- 著者
-
吉水 淑雄
瀬戸 敦子
- 出版者
- 岐阜女子大学
- 雑誌
- 岐阜女子大学紀要
- 巻号頁・発行日
- no.48, pp.19-28, 2019-02-28
わが国の旅行業界では,日本人による海外渡航者数減少という課題に直面している。特に若者の海外旅行離れが叫ばれているが,これまでの我が国の海外旅行はどういった特徴があり,当時の日本人は何を目的に海外へ出かけて行ったのか。本稿では,これまでの日本人の海外旅行の経緯をまとめ,今後の日本人海外旅行市場がどうなっていくのかを考察した。 まずは,これまでの日本人の海外渡航者数を明らかにする。そして日本人の海外旅行の変遷をたどった。富裕層で,限られた人しか行くことの出来なかった海外旅行は,日本政府による海外渡航規制緩和,旅行会社による海外パッケージツアーの誕生で第一次海外旅行ブームを迎えた。その後,格安航空券や旅行代金の値下げも伴い1980年代には第二次ブームが起きた。現代は,海外旅行は日本庶民にとって特別なものではなくなり,簡単に安く海外に行き,買い物や食べ物を楽しむ旅行へと変化していったことがわかった。