著者
服藤 早苗
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.4, pp.190-177, 2004-12

平安時代の中頃から、正月の初旬に三日間、幼児の頭に餅を戴かせる年中行事的生育儀礼がはじまる。二歳から女子は五歳まで、男子は嫡子七歳、庶子三歳まで行われる。まずは親王内親王や摂関家の子ども達からはじまり、十二世紀には貴族層まで浸透していく戴餅の儀式を検討する。
著者
若宮 由美
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.11, pp.157-169, 2011-12

In 1894 the ballet "Rund um Wien" was composed by Josef Bayer in order to celebrate the 50th anniversary of the musician life of Johann Strauss junior, and performed in the Viennese Court Opera. The 3rd scene of this ballet consists of the motifs of Strauss. On October 13 of the premiere the applause to Johann Strauss did not die down after the end of the 3rd scene. The music of the 3rd scene is contained in melodies of Johann Strauss's "Sinngedichte" op.1 and the other early works. These quotations praised the starting point of Johann Strauss. Also after that, this work continued being performed at the Viennese Court Opera over ten years. The ballet may have been revised after the premiere.
著者
上野 昌之 Masayuki UENO
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Humanities (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.231-243, 2012-12-01

消滅の危機に瀕する言語といわれるアイヌ語は、近年アイヌ復興の動きの中でニーズも増えてはおり、学習者も増加はしている。しかし、アイヌ語の復興再生を想定した時、残念ながら現状では目に見えた成果が上がっているとは言い難い。 そこで本論では、アイヌ民族の人々にとってアイヌ語とはどのような意味をもつ言語であるのかという視点から、彼らのアイヌ語への意識を探るとともに、近年の北海道の動向を踏まえて、アイヌ語学習の可能性を求めていくことにする。そこではアイヌ語を民族言語としてのみ考えるのではなく、日本の文化的財産としてとらえる多文化教育的な視点も考慮していく。そして、アイヌ語を日本における先住民族の言語としてとらえたとき、どのように位置づけ発展させていったらよいのか、近年採択された先住民族の権利に関する国際連合宣言を踏まえて、先住民族の言語権という視点からも考察していきたい。
著者
上野 昌之
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.211-224, 2011-12

アイヌ語は、アイヌ民族の独自言語である。かつて樺太、千島、北海道の三方言があったと言われるが、現在母語話者が残っているのは北海道方言のみとなっており、その母語話者も人数としては極めて少ない。こうした状況は言語学的には危機言語、つまり消滅の危機に瀕した言語として考えられている。アイヌ語の母語話者が減少した背景には、歴史的な要因が大きく関わっている。幕末から明治期の対アイヌ政策がもとらした帰結といえる。アイヌ語の衰退は、アイヌ民族の日本語への転換、日本化が進行してたことを意味する。言語を媒体とした相互の意志・思想・感情の世代間の継承行動の喪失が生じ、民族共同体に統一性が失われ、これまでの日常性が崩壊し、伝統的共同体の解体へと至ることになる。民族的アイデンティティが揺らぎ民族の存在が危ぶまれる状況になっていった。しかし、今日アイヌ民族は民族の権利回復をめざす活動を行っている。その中でアイヌ語の復興活動の持つ意味は大きいものになっている。本稿では、アイヌ語の衰退を歴史的な事実からたどり、アイヌ民族への教化により彼らの習慣、生活様式が変質を強いられていく過程を概観し、その際学校教育がアイヌ語の衰退に大きく関与していたことを明らかにする。次にアイヌ語のように危機言語と位置づけられる言語が衰退に導かれるプロセスを追い、その意味を考察する。そして、民族集団の持つ言語の権利を踏まえ、言語保護のための国際的潮流を参照する。そして最後に、アイヌ語の復興活動の一つとして地域的に繰り広げられているアイヌ語教室について、平取二風谷アイヌ語を例にその活動を概観し、行われている活動の中からアイヌ語復興にとって必要な事柄、復興の意義を考えることにする。
著者
文 智彦
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 経営学部篇 (ISSN:13470523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.201-208, 2012-12

本研究では、戦略的意思決定プロセスのあり方についての諸見解を、コンティンジェンシー・アプローチ、戦略的選択アプローチ、社会的相互作用アプローチ、実践的アプローチなどに分類して考察することにより、意思決定者が主体的に戦略的意思決定プロセスを構築するという見解を展開している。それらを通して、戦略的意思決定プロセスの構成について概念化し、意思決定主体がこのようなプロセスを構築・設計するためのインプリケーションを提示している。1)
著者
河野 基樹
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.6, pp.214-199, 2006-12

北海道の文学は、大地への畏怖が表現されたネイティブの口承文学に提唱され、下っては、日本古典の<歌枕>としてその名が親炙されるなど、既に長い歴史を刻んでいるが、近代に至っても、『北海道文学全集』に集大成された数々の作品に見るように、その豊穣は明らかである。 この北海道の地にあって、近代の黎明期から早くも通商外交上の役割を担い、外国に向けて穿たれた数少ない文化の窓ともなったのが、道南の港町・函館の存在である。国際港としての開明的な性格から、進取の気風溢れる文学揺籃の地であったが、他方では、戊辰戦争終結の土地柄から、ここを舞台とするさまざまな歴史文学が生み出されている。 幕末・維新史はこれまで、官許の<正史>がその史観を規定してきた。したがって、それ以外の近代日本史学の企ては、在野の歴史家はもとより、文学者によっても構想・実践されてきた。箱館共和国政府についての政体理解、共和国政府総裁・榎本武揚についての人物評価、五稜郭攻防の帰趨をめぐり、これまで書かれてきたたくさんの小説や戯曲は、文学的フィクションを一旦通過した日本近代史再解釈の試みといえよう。 当該論では、子母澤寛「行きゆきて峠あり」、久保栄「五稜郭血書」、安部公房「榎本武揚」を事例に、作者各々の歴史観、作品それぞれの歴史解釈をその相違、さらには、相違の理由を明らかにする。
著者
奥山 忠信 Tadanobu OKUYAMA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 経営学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Management (ISSN:13470523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-13, 2012-12-01

マネタリズムの基幹理論である貨幣数量説の問題点をフィッシャーの交換方程式を中心に批判的に検討した。主要な論点は、貨幣の流通速度の定義、交換方程式における貨幣量の定義、フィッシャーの交換方程式とケンブリッジ方程式との相違、貨幣数量説における貨幣と物価との因果関係、必要流通手段量説、貨幣と有効需要、などである。