著者
札埜 和男
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

研究代表者(札埜和男)は、社会科の模擬裁判実践が法的な考え方の育成に傾き人間不在になりがちなのに対して、「人間を深く知り、想像力を駆使して様々な角度から論理と言葉を紡ぐ」国語科で行う模擬裁判の特性を生かし、「国語科」の視点を取り入れた、新科目「公共」の模擬裁判の実践方法を開発したいと考える。具体的には与えられたシナリオを改良する型、与えられたシナリオ通りに演じる型、「公共」担当の教員でも対応可能な国語科定番の文学作品(『羅生門』、『高瀬舟』、『こころ』等)を教材とした型の、3つの実践方法を確立することで、どの学力層の学校でも教員単独でできる模擬裁判の実施方法を開発する。
著者
大橋 唯太 亀卦川 幸浩 井原 智彦 高根 雄也
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

人口が集中する都市の屋内外環境における急性循環器系疾患の死亡リスクを、気象と都市の数値流体モデルによって高解像でマップ化することが、本研究の主課題である。建物室内での生活、屋外空間での歩行や労働など、個々の活動条件を想定した疾患リスクの定量評価を試みる。この物理モデルで得られた結果をもとに、AI(機械学習)による疾患リスク予測の簡易手法を確立する。また、将来の気候変動によって予想される極端な高温化が、急性循環器系疾患の死亡リスクをどの程度上昇させるかについても、予測評価を試みる。
著者
堂田 周治郎 逢坂 一正 立石 佳男
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要 A 自然科学 (ISSN:02857685)
巻号頁・発行日
no.19, pp.p131-146, 1983

The purpose of this study is to investigate the effects of the nozzle shape on the jet behaviour by means of the numerical experiment. The calculation was carried out for the three types of the fluidic devices that have different length of the nozzle throat. The flow was regarded as unsteady, three-dimensional, incompressible, viscous and laminar flow, and the primitive Navier-Stokes equations was calculated by use of predictor-corrector method. The obtained results are summerized as follows : 1. For a small aspect ratio, the jet attaches strongly when the length of the nozzle throat is shortened. On the other hand, for a large aspect ratio, it can be considered that there is no effect of the length of the nozzle throat. 2. The flow shows the symmetrical behaviour with respect to the nozzle, that is, in the upper stream, there exists a fluid flow from the midplane to the bottom bounding wall, and in the downstream, there exists a fluid flow from the bottom wall to the midplane. 3. When the length of the nozzle throat becomes shorter, the jet behaves in the similar manner to the case of higher Reynolds Number. This is closely related to the velocity distribution at the nozzle exit.
著者
坂本 尚史 妹尾 護
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要 A 自然科学 (ISSN:02857685)
巻号頁・発行日
no.24, pp.p75-82, 1988

Ultramafic inclusions were found in high magnesian andesite at Dogo, Matsuyama City, Ehime Prefecture, Southwest Japan. They are classified into two types, from the texture and chemical composition of minerals ; type-1 and type-2. Type-1 inclusion is harzburgite, characterized by the presence of Al-rich spinel. Type-2 inclusion is composed of dunite and harzburgite, with Cr-rich spinel. Olivine fabric patterns of the inclusions exhibit high concentration of X and Z axes, which differ from those of cumulate rocks. It seems that the textural development of the inclusions occurred through deformation process. Petrographical evidence supports this. Dislocation structure of olivine from the inclusion was examined. The dislocation density of olivines for type-2 inclusion falls into the range of 1×10^7 to 5×10^7cm^<-2> . The subgrain size of olivines from type-1 and type-2 inclusion has narrow range from 20 to 35μm. Considering the rate of stress-responce of dislocation density, subgrain size and grain size, it is concluded that type-1 inclusion deformed in nearly steady-state creep, whereas type-2 inclusion deformed in transient creep.
著者
中本 敦
出版者
岡山理科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は機能的絶滅の閾値を明らかにすることを目的としている。琉球列島の58島について、種子散布者としてのオオコウモリと餌植物の密度推定を行った。また植物に関しては文献調査も行った。クビワオオコウモリの分布は基本的にはオオコウモリ類の本来の分布域である熱帯から離れるにしたがって、分布が飛び石状になる傾向が見られた。オオコウモリと強い共生関係にあることが予想される大型のFicus属の種やイルカンダとの分布の一致度は低く、明確な関係は見いだせなかった。モモタマナとリュウキュウガキでは、オオコウモリの分布との一致度が高く、種子散布をオオコウモリに強く依存している可能性が示唆された。
著者
山口 一裕 西本 憲正 三宅 寛 柿谷 悟 光藤 裕之
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要. A, 自然科学 (ISSN:02857685)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.147-153, 1995
被引用文献数
1

"Kinsai/Ginsai" is one of fascinating patterns of Bizen-yaki and rarely appears. The formation mechanism of "Kinsai/Ginsai" has been investigated to improve reproducibility on the formation of "Kinsai/Ginsai". "Kinsai/Ginsai" is reproduced by forming carbon film on the surface of Bizen-yaki body or mica in the vacuum evaporator. The color on Bizen-yaki body or mica gradually changed from silver to gold in proportion to the increasing thickness of carbon film. The thickness of carbon film on mica, which was measured by the Aomic Force Microscope (AFM), ranges from 10 to 20nm in silver and from 40 to 50nm in gold.
著者
鄭 実生 本安 竜平 萬本 義徳
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要 A 自然科学 (ISSN:02857685)
巻号頁・発行日
no.30, pp.p103-113, 1994

The anomaly of transverse relaxation rate of YBa_2Cu_3O_<7-δ> is mainly observed at 35K and near superconducting transition. The anomaly at 35K can not be explained by dynamical factor. It is considered that the static factor causes the anomaly and it is the change of anisotropy of indirect interaction between nuclear spins because the change of shape of decay curve accompanies with the anomaly. If the interaction between electron spin and nuclear spin obeys Mila-Rice theory even in superconducting state, it is considered that the change of the anisotropy is owing to change of electron spin correlation. As for the anomaly near superconducting transition it seems to be owing to an extraordinarily slow motion such as softening.
著者
山根 信二 玉木 欽也 権藤 俊彦 半田 純子 齋藤 長行 新目 真紀 長沼 将一 長沼 将一 新目 真紀
出版者
岡山理科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

多業種にまたがりソーシャルメディアを活用できる人材の育成プログラムを確立した.ソーシャルメディア/デジタルコンテンツの適切な利用環境をデザインしさらにアセスメントできる専門家を「ソーシャルコミュニティデザイナ」として定義し、平成26年度に(1)ソーシャルコミュニティデザイナに必要なコンピテンシの体系化を行い、平成27年度に(2)コンピテンシにもとづく人材育成プログラムの作成と領域横断型授業の試実装と(3)産学による成果の戦略的な共有と評価を実施した.
著者
行安 茂
出版者
岡山理科大学
雑誌
岡山理科大学紀要 (ISSN:02856646)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-10, 1972
著者
永谷 尚紀
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

磁性微粒子を用いて測定試料を前処理することによりバイオセンシングの高感度化を目的に検討を行なった。磁性微粒子での前処理は、測定対象のタンパク質、遺伝子の分離、濃縮に有効であった。磁性微粒子とバイオチップ技術を用いることによって遠心分離機を使わず濃縮、分離が可能であり、測定試料の前処理行程を短縮でき、さらに、イムノクロマト法を用いることで迅速で高感度の検出が可能であることが明らかとなった。
著者
谷口 陽子
出版者
岡山理科大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

本研究では、世代間の経済的格差が拡大し、生き方についての価値観が多元化する少子高齢時代の日本社会において、高齢期を迎える人びとが自らの家族とどのような関係を取り結びながら生活しているのか、その関わりのあり様は高齢者にどのような充足感をもたらすものか、またもたらさないとするならばそれに必要な方策とはどのようなものであるかについて探るため、2004年の中越地震の災害復興地である新潟県長岡市山古志地域を中心に文化人類学的研究を行った。具体的には、聞き取りおよび参与観察調査を実施することから、山古志地域における個々の高齢者の家族間関係-近隣の家関係-地域復興支援員(中越大地震復興基金の運用により、住民主体による集落運営を支援することを目的に設置された制度)の三者関係に焦点を当て、高齢者の家族観を探った。当地域は、震災後の若年人口の流出により、家族と離れて地域に残り一人や夫婦のみで暮らすことを選択した高齢者も少なくない。2005年に内閣府が実施した「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」によると、日本の高齢者の心の支えは、家族、とりわけ配偶者と子どもに集中しているとの報告がなされているが、申請者の調査による限り、当地域の高齢者においては、家族、とりわけ子どもと離れて暮らす高齢者が家族や地域からの孤立に対する不安が生じにくい生活環境創出の工夫が観察された。それは、地域の災害復興プロセスにおいて、様々なイベントや活動が住民主体で運営され、地域の人たちと関わりを持つ機会が日常的に創出されていることによるものと考えられる。このことから、高齢者の家族観は、個々の人が取り結ぶ近隣関係や地域の各種サービスへのアクセスに大きく影響を受ける可能性が指摘され、今後の調査の継続により、高齢期の家族観を多世代間関係、および地域社会の各種サービスへのアクセスの問題としてより包括的に考察していくことが望まれる。