著者
亀崎 直樹 源 利文 高橋 亮雄 鈴木 大
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

岡山平野において淡水カメ相の遷移について研究を行った。文献・芸術資料や遺跡から出土する骨の分析によって、少なくとも中世から1900年頃まではニホンイシガメが優占していたが、1990年になるとクサガメが置き換わったことが明らかとなった。今回の225ヶ所の捕獲調査で、クサガメ:1267個体(70.5%)、アカミミガメ:484個体(26.9%)、イシガメ:35個体(1.9%)等が捕獲され、環境DNAの調査結果も含め現在でもクサガメが優占し、イシガメは急激に減少し絶滅寸前である。また、河川を中心にアカミミガメの個体数も増加しており、その分布の状態から、海から川を介して侵入しているものと考えられた。
著者
神谷 茂保
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要. A, 自然科学 (ISSN:02857685)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.309-318, 1992

この小論の目的は, 日本の代表的な19の河川(図1に位置を示す)の実験的フラクタル次元, 分岐比を求め河川の様相などとの関連についての調査の結果を報告することである。本調査のためには, 昭文社発行の全日本道路地図を用いた。また私たちが直接得たデータ以外は, 理科年表(1987年版)及び文献中のデータを使用した。
著者
松原 孝 猪木原 孝二 川上 雅之
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要. A, 自然科学 (ISSN:02857685)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.325-335, 1991

The purpose of this study was analysis on the results of the effect of darts training by the basketball player of high school students. The subjects in this study were group A (12th grade), group B (11th grade) and group C (10th grade) of high school students. The effect of training was analysis on the results of points during darts training of 12th. The following results were obtained : 1) The points of darts training were higher with the group C than those with group B. (p<0.025) 2) The points of darts training were higher with the group C than those with group A. (p<0.005) 3) The points of darts training were higher with the group B than those with group A. (p<0.05) 4) The points of darts training by the throw of right hand were higher with shoot at a target of the both eyes than those with shoot at a target of the left eye. (p<0.025) 5) The points of darts training by the throw of left hand were higher with shoot at a target of the both eyes than those with shoot at a target of the right eye. (p<0.05)
著者
清水 慶子
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

霊長類の生殖生理および配偶者選択におけるフェロモン作用やケミカルコミュニケーションについて調べた結果、チンパンジーの膣分泌物中のいくつかの物質が性皮の腫脹や月経周期と同期することが分かった。また、同所飼育のニホンザルにおいては、月経周期の同調が見られることが分かった。ニホンザルでは、射精を伴う交尾行動は排卵周辺期に限局されること、妊娠したメスではその後も交尾行動が見られることが分かった。さらに、交尾行動が観察された時は、糞中および尿中estrogen代謝産物の値が高いことが確認された。
著者
植木 利彦
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要 (ISSN:02856646)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.189-196, 1980

個人と社会の関連性という問題は, コンラッドが作家となった当初から晩年に至るまで常に彼を虜にしてきた主要な問題であった。時にはリンガード(Captain Lingard)やジム(Jim), ノストローモ(Nostromo)のように個人的な夢想の世界における自己の理想像を現実の社会において実現しようとした男達, また, ヘイスト(Heyst), ラズモフ(Razumov)やバーロック(Verloc)のように現実社会から逃避しながら自分の行動を観念的に正当化しようとした男達もいた。彼等に共通する点は, 積極的であれ, 消極的であれ, 現実社会との関りにおいて, 常に自己中心的な考え方や行動が多分に見うけられるのである。その結果, 彼等は, 愛する者を亡くしたり, 自らの生命を落したり, あるいは自己の世界の崩壊を目の当りに見るといった, ある意味において, 自己の性格的欠点に起因する苦い人生経験を味わった人物である。『放浪者』におけるペロール(Peyrol)は, 先に述べた人物とは一風かわった人物であり, コンラッドの作出した人物の中では最も現実的, 中庸を心得た人物であると思われる。そこで, この小論ではペロールなる人物に視点を置き, コンラッドの個人と社会に対する考え方を, そして革命についての考え方を考察してみたい。
著者
秦 敬治 山崎 その 各務 正 篠田 雅人 山咲 博昭
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究の目的は、「大学の自律的な経営行動に高く貢献する大学事務組織に共通する組織特性」を明らかにすることである。1年目の2020年度は、米国私立大学の事例から示唆を得つつ、「自律的な経営行動に高く貢献する大学組織」の暫定的な定義を行う。2年目の2021年度は、日本国内にある複数の私立大学を対象とした質問紙調査・インタビュー調査を実施し、組織の意思決定と執行に高く貢献している事務組織の特性を明らかにする。3年目の2022年度は、研究成果を踏まえ、事務組織の組織特性把握を主目的とした「組織診断シート」(仮称)を開発するとともに、我が国の私立大学における評価指標の一つとして普及させることを目指す。
著者
森川 茂 朴 ウンシル
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome; SFTS)は、フェニュイウイルス科フレボウイルス属に分類されるマダニ媒介性のSFTSウイルス(SFTSV)による急性ウイルス感染症で、高熱、血小板減少、白血球減少、肝機能低下、出血、多臓器不全などを主徴とする。SFTSの致死率はヒトで約17%、ネコで約50%と極めて高い。ネコのSFTSには有効な特異的治療法もなく、獣医医療従事者や飼育者が発症動物から感染して発症した例も報告されている。One Health及び人獣共通感染症の観点からネコ及びヒトのSFTSの予防に寄与する。本研究ではネコに有効なSFTSワクチンを開発する。
著者
村上 悟 濱谷 義弘 長渕 裕 神谷 茂保 田中 敏
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

積分方程式の解に対する定性的性質を中心に研究を行った.実際、線形方程式に付随する解作用素の生成素に対してスペクトル解析を行い、本質的スペクトルの半径に関する評価を得た.さらに、非同次方程式に対して相空間における解の表現公式を確立した.これらの結果を融合して応用することにより、有界解や周期解などの存在に関するマッセラ型の定理を確立し、さらに、非線形方程式に対し線形化原理を導いて解の安定性解析への有効な手法を確立した.
著者
川上 雅之 猪木原 孝二 松原 孝 太田 正和
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要 A 自然科学 (ISSN:02857685)
巻号頁・発行日
no.25, pp.p361-375, 1989

The purpose of this study was analysis of physical function affected by the climb down of group climber. The subjects was 16 healthy male and female college students in 400 climbers of 18 to 21 and they were divided into two groups : Group A (take 10 minute rest during climb down), Group B (take no rest during climb down), The influence of physical function inferred to the percent of HR max (%HRmax) from heart rate during climb up, rest, mountaintop and climb down. The following results were obtained : 1) The mean of % HR max at climb down of two groups indicated of the numerical value about 60 % of HR max. 2) The % HR max of each subject during climb down was 40 % through 80 % of HR max. 3) Therefore, the most important thing during climb down for group climber continued to keep the same walking speed during climb down. Becouse the difference of physical function was affected by walk distance and the condition of natural environment. The most important thing on the walking speed during climb down was to walk at the rate of about 30 m per minute. The best condition of % HR max during climb down is throught to keep numerical value about 60 % of HR max on the work load during climb down.
著者
廣田 雅春
出版者
岡山理科大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

ソーシャルビッグデータを分析することで,実世界のイベントや,人々の興味,観光スポットへのレビューなどを得ることが可能である.また,近年は観光産業が注目を浴びており,その中で個々人に最適な観光情報を提供することは,多様化した旅行形態において重要な課題である.ユーザの明示的な属性,暗黙的な属性,コンテキストは,データの欠損や,そもそもデータとして存在しないなど情報の提供に利用するのは困難な場合がある.そこで,本研究では,ソーシャルビッグデータにおいてそれらを推定する手法の開発,さらにユーザの多様な情報を包括的に考慮して旅行者に観光情報を提供するための技術の開発を目的とする.