著者
保坂 裕子 尾藤 環
出版者
兵庫県立大学
雑誌
兵庫県立大学環境人間学部研究報告 (ISSN:13498592)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.69-82, 2007-02-28

On the process of reformation of school educational system these days, one of the problem pointed out is the estrangement between school learning and people's living life or their learning in life. Students start to think learning at school has lost touch with their future then they lost their interest in school learning and work. And also the value judgment of "work" itself has changed current society. So it is urgent needs to work on this transitional stage from school to work. In this paper, we focused on the transitional stage from vocational education to work by starting collaborative developmental work research under the theory of cultural-historical activity theory. We summarize the problem Tsuji School has as concrete research field and define four tasks we need to face. Then it becomes clear we need to see this problematic situation from two point; one is lack of learners' point of view and the other is lack of the vision of future educated people as societal change agent. At last we discuss the practical way to change the vocational education system and support people to transform this difficult stage by collaboration between school and workplace.
著者
前中 一介 高山 洋一郎 藤田 孝之
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、本質的に高精度・高安定度を持つリングレーザジャイロ(RLG)をMEMS技術によって実現するための要素技術とそれらの融合技術を確立し、MEMS RLGの技術的基盤を構築した。まず、RLGで重要な光周回路についてはシリコン(110)面の異方性ウエットエッチングによって発現する垂直(111)壁面をミラーとして周回光路が実現できることを見いだし、この壁面の光学的特性をエッチング条件、アライメント条件等をパラメータとして調査し、これらに最適値が存在しかつ最適条件下ではRLGとして十分な質を持つミラー面となることを確認した。また、レンズ、プリズムなどのRLGで必要とされる透過光学素子を感光性樹脂を用いて実現し、集光特性、可干渉性など光学素子としての特性を明らかにした。また、この樹脂で可動構造体を形成し、レーザ媒体(レーザダイオード)のアライメント機構として用いることも示した。さらに、ミラー及び樹脂形成をバッチプロセスで一括構成するプロセスを確立し、MEMS RLGが大量生産・低価格化可能であることを明らかにしている。シリコンミラー面の反射率向上のための薄膜形成については、新たにシリコン上への金の直接めっき法を提案、その条件を確立し、従来必要であったそれぞれのミラー面に対する複数回の薄膜蒸着または特殊プラネタリの使用、および不要部分のエッチング工程を完全に排除することができた。これら、本MEMS RLGに関する研究で確立した数多くの基本技術は、ジャイロのみならず光関連MEMS一般に広く応用できる。今後、上記の成果に基づいて、複数の企業との協同で研究会を発足し、市場に投入しうるデバイス・システムの開発を行うことが予定されている。
著者
車井 浩子 横山 由紀子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
商大論集 (ISSN:02862174)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.81-90, 2008-12-26
著者
瀧井 一博
出版者
兵庫県立大学
雑誌
人文論集 (ISSN:04541081)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.81-103, 2006-03-31
著者
植野 和文
出版者
兵庫県立大学
雑誌
研究資料 (ISSN:21853592)
巻号頁・発行日
vol.233, pp.1-249, 2011-06
著者
新澤 秀則 大島 堅一 高村 ゆかり 橋本 征二 島村 健 羅 星仁 久保 はるか 松本 泰子 亀山 康子 亀山 康子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

気候変動枠組条約や京都議定書の締約国会議や補助機関会合にオブザーバー参加することによって, 交渉の進捗をつぶさに, かつ総合的に把握し, 合意の評価と, 今後の課題とその選択肢の比較評価をリアルタイムに提示することに一定の貢献をした。京都議定書の運用, 欧州連合, ドイツ, アメリカの政策動向を調査分析し, 国際枠組みに対する意味合いを考察した。政府以外のアクターとして, 欧州連合, 自治体, NGOを取り上げ, 条約交渉や合意したことの実施に関して果たす役割を, 具体的な事例にもとづいて明らかにすることができた。
著者
友野 哲彦
出版者
兵庫県立大学
雑誌
商大論集 (ISSN:02862174)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.41-65, 2008-08-29
著者
竹内 和雄
出版者
兵庫県立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

中高生に対する携帯電話使用の実態調査から、スマートフォン使用者は、その他に比べて、就寝時刻が遅く、勉強に自信が持てず、ネット上で新たな出会いを多く経験していることがわかった。この結果を中高生自身や関係者に示し、議論する機会を設け、当事者自身による利用ガイドラインづくりを作ることができた。これらの活動は、啓発資料自作や年少者(小学生等)への啓発活動など、その後の中高生の自主的な活動に繋がった。この種の問題への、当事者自身の対策関与の有効性の大きさが示された。
著者
井田 喜明 田中 良和 西村 太志 小屋口 剛博 谷口 宏充 岡田 弘
出版者
兵庫県立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本特定領域研究の目的は、火山爆発の素過程や発生機構について学術的な理解を深め、火山災害の軽減に寄与することである。その基礎として、火山爆発の性質を詳細に調べるために、「火山探査移動観測ステーション」が開発され、火口近傍での観測や試料採取、機器の設置を遠隔操作で行うことが可能になった。広帯域地震計や空振計などを用いた観測が、小爆発を繰り返す複数の火山で実施され、爆発に先立って特徴的な膨張や収縮が存在することがつきとめられ、爆発直前に進行する物理過程が明らかにされた。地下のマグマの上昇過程については、室内実験や理論的な考察によって、脱ガスやマグマ破砕の機構が究明された。また、シミュレーションによって、噴火の爆発性を決める原理が見出され、地殻変動の加速性がそれを予測する手段になりうることが示された。地表で進行する爆発現象については、火口から噴出する噴霧流の3次元シミュレーション手法が開発され、噴煙や火砕流を生む物理過程が究明された。また、爆発強度のスケーリングや、爆風に伴う衝撃波のシミュレーションなど、火山爆発の影響を見積もる有力な手法が得られた。本領域の各分野にわたる研究成果を基礎に、噴火現象に関連する各種の知見やデータを集めて、データベースが構築された。このデータベースは、現象の体系的な理解に役立つ。また、本領域で開発された計算コードと合わせて、噴火過程の総合的なシミュレーションをする基本的なツールになり、噴火や火山災害の予測に寄与する。噴火現象の評価や予測のためには、WEBサーバーを用いた合議システムも開発され、専門家の合議を迅速かつ能率的に進めることが可能になった。火山爆発に関する知識を広く普及する目的には、一般向けの講演会が催され、観測や野外実験の一部が公開された。また、研究成果を平易に解説する一般向けの書籍が出版される。
著者
南 裕子 神崎 初美 岡本 玲子 大野 かおり 内布 敦子 神原 咲子 片山 貴文 井伊 久美子 新井 香奈子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

まちの保健室に対する住民のニーズを2つの記述的研究により調査した。ひとつは兵庫県全土で開催されているまちの保健室来訪者を対象としたもので、405人の有効回答者で最も多かった疾患は高血圧(22.8%)、次に糖尿病(9.1%),高脂血症(8.9%),不整脈(1.2%),リウマチ(1.0%)であった。もう一方は地域住民3064人のうち有効回答858人(23.7%)へ認知症に関するまちの保健室のニーズを調査した。認知症の種類や薬物療法について知らないものが、41.2%と57.5%であった。身近に疑いのある人が「いる」は23.6%、認知症について相談してみたいは85.9%であった。また、まちの保健室を新たに立ち上げる準備のため(10項目)、設立のため(10項目)、立ち上げた後の効果的な運営のため(7項目)の立ち上げ運営支援マニュアルを作成した。相談技術を開発するためには、がん専門看護師によるがん患者へのフォーカスグループインタビューを企画し、がん療養相談技術カテゴリーを作成した。また、専門家による口腔ケア支援のモデルを作成した。女性の健康班では、相談機能において後方支援に期待される機能を明らかにするために、ボランティアNsへのインタビューを実施し、結果を基に相談の実態及び困難を支援できるマニュアルを作成した。ボランティア看護師のための教育研修を継続実施している。その効果を測定するため講習会の前後で得点を比較しほぼ全項目で有意に改善していた(p<0.05)。平成18年度129拠点で実施された活動実績報告と教育・研修会班が実施したボランティア看護師へのアンケート・座談会から抽出した質問集に、班で作成した回答を加えWeb上に反映させボNsが簡単に利用できる仕組みとした。看護師がまちの保健室活動を行うにあたっての困難は、「本職が忙しい」「活動に対する上司の理解がない」が主であり、職場での理解が必要であることが分かった。まちの保健室看護師支援を目的とし、Webと携帯サイトにFAQを作成し、記述や閲覧ができるようにした。これは、セミナーグループワークでの発言やWeb上の記述から作成した。
著者
尾崎 公子 佐藤 宏子 貞広 斎子 肥後 耕生 チェ ジョンリョル ミン ビョンソン
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、日韓比較を通して人口減少地域における地域共生型学校の成立要因を抽出した。両国とも、少子化、都市化、非都市部の過疎化が深刻となり、それに伴って学校の小規模化が進行して、学校統廃合が大きな政策課題になっている。しかし、小規模校の取り組みには相違点があり、韓国政府は学校自由化策を進めて地方や学校に権限を委譲するとともに、地域や階層間格差を是正するために「教育福祉」を政策原理に採用していた。また、政府のみならず、小規模校を存続させる民間運動が存在し、地域と学校の新たな価値創造に向けた事例も確認できた。以上から、地域共生型学校の成立要因として、制度、政策理念、民間運動の存在が示唆された。
著者
片山 貴文
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、避難所での災害看護の知識や技術を習得することを目的として、体験型の新しい教育方法を開発した。この教育では、看護師と被災者のシナリオを用いてロール・プレイ(演技)を行い、受講者が看護師と住民の両者の役割を演じながら、擬似的に被災者支援を体験するものである。この教育の効果を調べた結果、98%の受講者が被災者の気持ちを知ることの大切さを理解できていた。同様に、87%が避難所での救護・輸送・トリアージ以外の役割があることを理解できていた。以上より、この教育によって、災害看護の支援活動の場面で、被災者に不快な思いをさせたり、彼らの心を傷つけたりするような失敗が減らせるのではないかと思われる。
著者
高木 芳弘 石川 潔
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究ではパルス光の照射による磁気過程の高速応答を実時間で追究することを目指している。本補助金で購入した広帯域デジタルオシロスコープを用いて時間応答と信号処理能率の改善により、光誘起スピン偏極機構の新たな解明と、合成した化合物溶液においてスピンの歳差運動によるフリーインダクションディケー(FID)を初めて観測することができた。1)磁場存在下での誘起スピン偏極の起源の解明昨年度行った酢酸銅と鉄明礬結晶における磁場下での光の角運動量を必要としないスピン偏極の生成について、その由来を明らかにした。酢酸銅は複核錯体を形成することが研究当初不可欠であると予測されたが、一方、磁場に対して同様の振舞を示す鉄明礬は単核錯体である。さらにスピン3/2のルビーでは以前に得られていた準位交叉の磁場近傍での状態混合によるスピン偏極の信号も同様の起源で説明できることがわかった。この孤立スピン系における実験的証拠から、複核形成は誘起スピン偏極の必要条件ではなく、多重度が3以上で、かつ微細構造分裂を有するスピン系で磁場の印加により状態混合を形成することが起源であると断定した。鉄三価と同じ多重度のマンガン錯塩では信号が得られないが、鉄と異なり超微細分裂が微細構造より大きく、スピン偏極を与える状態混合の形成が十分でないことに起因するとした(投稿準備中)。2)スピンの歳差運動によるフリーインダクションディケー(FID)の観測広帯域デジタルオシロスコープにより時間応答と処理速度の向上が図られ、その結果、鉄三価キレートのアセトン溶液において、励起円偏光ビームと垂直の磁場の印加によりFIDが初めて観測された。振動の周波数は印加磁場と共に増大し、歳差運動の様子が顕著に認められた。これは希釈スピン系であるルビーで古く見出されたものと異なり、高濃度の室温凝縮系での直接検出は我々の知る限り初めてである。これによってマイクロ波を使わずに任意の磁場でのパルスESRと等価な知見が得られることになる。現在詳細な実験を進めている。
著者
神崎 初美 片山 貴文 芦田 信之 周藤 俊治 牧本 清子 東 ますみ
出版者
兵庫県立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

Web上で療養記録が実施できる症状管理サイトを作成し、RA患者の記述した内容を分析することで病気や症状がコーピングに与える影響を明らかにするため調査している。現在、まだ調査は継続中であるが途中の経過を報告する。PCや携帯の画面で使用できるよう作成した。「今日の体調」をクリックすると日々の症状(痛み・痛む関節の場所・数・その他記述データ)と天候・気分・活動度を毎日入力できる。入力した数値データはパソコン上で月間グラフとして、また記述データはテキスト内容を見ることができ、A4サイズ1枚にプリントアウトもできる。このため療養記録として診察に持参することもできる。研究対象者:Web上に自発的に登録する者と入院RA患者のうちWeb上の症状管理サイトへの記述を説明し承諾した者としている。以下(1)〜(6)の内容について現在、データを収集中である。(1)Webサイトへの使用頻度の集計(2)記述文字数(3)記述内容のカテゴリー分け(4)天候や痛みと症状との相関(5)診療内容や療養生活と症状との関連(6)Webサイト改良のため生活上の利点欠点、診療場面利用への有効性など研究協力者の感想を聴くリウマチ患者にとっても自身でも把握が困難だったRA患者の病状変化をセルフモニタリングにより自身で分析でき、病を悪化させている要因を客観的に分析することができる。また、それを診療場面に活かすこともできる。例えば天候・痛み・薬物療法と症状との関連など系統的な把握が可能になる。個別対応型であり、より深く正確な情報がプライバシーを保持しながら得る事が出来ると考える。