著者
佐々木 陽子 村岡 敬明
出版者
南山大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

「歴史の和解」は往々にして国家主体の課題とされ、個々人の内面における記憶の継承や、対話、内的ダイアローグの生起や影響が軽視される傾向にあった。本研究は国家の枠組みでとらえられがちな歴史和解を、「人の和解」という点から問い直すものである。「他者」の声が立ち現れ、感情や記憶に訴えかける多声(ポリフォニー)が形成され、対話(ダイアローグ)が生まれる場として複数の「芸術」の現場をフィールドと定め、そこでの多声と公共圏形成の過程を分析する。インタビュー調査やPAC分析法など複数の調査手法を用い、芸術の現場で起こる対話と和解を探り、それによって「国家の和解」に対峙する「人の和解」のダイナミズムを模索する。
著者
杉原 桂太 嶋田 創
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

情報検索のための PageRank はネットワークのリンク解析によるノードへのスコア付与アル ゴリズムとして広く普及している。PageRank には高計算コスト等の問題があり、改良策が盛 んに研究されて来た。従来の改良は当初の PageR;ankと同じくネットワークの隣接行列を用い る。しかし、PageRank の問題は同行列では根本的には解決されない懸念がある。本研究は、 エルミート隣接行列に依るスコア付与のアルゴリズムを開発し、PageRank を凌駕 し発展性を持つ手法を構築する。
著者
蔡 毅
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

日本の明治期と中国の清代末期の日中漢詩交流に関しては、もう一つの大きな課題が未解決のまま残っている。それは明治の「文明開化新詩」が清末の「詩界革命」に与えた影響である。「詩界革命」とは、西洋文明がもたらした新しい事相や言葉を伝統的な漢詩ジャンルに取り入れようとする清末の文学運動で、中国では画期的な文学革新であるため、重要な研究テーマとされてきた。ところが、その起源について、今までの研究はほとんど中国国内における西洋文明の影響のみに着目しており、中国より先に西洋文明の新しい機運を積極的に漢詩に取り入れた明治期の「文明開化新詩」との関係についての展望は皆無と言える。筆者の調査によれば、明治の「文明開化新詩」が清末の「詩界革命」に直接的または間接的に与えた影響に関しては、未だ多くの資料が埋もれており、それを用いて、さらに事実を解明し得る可能性を秘めているのみならず、明治期における日中文化交流の歴史を大いに書き直すことも見込まれる。また、明治期漢文学の研究視野は今まで日本国内に限られるが、その外延が彼方の中国まで伸びるという事実を確認することによって、明治期漢文学自身の再評価に繋がることも考えられる。
著者
T. V. Subba Rao
出版者
南山大学
雑誌
Asian folklore studies
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, 1980
著者
安藤 史江
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、組織学習論の観点からみて望ましいと考えられるチーム・マネジメントを分析・考察した。具体的には組織アンラーニングやダイバーシティ、組織アイデンティティなどの他の概念とリンクさせて、効果的なチーム・マネジメントに必要と考えられる条件やメカニズムを探るとともに、それを実証するために、協力いただいた1社に対して、デプス・インタビューを行った。その結果、成果をあげているところは、チームのもつ多様性を活かすというよりは、統制しすぎることなく、共有する価値を基盤として柔軟に対応している様子が確認された。また、それにより組織内外の統合性を実現している可能性もうかびあがってきた。
著者
安藤 史江
出版者
南山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、さまざまな企業の組織学習のタイプや水準を明らかにするとともに、その成立を可能にしている要因を探った。その結果、雇用形態や職務の違いよりも、そうした違いを乗り越えて、組織メンバーに一種の自己効力感や当事者意識を持つことを許されたと感じさせるような仕組みづくりに成功するときに、各組織が期待するような組織学習が成立すること、その状態が広いほど高次な組織学習が可能になる傾向が見いだせた。
著者
安藤 史江
出版者
南山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

完成年度である本年度は、昨年度までに得られたデータを分析し、組織学習活動や当該組織における従業員各々のキャリア開発に対してモチベーションを高める環境要因、組織要因、個人要因を掘り下げる作業を行った。とくに、上司との関係、組織内地図の有無、企業の従業員育成制度のあり方、自己に対する自信などが、注目されるべき要素として浮かび上がってきた。その結果の一部は、本年度(2006年度)の夏(8月)に開催された三菱国際カンファレンスにおいて、英語で報告をし、参加者の方々から、貴重なご意見をいただくことができた。また、そのご意見をもとに考察を重ね、2006年10月には、東京大学大学院経済学研究科におけるワークショップ、2007年1月には、専修大学を会場としたシステムダイナミクス学会日本支部研究会で発表を行った。また、著作物としては、本研究内容に基づいた明治安田生活研究所への寄稿、南山大学経営学部の紀要への投稿なども行った。このような機会を得て、また、分析手法などについてその分野の専門家に教えを乞う機会も得ることができたことにより、さまざまなご意見・ご助言を得ることができた。しかしながら、まだ分析結果に納得がいかない点も残っているため、今現在でも改善作業中である。来年度の前半の完成を目指しているが、そのためには、来年度の初期にでも追加的なインタビューを行う必要性を、現在のところ改めて強く認識している。一方で、昨年度得られたデータは、比較的年齢の高いもの(若い人々も含まれているが、主対象は、40代の従業員)であったため、別の企業群が対象ではあるが、20代の従業員に対して追加的な調査も実施した。その結果、やはり上司との関係や組織内地図、育成の仕組みが、彼らの学習活動や行動、モチベーションなどの心理面などに大きな影響を及ぼしている可能性が確認された。この成果については、調査協力および事務局となっていただいた社団法人のもとで報告書を作成するとともに、やはり2007年1月に報告会を実施している。ただし、昨年度来のデータを論文にする作業を優先しており、今年度得られたこのデータについては、まだ論文執筆作業に着手していない。こちらもあわせて、来年度の課題としたい。
著者
安藤 史江
出版者
南山大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

本年度は、人事異動の主目的の1つである人材育成に焦点をあて、その人材育成のあり方が組織学習やその必要条件の1つである組織内地図とどのような関係をもちうるのかということを研究した。その結果、新たな雇用関係に移行する中、人材育成のあり方にも大きな変容、異なる役割が期待されていることがまず明らかになったが、それと同時に、組織学習の質を保ったり、活発な学習活動を実現するためには、先行研究が今後必要であるとする新たな雇用関係に関わるいくつかの施策を単純に、あるいは組織一律で導入することはあまり適切ではないとの考察が得られた。組織学習の活発化だけでなく、有能な人材の流出問題の改善にも貢献する組織内地図がどれだけ発達しているかによって、新たな雇用関係に関わる施策が良い方向に機能する場合もあれば、逆効果になる場合もあることが明らかになったのである。現在、この考察・分析結果については投稿中である。