著者
中村 俊彦 楡井 秀夫 中村 香織
出版者
日本景観生態学会
雑誌
国際景観生態学会日本支部会報 (ISSN:1345532X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.64-66, 1997-05-09 (Released:2011-03-18)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
真鍋 徹 須田 隆一 清水 敬司
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.121-125, 2017 (Released:2017-12-31)
参考文献数
21

絶滅危惧沈水植物ガシャモクの北九州市の自生池での保全に向け,池底から60 cm深までの底泥コアを採取し,深度別に種子や殖芽の有無を調査した.その結果,池底から40 cmまでの底泥から種子が確認され,その多くは10~30 cmの層に含まれていた.それら種子には発芽力のあるものも含まれていた.そこで,池底から80 cm深までの底泥を20 cmごとの深度別に層化して採取し,撒きだし試験を行ったところ,20~40 cmの層からガシャモクが発生した.最初に確認された時点で発生個体はシュート状であったこと,発生後は旺盛に生育したことから,当該再生個体は殖芽に由来するものであると推測された.従って,自生池では,種子および殖芽から成る散布体バンクが形成されているものと判断された.
著者
白川 勝信
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.15-22, 2009-09-30 (Released:2012-06-09)
参考文献数
15
被引用文献数
1
著者
小松 直哉 小堀 洋美 横田 樹広
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.49-60, 2015
被引用文献数
1

都市の生物多様性の持続的管理のためには,住宅地域も対象とした広域的な生態系管理を行なう必要がある.その実現のためには,地域に居住し,その周辺環境と身近に接している地域住民を対象とした市民科学の導入は有効な手法として挙げられる.市民科学とは,専門家ではない市民や学生がモニタリングやデータ収集だけでなく,主体的に科学的研究プロセスに関わる手法であるが,市民科学を用いた科学研究の成果を広域的な生態系管理に生かしている事例は少ない.そこで本研究では,横浜市都筑区牛久保西地区において,学生および市民が,1)チョウ・トンボを指標とした生物分布調査,2)個人住宅における庭の生物調査,3)大学保全林内のチョウのビオトープの創出と検証,といった生態系のモニタリングと管理を市民科学プログラムとして実践すること,その結果から住宅地域の生態系管理における市民科学の今後の可能性と課題を抽出することを目的とした.チョウ・トンボの生物分布調査では,住宅地域の生物分布を明らかにし,生物分布データベースとして意義のある調査結果を共有した.個人住宅における庭の生物調査では,庭に出現する身近な生物と庭の環境要因との関係性を学生と市民との協働により評価した.また,大学保全林を活用したチョウ誘致のためのビオトープ創生とモニタリングの実践により,ビオトープがチョウ類の生息拠点としての機能を有しているか検証した.これらの市民科学プログラムを活用することによって,住宅地域の生物相ポテンシャルや生物にとっての私有地の緑の重要性などを学生と市民が共有でき,また,住宅地域の生態系管理おける市民科学の有効性が示唆された.牛久保西地区の緑のまちづくり事業では,これらの市民科学プログラムの成果を活用した緑の管理は,官学民の連携により行っている.今後,市民が生態系管理の意義などを理解したうえで独立して調査や管理を行えるような教育プログラムなどの教育的側面を充実させることにより,大都市近郊の住宅地域における生態系管理へ展開していける可能性がある.
著者
廣瀬 俊介
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.23-28, 2016 (Released:2017-08-31)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1
著者
永松 大 松島 肇
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.1-3, 2014-08-31 (Released:2015-08-31)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
内藤 梨沙
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.57-73, 2012-12-25 (Released:2013-01-09)
参考文献数
153
被引用文献数
1 5

世界的な両生類の減少が注目されるようになってから約20年間,世界各地で両生類の減少理由や生態に関する研究が行われ,様々な情報が蓄積されてきた.減少の理由は生息する地域や種によって異なるが,主に,生息地である湿地の減少や分断化,環境汚染であると考えられている.日本においてもその例外ではなく,天然湿地や森林の開発などによる両生類の減少が進んでいる.日本の里山景観においては,湿地性生物の生息地の代替地として水田が重要な役割を果たしてきた.しかし,農業の近代化や耕作放棄地の増加に伴い水田環境が変化し,日本固有の水田生態系を代表する生物が絶滅危惧種に指定されるようになった.カエル類の多くは環境汚染に敏感であり,また生活史の中で水陸両域を必要とするため,水田環境の変化を反映する環境指標種として期待されている.その中でも絶滅危惧種IB類に指定されている日本固有種ナゴヤダルマガエルは水田環境に強く依存し,農業依存種の代表とされている.本種の生息場所は水田地域に限られているため,具体的な保全計画策定に向けて,水田における本種の生態に関する研究が求められている.本種の減少理由は水田における水管理の変化,圃場整備による乾田化,近縁種であるトノサマガエルとの交雑などが指摘されている.本種は一年を通して水田に留まり,繁殖活動や幼生の生存率などは水田の水管理に強く影響されている.また,水辺からほとんど離れない性質を持つため,成体の生息地利用は水田周辺の水辺環境(素掘りの水路や,ビオトープなど)の有無や湛水期間に影響されている.また,畦は水田地域における重要な陸域環境として利用されており,本種による微生息地利用の研究は今後の畦管理について示唆を与えるものである.本論文では,両生類の置かれている状況,水田環境とカエル類の関係,農地における生物の保全,ナゴヤダルマガエルの生活史や生態を整理し,カエルの水田における保全,特にナゴヤダルマガエルの保全に向けた提案を行った.
著者
佐々木 剛
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.43-55, 2012-12-25 (Released:2013-01-09)
参考文献数
78

1990年代以降大きく発展してきた航空機LiDAR(レーザ画像検出と測距)技術は,上空から地上に向けて多数のレーザを発射し,3次元位置情報を直接的に取得する測量技術である.森林のモニタリングにおいては林冠の表面だけでなく,林冠の隙間を透過したレーザにより,樹林内部の構造の推定が可能と期待される.本論では,航空機LiDARを用いて森林構造を推定したこれまでの研究事例について紹介し,近年の研究の動向や今後の課題について論じた.既往研究では,LiDARデータを用いて樹高や林冠高,樹冠直径,バイオマス,幹材積,植被率,葉面積指数,3次元葉群分布の推定や,樹種の分類などが行われてきた.近年の研究で関心が持たれている事項としては,LiDARの仕様の違いなどに影響を受けにくい,より頑健性の高い推定方法の開発や,光学センサなど他のタイプのデータと組み合わせた解析,野生動物のハビタットとしての森林構造の解析などが挙げられる.LiDARデータの利用にあたっては,その取得にかかるコストがしばしば問題となるが,既存のLiDARデータセットの共有化や公開が進みつつある.今後はLiDARデータの実用化に向けて,多様なタイプの森林の構造を高い精度で推定する手法の確立が望まれる.
著者
金子 是久 三村 啓太 天野 誠 長谷川 雅美
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.163-176, 2009-12-31 (Released:2012-05-28)
参考文献数
37
被引用文献数
5 3

This research studied the management situation of different habitats, investigating flora and dividing the grasslands located in Shiroi City, Chiba Prefecture into six habitats (abandoned rice fields, mowed land, sloped, developed land, management -abandoned land, arable and playgrounds). For the species rate of attribute-based classification for each habitat, endangered plants were the most common in mowed land, and were the least common at abandoned rice fields, developed land and arable and playgrounds. Grassland plants were the most common in mowed land, and were the least common in abandoned rice fields. Ruderal plants were over half at 50-60% in all habitats. Exotic plants were the least common in mowed land, and were the most common in developed land. Endangered plants included many species at 17 species for mowed land, and included few species at abandoned rice fields and developed land. In grassland types at each habitat, Miscanthus sinensis and Imperata cylindrical types included many species at mowed land, Zoysia japonica type included many species in arable and playgrounds. With respect to management of each habitat, we found that mowed land and a part of sloped is regularly mowed of about 1-3 times per year, arable and playgrounds are hard mowed over 4 times per year, and in other habitats, although the length of time that has elapsed since abandonment is different, basically, these habitats are abandoned.

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著者
金子 是久 布川 洋之 藤咲 雅明
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.31-36, 2010-06-30 (Released:2012-02-14)
参考文献数
5