著者
長田 謙一 木村 理恵子 椎原 伸博 佐藤 道信 山本 和弘 楠見 清 山崎 明子 加藤 薫 木田 拓也 熊倉 純子 藤川 哲 鴻野 わか菜 後小路 雅弘 水越 伸 山口 祥平 毛利 嘉孝 森 司 暮沢 剛巳 神野 真吾 竹中 悠美
出版者
名古屋芸術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、個別研究およびその総合を通して、以下の知見を獲得するに至った。近代社会において「自律性」を有する独自システムを形成したと理解されてきた芸術は、1980年代以降、アジア諸国、ロシア・旧東欧圏、そしてアフリカまでをも包含して成立する「グローバル・アートワールド」を成立させ、それは非西洋圏に進む「ビエンナーレ現象」に象徴される。今や芸術は、グローバル経済進捗に導かれグローバル/ローカルな政治に支えられて、経済・政治との相互分立的境界を溶解させ、諸領域相互溶融的な性格を強めている。しかし、それゆえにまた、現代の芸術は、それ自体が政治的・経済的等々の社会性格を顕在化させることともなる。
著者
安藤 淑江
出版者
名古屋芸術大学
雑誌
名古屋芸術大学研究紀要 (ISSN:03884511)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.418-410, 2012
著者
水内 智英 宮田 雅子
出版者
名古屋芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

平成30年度は、アクターネットワークセオリーをベースにしたデザイン方法論とその応用のための基礎理論を整理し、同時に実践メッソドの検討を行う期間と定めており、具体的には次のような活動を行った。1.アクターネットワークセオリーへの基礎的理解を得た上で、デザイン理論への展開方法を検討するため、関連文献を選定しそれらを基に研究会を重ね、議論を深めた。加えて、行動心理学や社会学などの関連分野の専門家に対する対談形式でのインタビュー調査を行い、デザイン方法論としての展開可能性について多視点から検討を加えた。2.実践メソッドの検討として必要となる、対象地域と対象課題の設定を行うため、候補として挙げられた地域に赴きフィールドワークを行い、必要に応じて、地方自治体関係者らとの打ち合わせを行なった。それらを通じて、次年度にメソッドの実践・検証を行う地域の選定と研究協力体制について確認することができた。3.国内外でサービスデザインや、多様なアクターを考慮に入れたデザインワークショップを実施し、その成果を研究会に持ち寄り報告・検証することで、実践メソッドの検討を進めた。加えてデザイン論、メディア論、サービスデザイン等を扱う研究会に参加し、本研究に関係する理論と実践の現状を把握した。研究推進に必要な関連基礎理論の理解、基礎的調査・準備は不可欠である。今年度に行なった一連の活動により、本研究の目的であるアクターネットワークセオリーを導入したデザインメソッドの開発とそれを支え得る基礎理論の構築に向けた準備を進めることができた。
著者
岸野 俊彦 西田 真樹 鈴木 重喜 松田 憲治
出版者
名古屋芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究は、尾張藩研究の現状が、個別「分野史」に偏り、また「自治体史」により総合化の視点が分断された状況を克服し、個別分野史を総合的に捉えること、現代の自治体によって分断され見えにくくなっている尾張藩という個別藩を近世社会の実際の結び付きの中で、出来る限り総合的に復元するという最も原初的方法によって明らかにすることに力点を置いた。本研究上の意義は、方法論的にはこうした素朴な方法こそが、現在の個別藩研究の上では「新しい」方法であると提起するところにあり、「総合化」をキーワードに研究を統合するところにある。同時に大学等研究機関に所属せず、地域に密着して研究に従事する研究者を組織し、これまで蓄積された個々の知見を「総合化」のキーワードの下に研究内在的にも「総合化」し、新たな研究上の成果の構築に寄与する組織を恒常的に編成することである。上記二つの研究上の意義は支配構造に限らない尾張藩の地域社会や文化構造も視野に入れた新しいスタイルの個別藩研究の成果として『尾張藩社会の総合研究』(2001年3月20日刊、清文堂出版、総頁数600頁)として完結した。