著者
岩田 正美
出版者
東京都立大学人文学部
雑誌
人文学報. 社会福祉学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-21, 1998-03-25

「個人」と「社会」に分解された近代社会において、その両者を「個人のニーズ」充足を介して「社会のゴールに奉仕する」ものとして出発した社会福祉的統合が今日どのように限界をもつに至っているかを明らかにする。とくに、近代社会の「自立する個人」と「普通の生活」に基盤をおいた自立、権利といった、この統合をつなぐ社会福祉の諸概念がもつ基本的な矛盾について検討する。またこれを克服する方向として、社会福祉の分野論的発想を超えた問題把握を前提とした諸概念のオールタナテイヴを模索する。
著者
久保 紘章
出版者
東京都立大学人文学部
雑誌
人文学報. 社会福祉学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
no.11, pp.353-383, 1995-03-20
著者
高田 洋
出版者
東京都立大学人文学部
雑誌
人文学報 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
no.329, pp.65-87, 2002-03

本論文は、人々が職業名に対応してもっている職業イメージの分析を行う。職業威信スコアの適用には、職業の類似性が考慮されなければならず、この類似性を職業のイメージによって明らかにする。また、職業の威信評定の基準は、多様であり、職業名に対応して決定されることも分析する。第一に、数量化III類による分析の結果、人々の職業の威信評定の基準は、職業名ごとに異なっており、職業名に対応した職業イメージの社会的距離によって、職業の類似性は測定することができる。第二に、職業によって、評定基準の優先度は異なっており、その順序パターンによって類似性にアプローチできる。第三に、職業評定基準には、収入や学歴や責任といったものが強く要求される高地位性、仕事のやり方を自分で決められる自立性、技能や労働を必要とする技術性の三つの基準があるということを分析する。
著者
稲本 朗
出版者
東京都立大学人文学部
雑誌
人文学報 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
no.253, pp.p153-168, 1994-03
著者
岡田 英己子
出版者
東京都立大学人文学部
雑誌
人文学報 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
no.361, pp.23-97, 2005-03

1990年頃から「平塚らいてうは優生思想の持ち主」論が通説として流布している。その典拠とされるのが、平塚執筆の「避妊の可否を論ず」に記された断種法要求であるが、実は原稿は3種類あり、刊行時期も食い違う。では、フェミニズムの旗手である平塚は、いつ、どのようにして女性の「性と生殖の自己決定」から、「性と生殖の国家管理」断種法要求にまで暴走していくのか。平塚著作の検討を通して、新婦人協会の花柳病男子結婚制限法案の修正経緯を概観し、同時に民族衛生学会の永井潜やドイツ社会事業に精通する海野幸徳との比較から、「いか程の優生思想の持ち主なのか」を査定した。これは優生学歴史研究方法の再考であり、また第一波フェミニズムの最初の敗退の背景解明にも繋がるものである。
著者
矢嶋 里絵
出版者
東京都立大学人文学部
雑誌
人文学報. 社会福祉学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
no.15, pp.37-60, 1999-03-25

その1 (東京都立大学人文学部人文学報281号) では、1949年身体障害者福祉法 (昭和24年12月26日法律第283号、以下「49年法」という) が制定されるに至った経緯について述べた。これにつづき本稿では、論点を検討することにより49年法の特徴および問題点を明らかにする。