著者
後藤 明 角南 聡一郎 大西 秀之 石村 智 吉田 二美 門田 修 今野 利秋
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究においては、日本国内の琉球列島の太陽信仰、西日本の降星伝説を中心に調査を行った。海外ではオセアニアおよび中米の資料を遺跡の踏査によって行うことによって、人類集団が従来もっていた天体に関する知識を改めて「ネオ・サイエンス」として捉え直す試みを行った。また本科研の成果は移動式プラネタリウムを使ったイベント「星空人類学」にて、ポリネシアや中南米先住民の星座にまつわる生活の知恵や神話などをプラネタリムの中で投影し市民に紹介した。このようにして本科研は学術的な資料の収集、国内外での学術成果の発表、さらに一般市民への還元という形で、新しい民俗科学のあり方を実践した。
著者
青山 幹雄
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

クラウドコンピューティングを統合する開発技術に関する次の成果を得た.1)Linked Dataを用いたクラウドデータ連携アーキテクチャの提案とプロトタイプによる実証評価.2)構成定義言語TOSCAを用いたクラウド連携の設計方法論の提案とプロトタイプによる実証評価.これらの成果はクラウドコンピューティングに関する国際会議等で論文として発表している.さらに,Linked Dataを用いて複数組織間でデータを連携するためのインタフェース仕様を開発し,実証実験で有効性を示した.これは,国際標準化団体OASIS内にTCを設置し,本研究代表者が議長として国際標準化を進めている.
著者
村杉 恵子
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

幼児はどのように動詞と時制等の一致の表現を獲得するのか。ドイツ語、オランダ語、フランス語などを母語とする幼児が主節不定詞現象を示すことはよく知られている。本プロジェクトでは、縦断的研究とコーパス分析に基づき、日本語を獲得する幼児においても、2歳前に、主節不定詞現象に見られる時制・補文標識に関する特徴を欠いた段階が存在することを提案する。さらに本研究では、主節不定詞現象は言語を超えて共通するが、主節内の動詞の形態は、世界を三分化することを提案する。不定詞、語幹の裸動詞、そして、代理の活用形がデフォルトとしてつけられる場合の三種類の幼児の動詞が、大人の形態的特徴を反映してあれわれることを示す。
著者
蔡 毅
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は日中文化交流の「逆輸入」という特別な視点から、従来ほとんど顧みられることがなかった日本漢文の中国本土へのフィードバックの状況を全面的に検討した。唐代から清末までの中国の典籍に著録されている多くの日本漢文作品を確認し、その時代背景と作者の経歴、作品成立の経緯および中国での反響等を考察することによって、日本文化の世界に向けての発信の歴史ないし東アジア漢字文化圏における文学往還の事象を、新たな角度から照らし出すことができ、日中文化交流史研究の新しい一ページが開かれたと言えよう。