- 著者
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赤木 正人
- 出版者
- 日本音響学会
- 雑誌
- 日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.8, pp.393-398, 2010-08-01
音声対話などの音声によるコミュニケーションでは,「何を話しているか」という言語情報だけではなく,これ以外の情報,例えば個人性(性別,年齢),感情・健康状態,声質などの言語以外の情報が多数送受される。これらの情報を多分に含む音声は,Expressive Speech と呼ばれている。音声によるコミュニケーションでは,言語情報だけではなくこれらの情報にも重要な役割が含まれていると言われており,音声対話の精緻な解析のためには,これら双方を考慮する必要がある。本稿では,工学よりの目的(機械による感情の認識)を設定した上で,音声及び聴覚分野においてこれまでに得られた言語以外の情報の知覚に関する知見を取り混ぜながら,機械による感情の認識という目的に向かうための基本的考え方をどのように構成すれば良いかについて,思想まで踏み込んで解説する。