著者
小川 真理子
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、東日本大震災被災地におけるDV被害者支援の現状について、民間シェルター、4つの自治体及び関係諸機関のデータを通して考察した。同被災地では、大震災以降、DV被害が増加し被害の質に変化がみられた。経済的暴力等女性への暴力が複雑化、深刻化している。民間シェルターは、同大震災直後から女性への支援を行ない、被災地都心部だけでなく地方部へも足繁く通い、相談、保護、支援を率先して行なってきたが、これらの取り組みは被災地において孤立化するDV被害者が支援にアクセスできる契機となる。民間と行政が連携をはかり、専門性を身につけた支援者や行政担当者を育成していく等早急な支援体制の構築が求められている。

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著者
松村 恒
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻比較文化 : 大妻女子大学比較文化学部紀要 (ISSN:13454307)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.61-84, 2007

平成17年度に大妻学院から許可されたスタディリーヴの後半(10月〜翌3月)はアフメーダバードのL.D.研究所に籍を置いて、もっぱらジャイナ教文献の解読に終始した。ジャイナ教文献の入手が必ずしも容易でないこともさることながら、こうした文献の読解はあわただしい日常の合間をぬってすることが困難であり、静かな環境のもとでないとなかなか遂行できない。こうした機会を与えて下さった大妻学院と不在による不都合を克服された同大比較文化学部、並びにL.D.研究所所長のジテーンドラ・B・シャー博士を初めとする同研究所のインド古典に通暁した諸先生、及び万事にわたり御高配を忝なくしたグジャラート大学のディナナート・シャルマ博士には限りない感謝を捧げたい。以下の小文中には、滞印中の作業の成果の一部が含まれており、これをもって報告の一環としたい。
著者
伊藤 朋恭
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学紀要. 社会情報系, 社会情報学研究 (ISSN:13417843)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.149-159, 2007

化石燃料から排出される二酸化炭素が地球温暖化を引き起こしていることはすでに通説として定着している。確かに大局的に見れば温暖化に向かっており、少なくてもその一因が人為的二酸化炭素の排出にあることは確かであろうし、将来に備える予防的見地から対策を考えることは合理的である。しかし一方では人為的温暖化という通説を疑問視する見方も多く存在しており、その中には合理的な意見も少なくない。本稿ではこれらの懐疑的意見を5つに大別して整理することを試みた。懐疑論の中で最も中心的な意見は、温暖化に寄与している大きな要因は人為的なものではなく、太陽活動の変動などの自然現象にあるとするものである。残念なことに、これらの懐疑論の存在は世間からは事実上無視されている。なぜ無視される状態が生じているのか。その原因として二つ挙げることができる。一つは、温暖化がすでに科学の世界を離れて政治的課題になってしまっており、科学的な正当性を議論するよりは政治的判断が優先していることである。もう一つは、何事に関しても「悪いニュース」に偏りがちなマスメディアの報道姿勢である。人間活動がすべての原因であることを大前提として、「大変だ」という環境情報を一方的に報道する傾向にあり、結果的に一般大衆がそれ以外の要因の寄与について考える機会を奪っている。
著者
藤吉 洋一郎
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学紀要. 文系 (ISSN:03020304)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.310-291, 2005-03
著者
池田 緑
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学紀要. 社会情報系, 社会情報学研究 (ISSN:13417843)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.55-77, 2005

これまで植民地主義は主に政治制度と歴史性に結び付けて論じられてきた。しかしそのような認識枠組みでは,制度としては消滅しても実効的に存続する植民地主義を問題化できない。また,この社会に遍在する植民地主義的な支配関係も捉えることができない。本稿では,植民地主義を制度や歴史性の問題ではなく,心的傾向の問題として再定義したい。それによって,社会に遍在する支配関係において,植民地主義の痕跡を発見することが可能になり,さらにはコロニアリストの心性の問題としてその責任を問題化することが可能になる。さらに本稿では,国民国家システムにおけるフォーディズム体制が社会の分業化を促し,被抑圧者を創設し,やがて本質主義によって正当化してきたことを整理する。その過程では,コロニアリストによる支配に際しての共通の手法が発見できる。支配関係を指し示す言説の欠落,区別論,被支配者への問題の転嫁,被支配者への介入と分断,被支配者の多様性の賞賛,自己欺瞞の強要,などである。これらの手法を注意深く見ることによって,制度化された支配の中に植民地主義の痕跡を発見し,「心の支配」の問題に転換して捉え直すための視点を模索する。
著者
枦山 妹
出版者
大妻女子大学
雑誌
Otsuma review (ISSN:09160469)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.229-234, 2008-07