著者
新井 民江 蒔本 亜紀 工藤 祐子 木下 伸 伊藤 壮平 外 須美夫
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.349-351, 2002-08-31

高血圧以外には全身的に問題のない69歳の女性に,硬膜外局所麻酔下で婦人科手術が予定された。硬膜外カテーテル留置後,aspiration testは陰性であったが,初回の局所麻酔薬投与後に,急激な頻脈,血圧上昇とともに意識消失発作が出現した。局所麻酔薬中毒を疑い,ベンゾジアゼビンを少量投与し,セボフルランによる全身麻酔へ切り替えた。手術は問題なく終了し,明らかな後遺症なく帰棟した。その後の血中濃度の結果から局所麻酔中毒と診断した。原因と対処を含めて考察した。
著者
福田 宏
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

斉次ポテンシャル-1/r^aおよびレナード=ジョーンズ・ポテンシャル1/r^12-1/r^6で相互作用する等質量3体問題の8の字解のモースインデックスを計算した。モースインデックスとは作用の第二変分を負にする独立な変分関数の個数である。モースインデックスの計算は,変分関数を周期Tの周期関数とした場合,コレオグラフィーに限った場合,8の字コレオグラフィーに限った場合の3通り行った。それぞれのモースインデックスを順にN,Nc,Neとする。斉次ポテンシャル系については,ポテンシャルの指数aに応じて,N=4 (0≦a≦0.9966), 2(0.9966≦a≦1.3424), 0(1.3424≦a),そしてNc=Ne=0 (0≦a)であった。レナード=ジョーンズ・ポテンシャル系については,スケール不変性がないために様々な形と大きさの8の字解が存在するが,標準型8の字解とその大きさを変化させて得られるひょうたん型の解について計算をおこなった。周期Tの大きい標準型の8の字解はa=6の斉次ポテンシャル系の8の字解と同じインデックスをもち,周期を連続的に変化させていくとNは0から12,Ncは0から4,Neは0から1に単調に増加してひょうたん型の解に至ることがわかった。この計算結果は9月に応用数理学会2017年度年会で発表した。その発表でのディスカッションをヒントに,2000年にSimoの発見したコレオグラフィーではないが8の字解に非常に近い周期解,H解とモースインデックスとの関係が明らかになった。また,作用多様体のオイラー標数とモースインデックスの関係を検討し,レナード=ジョーンズ系で周期Tが小さい時では8の字コレオグラフィーの関数空間で定義される作用多様体のオイラー標数が0で保存している事を見出した。
著者
小平 久正
出版者
北里大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

H. pyloriは、菌体側の定着因子と宿主側の受容体との結合性を介して胃粘膜ゲル層および表層粘膜に定着している。その受容体の多くは糖蛋白や糖脂質であることが知られている。本研究の目的は薬物により影響を受けた胃粘液糖鎖構造の変化が、H. pyloriの結合に影響を及ぼすか否かを検討することである。1.胃粘液糖鎖構造をレクチン組織化学およびELISA法を用いて胃粘液ゲル層、表層粘膜、深層粘膜に分類した。H. pylori受容体糖鎖構造の一部として取られるシアル酸は粘液ゲル層において、フコースは粘液ゲル層および胃粘膜表層において観察された(日本薬学会第116年会発表予定、投稿準備中)。2.胃粘膜直接刺激性のあるアスピリンあるいはカプサイシン経口投与で胃粘液分泌性が増加し、表層粘膜におけるシアロムチンの増加と胃粘液ゲル層におけるシアル酸の増加を認めた(アメリカ消化器病学会発表予定)。3.上記薬物処置により得られた胃粘液を精製し、H. pylori分画抗原を固相化したELISAプレート(HM-CAP)に対する結合性を検討した。アスピリン処置により得られた粘液ゲル層ムチンは正常マウスに比べてHM-CAPに対する高い結合性が認められた。以上のことから、H. pylori受容体に関与する糖鎖は胃粘液ゲル層および粘膜表層において認められ、これら糖鎖との結合性にアスピリンが影響する可能性が示唆された。
著者
三浦 寿男
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.247-256, 1994-08-31
著者
井田 齊 林崎 健一
出版者
北里大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1996

ホルマリン中に長期保存されていた魚類標本からDNAの回収と増幅が可能となれば、過去に蓄積された標本を再利用して遺伝学的検討を行うことができ、水産学のいろいろな分野への応用が可能となる。しかし、ホルマリン固定標本では、保存中にDNAが断片化されており、また、組織の溶解も困難であると考えられる。それゆえ本研究では、断片化されたDNAを効率よく回収することを主眼として、DNA抽出手法の改良を行った。また、本手法を用いて回収されたDNAがどの程度利用可能かをPCR増幅可能長を基準として検討を行った。実験には約20年前までのシロザケ稚魚ホルマリン標本(ホルマリン固定後エタノールに置換したものも含む)の体側筋を用いた。組織の融解に関しては、高濃度の尿素をふくむTNESバッファー中でproteinase Kの連続添加が有効的であった。また、フェノール抽出の際には、遠心後の有機層からの逆抽出を行うことにより断片化したDNAを効率よく回収することができた。回収されたDNAのサイズを電気泳動により比較したところ、ホルマリン固定後数カ月を経過した後は、断片化の程度と保存期間の長短との関連は明確でなく、むしろ固定時の条件に左右されたものと考えられた。PCR増幅に関しては、ホルマリン標本はRAPD法には適さないことが明らかとなった。しかし、mtDNAのcytochrome b領域に関しては、約400塩基対まで増幅が可能であった。さらに、増幅産物をsequencingに供することも可能であったことから、魚類のホルマリン標本を用いてのDNA解析は、一般に困難ではあるが、抽出手法を改良することにより、短い領域を対象とすれば可能であることが明らかとなった。
著者
市辺 義章
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.424-430, 1993-12-31
被引用文献数
1

アレルギー性結膜炎の近年増加傾向に,種々の生活環境(生体外環境)汚染物質の関与が指摘されてきた。また,HLA抗原と関係したいわゆるアレルギー体質など宿主側の因子も検討されているが,現在までに報告は極めて少ない。我々はアスコルビン酸の抗ヒスタミン作用やフリーラジカルに対する防御作用に注目し,ハートレイ系雄モルモットを用いて実験的アレルギー性結膜炎に対するアスコルビン酸の効果を検討した。アスコルビン酸の投与は大量群,正常群,欠乏群の3群に分けた。モルモットにスギ花粉に対する受動免疫を与え抗原を投与,結膜炎の強度を血管から漏出したEvans blueを分光光度計で測定,定量化した。その結果,スギ花粉の抗原,抗体を投与せず,3群で色素の漏出度を比較したところ有意差はなかったが,抗原,抗体を投与しアレルギー反応を生じさせた場合はアスコルビン酸の投与量が少ない群ほど色素漏出度(アレルギー反応)が強かった。アスコルビン酸の有する抗ヒスタミン作用の低下が主な原因と思われた。またアレルギー性結膜炎の増悪因子である有機燐剤へのアスコルビン酸の防御的効果も検討したが,本実験では明らかな効果は認めなかった。アレルギー性結膜炎の増悪に生体外環境因子のみならずアスコルビン酸の低下など宿主側の正常な生体内環境を乱す因子も重要だと考えた。また臨床上,重度のアレルギー性結膜炎の患者の治療や診断に血中アスコルビン酸レベルにも注目すべきと思われる。
著者
小林 奈美
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

認知症高齢者用繰り返し転倒予測尺度(FRAT-D)を用いた、効果的な予防対策を検討した結果、転倒予防運動、転倒予防電子センサー類の使用、転倒アセスメントツールの使用、布団の使用、安全用具の着用が有効であることが示唆された。この尺度は認知症高齢者にのみ有効であり、適用は認知症の診断を受けた高齢者に限るべきである。
著者
斉藤 幸一 仁志田 博司 真崎 義彦 八代 公夫
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.523-529, 1992-10-31
被引用文献数
1

皮膚血流循環の体温調節や diving reflex を介する生体防護機構等に関する生理的な重要性については古くから検討されており,その臨床的意義についても良く認識されている。新生児において状態悪化の最初は,なんとなく色が悪いという漠然とした所見であり,その客観的な評価法は皮膚血流循環の測定であることが知られている。しかし,その測定法は操作性,連続性,安全性の面において未だ臨床に使用されうるにいたっていない。今回,我々は経皮的酸素分圧装置の一部である電極が皮膚をある一定温度に加温し続けるために必要な電力 (heating power) が皮膚末梢循環を反映することが可能か否かについて人前腕および雑犬を使用し検討を加えた。
著者
石井 圭太 田辺 聡 三橋 利温 西元寺 克禮
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.376-380, 1994-10-31
被引用文献数
1

より多くの施設で使用可能な調理不要RI標識固形試験食の作成を目的として,インスタント焼きそばを用いて胃排出能検査を検討した。飲水と一緒に試験食を摂取させた場合は,胃排出曲線は液食パターンである指数関数曲線を示したが,飲水無しではlag phase後直線的に排出される固形食パターンを呈した。糖尿病性胃排出障害症例11例と健常人7例を対象に飲水無し法で胃排出能を比較検討したところ,全計測時期で有意に糖尿病群で胃排出遅延を認めた。以上から本試験食は飲水無しで施行することにより,RI標識固形試験食として臨床応用が可能であることが示唆された。
著者
的場 愛子 川村 道子 原田 芳照 鹿取 信 田中 邦男
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.169-179, 1992-02-29

アラキドン酸(AA)及びコラーゲン(Col)により血小板はTXA_2生成を介して凝集・放出反応を起こす。インドメタシンは高濃度のAA又はColによるウサギ血小板凝集を抑制するが,TXA合成酵素阻害薬OKY-046はこれを抑制しなかった。しかし,OKY-046により凝集は抑制されなくてもTXB_2生成は抑制された。大動脈片を添加すると,6-keto-PGF_<1α>の生成が増加した。OKT-046にTXA_2/PGエンドペルオキシド受容体括抗薬ONO-3708を添加すると,凝集はほぼ完全に抑制された。OKY存在下でコラーゲンによる凝集濾液を第二セットのPRPに加えると凝集はやや減じたが,これに大動脈片を加えると著明な抑制が認められた。以上より,TXA合成酵素阻害薬によりTXA_2生成が抑制され,PGエンドペルオキシドが蓄積して血小板凝集をおこすと結論された。
著者
山森 邦夫
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

岩手県越喜来湾には夏〜秋に毒性の高いフグ科魚類稚魚が出現する。そこでフグの毒化原因は天然餌生物中にあると仮定し、無毒の養殖クサフグ稚魚を籠に収容して同湾の海中に吊るし、籠目から入る天然餌生物を同稚魚に摂食させて飼育し、毒化が起こるかどうかを調べた。実験は同湾内の鬼沢漁港と袖の沢沖の2ヶ所で、2001年〜2003年に実施した。体重0.1〜1.6gの稚魚数十尾をプラスチック製魚籠(80×56×37cm)に収容して上記2ヶ所の水面下1mに吊るし、7月頃〜11月頃まで2週間〜1ヶ月間の飼育実験を繰り返した。回収後の供試魚の毒性はマウス試験で調べた。袖の沢沖では3年間、計14回の飼育実験で1回も毒化しなかった。一方、鬼沢漁港では計14回中、年により異なるが8月11日から10月3日までの期間内の5回の飼育実験で毒化した。毒化個体の毒性は、4.0〜76.5MU/gであった。以上から養殖クサフグ稚魚は特定の時期に特定の場所で海中籠飼育することにより毒化することが分かった。上述の海中籠飼育実験で無毒の養殖クサフグ稚魚を毒化させる原因となった餌生物を特定する目的で次ぎの実験を行なった。鬼沢漁港の陸上に養殖クサフグ稚魚飼育水槽2個を設置した。水中ポンプを使用して汲み上げた海水(流量120l/m)を0.335mmおよび0.1mmの2段階のプランクトンネットで濾し、大型および小型のプランクトン部分に分けて濃縮し、それぞれを稚魚飼育水槽に流した。2003年7月から11月まで両水槽に各数十尾の養殖クサフグ稚魚を収容して2週間-1ヶ月間飼育し、飼育終了後の稚魚の毒性を調べた。両水槽中のプランクトンの一部は毎日採集・保存した。大型プランクトン水槽では10月1日-10月15日飼育の9検体中2検体が毒化した。小型プランクトン水槽では8月12日から10月15日までの期間内の4回の飼育実験で25検体中13検体が毒化した。毒性は4.3〜7.3MU/gであった。以上はプランクトン摂食による養殖フグの毒化を示唆する。毒化原因プランクトン種の絞り込みは進行中である。
著者
伊藤 俊洋 宇田 郁子 伊藤 佑子
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

近年、日本では、若者の科学嫌いが進行しており、この傾向は大学生にも及んでいる。われわれは、大学一年生の化学教育コースに、興味深く楽しい内容が盛り込まれた教材を提供することを目指し、演示実験を取り入れることを試みた。本研究では、講義担当者が基礎的な自然科学の講義をするときに、学生に興味をもたせ、科学の本質に迫ろうとする意欲を引き出す道具として有効な演示実験キットを作成した。25の実験項目のほとんどは、ノーベル賞と直接または間接的に関係をもっているが、ノーベル賞創設以前の業績の中で、すべての自然現象の根幹と関わる業績の一部も対象とした。演示実験に必要な器具と試薬をコンテナにまとめて実験キットを作成し、テキストとDVDを付けることにより、初めての人にも取り入れ易い教材とした。テキストの各実験項目は、ノーベル賞との関連、実験の概要、材料と方法(器具・試薬、準備、演示)、注意事項、チェックリスト(観察ポイント、原理または解説、日常生活との関係、歴史、参考文献)にわけて記述した。以下に実験項目を示す。1.セルロースとニトロセルロースの燃焼の比較2.都市ガスシャボン玉の燃焼3.都市ガスの爆発4.トリチェリの真空:大気圧の測定5.水の沸騰6.卵の吸引7.ペットボトルの圧縮8.復氷の現象9.表面張力の観察10.s-p軌道による水分子の三次元模型11.金箔からの吸収光の漏光12.中間子による陽子と中性子の相互変換13.加速器の原理14.フラーレン15.ナイロンと電気伝導性ポリマーの違い16.無機陽イオンの系統分析17.鉄粉の発火18.化学平衡の移動19.有機染料による染色20.カラムクロマトグラフィーによる色素の分離21.脂質二重膜モデルの検証22膜を通過するリポタンパク質:保護コロイドの観察23.DNA二重らせんモデルの作成24.チマーゼによる発酵の観察25.酵素の結晶化
著者
原田 竜三
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、救命救急センターに搬送され、治療の甲斐無く、亡くなられた患者の家族への看護について、看護師がどのような援助をしていく必要があるのかを探求する目的で行った。国内、国外の文献を幅広くレビューし、どのような実態があるのかを調査した。その結果、欧米における研究では、突然死患者の家族に対する死別後の遺族に対するケアや研究がされ、救命救急センターでの看護援助が遺族の悲嘆に影響を及ぼすことが明らかにされていた。家族が救命救急センターに入室した時点から家族との関わりを持ち、蘇生場面に立ち会い、死亡確認がされ、救命救急センターから退室するまでの一連の流れの中での具体は的な方法が示されていた。患者に行われている治療の情報を提供する。蘇生に立ち会わせる。家族に寄り添い、家族の抱く感情を受け止め、悲嘆の感情を表出させる。また、患者の身体をきれいにし、清潔なリネンで覆い患者の身体に触れてもらうことも悲嘆の援助となっている。さらには、死別後のケアや地域のサポートグループの紹介などが含まれていた。突然死の死別後の遺裂ケアの必要性を探求するため、突然死別後の遺族の悲嘆について、死別後から1年を経過した2名の遺族から身体の不調はなく、故人のいない生活に慣れてきていることが語られた。また、四十九日までの間は、身体的な不調があったこと、故人のいない生活に混乱をきたしたことも語られた。周囲からのサポートが悲嘆プロセスを促進していることが考えられ、研究対者が少ないことから、さらに救命救急センターにおいて研究依頼を試みたが、倫理的な問題から協力が得られなかった。我が国の救命救急センターにおいては、近年、精神科医の協力を得て、死別後の家族のケアが行われ始めているとの報告が見られている。救命救急センターにおいて、家族は突然の状況により医師の説明を十分に理解することができないことから、行われた治療に対する説明を聞く機会を作る必要があると考える。また、救命救急センターにおける看護師が、突然死を体験する家族における援助において、時間的な制約や信頼関係の確立などから難しいという認識を持っているとの報告がある。そのことから、今後、救命救急センターの看護師が家族に関わるための知識やスキルをどのように獲得していけばよいのかについて検討していく必要がある。
著者
袴田 優子
出版者
北里大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011-08-24

本年度は,研究費採択が決定した秋期~年末にかけて,本研究実施にあたり必要不可欠な研究環境のセットアップを済ませ,年明け~研究をスタートさせた.具体的に行った内容は下記の通りである.現在までに,12名の参加者から基礎データを得ており,うち4名が年度末~介入プログラムの実施を開始している.1)本研究課題について北里大学C倫理審査委員会に倫理審査申請を行い,2011年11月16日付で承認を受けた(C倫11-690).2)北里大学病院本院放射線科・教授とミーティングを重ね,核磁気共鳴画像(MRI)装置を機能画像(fMRI)実験について連携体制を整えた.また本学の診療放射線技師2名に撮像時のデータ収集協力を得た.3)大学本院MRI検査室に,fMRI実験課題中の脳活動を測定するために必用な反応記録装置(レスポンスパッド),そのケーブルを通過させる為の導波管の設置工事を行った(2011年12月).4)fMRI中に提示を行う実験課題を作成した(E-primeという心理学実験ソフトウェアを用いてDot Probe TaskおよびDual Task Designのプログラミングを行った).5)内分泌反応に詳しい独立労働安全研究所・研究員とミーティングを重ね,唾液コルチゾル検体キットの提供,および取得検体の解析について委託を依頼し,連携体制を整えた.6)その他,測定に必要な質問紙や認知機能検査を手配した.7)年明けより各学部の掲示板にチラシを掲示し,研究参加者募集を開始した.
著者
大宮 東生 古田 一徳 泉家 久直 高橋 毅 吉田 宗紀 柿田 章
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

[目的・対象・方法]肝・胆道癌の根治性を高めるために肝膵同時切除の必要性が唱えられ、臨床例も報告されているが、特に術後早期の病態に対する研究は少ない。今回我々は、種雑成犬を用い、70%肝切除に種々の割合で膵切除を加える実験を行い、肝膵同時大量切除時の手術侵襲の評価と肝再生における肝膵相関を知る事を目的として術後早期からの種々の検討を行った。[結果](1)70%肝切除のみ(I群)では生存率は100%であったが、66.7%膵切除を加える(II群)と66.7%、約80%膵切除を加える(III群)と75%と生存率が低下した。死亡原因としては肝不全が重要で、肝膵同時切除後に肝不全への移行を知るデータとしては、術後早期の血小板減少や、プロトロンビン時間・ヘパプラスチンテスト値の延長と回復遷延が参考となると思われた。また術後早期の血清インスリン値の低下・回復遅延や、血清グルカゴン値の増加・回復遅延及び血糖値の異常上昇も肝不全移行を示唆すると思われる。(2)生存例の肝再生率は、I群:82.3%、II群:96.3%、III群:65.2%であった。再生肝の肝機能を見てみると3群間に有意な差は認められず、また4週経過後の膵内分泌能も3群間に差は認められなかった。膵内分泌機能に関しては4週以上の経過観察が必要と思われる。[考察]今後、さらに下記の点を早急に検討し、肝膵同時大量切除時の病態生理を明らかにし、臨床応用できるよう研鑚努力する予定である。(1)手術侵襲をより正確に把握するために、侵襲度の指標化を行いたい。(例えばTNFや、osmolality gapなど)(2)切除肝、切除膵及び再生肝・再生膵の形態学的検討と、膵ホルモンを含む肝再生因子の分析から、肝膵同時切除が肝再生・膵再生にたいして及ぼす影響と、術後早期に手術侵襲として及ぼす影響を検討する。
著者
香取 洋子
出版者
北里大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

調査予定施設の産科閉鎖のため、施設・実施方法を修正・変更し、前年度生理学的に検討を行ったインファントマッサージを、早産・低出生体重児を出産した育児不安の高いハイリスク母子に対して実施し検討を行った。母親は里帰り出産で実家に帰省し、早産で児を出産した。初回介入時、修正月齢1ヶ月であったが、児があまり眠らないこと、他の子どもと比べて小さいこと、出生時に医師から児の脳への影響の可能性について話がされたこと等、児の成長発達に強い不安を抱いていた。また、出産後外出することがなく、-日中パジャマで過ごしていた。児の発達・発育は修正月例相当であったが、母親は児が長く寝ないことに対し非常に神経質になっていた。全5回の介入のなかで、この時期の子どもの睡眠-覚醒リズムについて伝え、マッサージを通じて子どもの反応に気づくことを中心に介入を進めていった。2回目には、実母からは肉親以外に不安に思っていることを話せたことで、ノイローゼ気味だった娘(母親)が非常に落ち着いたとの感想があった。マッサージ中の母親の様子は、児が泣きに過剰に反応し、なだめも単調な介入方法で効果的ではなかったが、次第に落ち着いて対処できるようになった。また、マッサージを通して母親が児のコミュニケーション能力を確認することができた。子どもなりのペースで成長も認められるようになり、6ヵ月後、母親は一人で育児をする決心をし、自宅へ戻った。以上のことから、早産・低出生体重児をもち、育児不安の高いハイリスク母子に対して、マッサージの指導を介した、子どもとのスキンシップを促す機会とスキルを提供することおよび、継続的な個別訪問による母親への精神的支援が有効である可能性が示唆された。
著者
守 真太郎
出版者
北里大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

競馬、天気予報、クレジットリスクに関する予想について、スケール不変性の観点から研究を行った。競馬市場では、単勝馬券の馬の得票率と勝率がほぼ一致することが知られていたが、得票率が1%以下のときは一致せず、得票率0%からカウントした勝馬の数と負け馬の数の間にべき乗則が成立することを見出した。この発見を基礎に、多数の人が集団で予想を形成する過程をモデル化し、集団実験で検証を行った。最大の成果は、ヒトが他人の情報をコピーするという先天的な性質が、集団というマクロレベルの相転移を引き起こすことである。