送船とテロリストの間の多段階2人ゼロ和ゲームとして定式化した.輸送船は偵察ボートを備えていて機雷を発見・除去できるが,費用が小さくなるように偵察ボートを出す時期を決定する.テロリストの機雷の仕掛け方を二通り想定しそれぞれを考察した。