著者
池田 憲昭 土井 和美 宇野 彰男 山崎 美智子 宮原 英夫 山本 昇 木川田 隆一
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.376-382, 1991-08-31

計算機ネットワークを利用して,研究教育のための様々な情報をオンラインで利用可能とする試みの一つとして,北里大学全学部図書館の全所蔵雑誌および医学図書館所蔵図書の一部に関する所在情報を提供するシステムKLIS(Kitasato Library Information System)を作成した。データベースは,学術情報センター学術雑誌総合目録データベースの個別版提供サービスによって得た磁気テープから必要な情報を抽出し,医学部研究用ミニコンピュータHP9000/855sの磁気ディスクファイルとして作成した。収録した件数は欧文雑誌5,134件,和文雑誌4,551件で,各レコードは雑誌名,発行所名,所蔵図書館名,所蔵期間などからなる。さらに,本学医学図書館のオリジナルデータベースである雑誌特集記事索引および最近4年間の新着図書目録も検索の対象としてデータベース化した。検索システムはUNIXオペレーティングシステム上のC言語を用いて作成した。
著者
金沢 英作
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.p194-198, 1978-06
著者
松岡 正敬 日野 英忠 重井 文博 雨宮 光 上嶋 十郎
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.503-504, 1993-12-31

73歳,肝硬変女性例。肝性脳症に対するアミノ酸輸液製剤投与後,低血糖発作が頻発。さらに手袋靴下型の四肢しびれが急速に出現した。神経学的に両下肢筋力低下,四肢遠位部の全感覚鈍麻,また深部反射の低下が認められ,末梢神経伝導速度は遅延していた。本例にみられた末梢神経障害は,他に明らかな原因が認められないことから,低血糖が原因と推測した。さらに低血糖はアミノ酸製剤により生じたものと考えられた。
著者
平本 大
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.464-473, 1991-10-31

上限瞼挙筋支配運動ニューロンの中脳動眼神経核内での局在については,他の外眼筋支配運動ニューロンに比べて十分研究されていない。今回ヒトに近いサル,さらに下等なネコ,ウサギの三種属について比較検討した。方法は神経細胞標識トレーサーであるhorseradish peroxidase (HRP),更に蛍光色素(fast blue, propidium iodide, diamidino yellow dihydrochloride)を用い上眼瞼挙筋支配運動核の同定と二重標識法にて単一ニューロンによる二重支配の存在を検討した。サルでは正中尾部核central caudal nucleus (CCN)の局在と対側優位の両側支配を示し,さらに二重神経支配をするニューロンが初めて見いだされた。ネコではCCNが対側優位の割合がサルに比べて少ない両側支配であり,二重支配ニューロンはみられなかった。ウサギでは,完全な対側支配であり亜核は主核の中で上直筋亜核に接してみられた。系統発生学的にみると,完全な両眼瞼の共同運動をするサルになるとそれに好都合な上眼瞼挙筋運動ニューロンの二重支配ニューロンの出現と支配運動核の分化がみられた。
著者
〆谷 直人
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.350-358, 1995-08-31
被引用文献数
1

血中CRP微量定量の臨床的意義を明らかにするために,non-radioisotopic immunoassayの一種である高感度測定装置を用い,我々が設定した成人年齢別の正常値に基づいて,各種病態における血中CRP低濃度域の変動について調べ,また他の急性相反応蛋白およびIL-6と比較検討した。成人においてCRP低濃度域ならびに異常低値を示す疾患としては,ホルモン産生腫瘍,乳癌・卵巣癌の一部などの女性の腫瘍があり,良性のものではSLEなどの膠原病に認められた。また,治療によりCRPは低下するが,ステロイド治療,ならびにホルモン剤投与症例では著明な低下が認められた。ステロイド1日投与量10mg以下ではCRPはほとんど変わらず,20mg以上で明らかに低下し,40mg以上では著明に低下した。ステロイド投与患者でCRP値が異常低値ないし低濃度域となる場合に,CRP値を1週間から10日間に2回程度経日的に測定し,CRP値の連続3回以上上昇した場合に,その上昇傾向から感染症合併の有無を判断する指標として有用であると考えられた。CRPは他の急性相反応蛋白およびIL-6の変動と比較し,ステロイド治療後CRPは顕著に低下するが,他の急性相反応蛋白は漸減する傾向が認められた。CRPの著減する機序についてはステロイドによる抗炎症効果とそれ以外の機序が考えられた。
著者
島本 由紀子 山本 弘子 今井 純好 遠藤 紀雄 亀谷 徹
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.432-440, 1988-08-31

1971年から1984年までの13年間に当院で入院加療した小児悪性腫瘍125例(1部121例)について,種類,年齢別患者数,年度別患者数,5年生存率,ALL及びnon-Hodgkinリンパ腫については予後解析を行なった。ALLは,悪性腫瘍の41%,AMLは22%を占め,急性白血病で全悪性腫瘍の63%を占めた。固形腫瘍の中では,神経芽細胞腫の頻度が最も高く,全腫瘍の16%を占めた。神経芽細胞腫は副腎原発のもの,初発時年齢1歳以上のものは極めて予後不良であり,各々5年生存率は12.5%,15%であった。non-Hodgkinリンパ腫ではmodified LSA_2-L_2療法が極めて有効な治療法と考えられた。ALLにおいては予防的頭蓋背椎放射線照射群が他の治療群に比して生存率,骨髄再発率,中枢神経系浸潤率においても有効と考えられた。
著者
田所 義晃 西島 正博 林 輝雄 根本 荘一 吉原 一 巽 英樹 島田 信宏 新井 正夫 鶴野 和則 飯島 美典 天野 広子
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.267-274, 1988-06-30

北里大学病院における1982年1月から1985年8月までの胎児超音波計測値を用いて,胎児Biparietal Diameter (BPD),及びFemur Length (FL)の標準発育曲線を作成した。さらに妊娠期間の推定についても検討を行った。計測値は各週数ごとにまとめ,平均値,標準偏差を算出した。これを3点移動平均法で平滑化し,高次回帰曲線で近似した。BPDの平均発育は,y=(-3.45)×10^<-4>x^3+(2.34)×10^<-1>x^2+(-2.31)x+(2.73)×10となり,FLの発育はy=(-2.76)×10^<-2>x^<-2>+(3.70)x+(-3.18)×10(y: 計測値(mm), x: 過数)と示された。また同じ方法を用いて計測値から妊娠期間を推定する回帰式を作成した。BPD, FLからの平均妊娠期間の予測は,それぞれy=(0.17)x10^<-1>x^2+(5.34)×10^<-1>x+(79.7), y=(0.18)×10^<-1>x^2+(1.43)x+(82.8), (y: 妊娠期間(days), x: 計測値(mm))と示された。また±1.5SDで規定される範囲を推定の幅とすると,妊娠中期では±1週,末期では±2週程度の誤差で妊娠期間が推定されることが示された。