著者
小島 しのぶ
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.23-33, 2000-12-05
被引用文献数
1

1)女子高校生の食事実態として食事区分別献立構成による点数化の試み 一日の献立構成を9点満点として評価してみると, 3日間の平均点は食事区分ごとに差があり朝食は調査対象者(207名)の献立構成にばらつきが大きく平均値として確認し難く二極分化している。昼食については3点満点で2.10点, 夕食では2.40点であり食事区分の中では夕食が献立構成としてはバランスのとれた食事になっている。一日3食の平均値は9点満点で6.26点であった。2)家庭内食事摂取者と家庭外食事導入者における献立構成点数, 簡易栄養診断点数の比較 家庭内食事のみ利用者の献立構成平均点数は7.2点, 簡易栄養診断点数の平均点数は66.0点であった。他方, 家庭外食事利用者の平均点は各々5.95点と54.6点であり家庭内食事のみの利用者のほうが平均の得点は高いが両者間で有意差はみられなかった。なお, 調査対象者の72.0%が家庭外食事(外食, 加工食品, 調理済食品, 冷凍食品)を利用している。導入の実態は朝食では前日に買い置きをしておいたと思われる菓子パン・惣菜パン等で朝食を済ませる。他方昼食の弁当においては, 主食, 副菜は自宅で調理したものであり, 調理済あるいは冷凍食品は主菜に利用する事例が多くみられた。3)出現献立の特徴 一日3食を通して出現献立の特徴をまとめてみると, 主食は朝食を除くと白飯が最も多く出現しており, 一日の主食出現数の52.4%は白飯である。パン類は24.3%の出現率であった。主菜料理では肉料理が多く主菜の42.4%を占めている。卵料理は23.7%であり, 朝食, 昼食で多く出現している。魚料理は2LO%であり, 上位3位までは動物性食品を主材料にした献立である。副菜は野菜を加熱調理したもの, 例えば, 炒め野菜, 浸し, 煮物等を合計すると32.5%, サラダ・生野菜が26.2%の出現率であり, 朝食, 昼食, 夕食の各食事区分に比較的万遍なく出現している献立である。味噌汁は17.9%であり朝食で最も多く出現しており27.9%夕食でも22.8%の出現率である。4)女子高校生の食事内容の特徴 調査結果から女子高校生の食事内容の特徴をまとめてみると, 朝食の食事内容は二極分化していることである。欠食を含めて朝食が非常に貧しい内容のものと, ほぼ完壁に近いもの(ただし, 分量の記入は求めていないので, あくまでも献立構成のうえからの結論である)とにわかれている。昼食において弁当持参者は主食, 主菜は揃っており中には主菜が3〜4種類という事例もあるが, 副菜がおろそかにされる傾向が強く副菜の無い事例もみられた。しかし, 登校途中等に昼食を購入している場合には, パンとやきそばといった主食に該当するものを複数購入して昼食としているものが多く朝食の欠食者に多くみられる。夕食については, 献立構成上も良いものが多いが, なかには主食を抜いたりしている場合があり特に主菜が肉料理, 天ぷら等の献立の場合に多くみられた。この現象については勝手な推察はできないがダイエット経験者が39.1%であったという結果から1)肉類, 油脂類, に対する栄養の知識, 食生活と健康に対する意識の問題として今後栄養指導の課題としたい。
著者
佐藤 均
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.109-120, 1993-09-01
著者
淺川 和也
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.87-94, 1993-09-01
著者
春日井 真英
出版者
東海学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

四年にわたる調査研究を通じて至った結果は、十一面観音、牛頭天王(津島信仰)を個々に考えてはならないと言うことであった。これまでは、個々の問題を検討していたが地域を通じて考えてみると、この二柱に加えて地蔵も重要な機能を有していることが伺われるのである。そこには、神仏習合思想に基づく思想を見て取ることができ、この事を解明する手段として「牛頭天王島渡り」の祭文の研究が急務と言うことになる。この祭文に寄れば、津島神は牛頭天王であり、その本地は薬師如来となりそこには行疫神であると同時に施薬を行うという相反する機能を有しているのである。東三河各地を検討してみると素蓋鳴神社(進雄社)が多々存在し、その名を有する神社での祭礼に鬼が顕れるのだが、その鬼達の姿は喜々としている様に見受けられる。また、豊橋市の安久美神戸神明社の鬼祭と地域の宗教施設などを検討してみると、地域全体(ここでは豊橋市)が牛頭天王と十一面観音によって護られているかの様な構造を有していることが判る。この事は、名古屋市も同じであり、名古屋城を中心として各恵方に観音を配置するという構造とも重なるのかも知れない。とくに、尾張部では鬼こそ出ないものの山車によって天王(津島あるいは牛頭天王)が祀られている事を考えれば、東三河地区での様に鬼の顕れる祭祀が、山車という象徴的な祭祀に変化してきていることが伺われる。
著者
安田 文吉
出版者
東海学園大学
雑誌
共生文化研究 = Tomoiki cultural studies
巻号頁・発行日
vol.6, pp.147-153, 2021-03
著者
鈴木 幸子
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.35-43, 1990-07-20
著者
大場 厚志
出版者
東海学園大学
雑誌
東海学園大学研究紀要. 人文学・健康科学研究編 (ISSN:1349161X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.35-44, 2008-03

チャップリンの『モダン・タイムス』の冒頭18分は主として工場内の場面であり、工場労働者としてのチャーリーが精神に異常をきたして大暴れするまでが描かれる。この18分は、放浪紳士としてのチャーリーとヒロインによる"home"の探求、社会/個人の幸福などの後に現われるテーマへとつながっていくものであり、この映画の基調をなす重要部分である。この小論は、(1)時計の文字盤のクロースアップ、(2)羊の群れと労働者の集団、(3)社長、ヘンリー・フォード、ターザン、(4)機械に呑み込まれた人間、(5)機械文明に対する皮肉と無意識のヒロイズム、という観点から映画の冒頭18分を「読む」試みである。労働者のおかれた深刻な状況の諸相のみならず、放浪紳士としての主人公を特徴づけることになる性格づけを検証することによって、工場内のシークエンスの重要性を再認識することになるだろう。
著者
村田 光平
出版者
東海学園大学
雑誌
東海学園大学研究紀要. 人文学・健康科学研究編 (ISSN:1349161X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.57-64, 2005-03-31

グローバリゼーションが進展する中で、手段である経済成長が目的と化し、人間の幸福追求という本来の目的が忘れられている。人間は排除の対象にすらなりつつある。このような現状を生んだ要因としては、倫理の欠如、真の指導者の欠如、及びGDP経済学の責任の三つを指摘できる。人間の幸福は文化なしには考えられず、文化と文化交流を重視することは、経済至上主義に対するカウンター・バランスとなり得よう。揺らぎつつある政官財文化に取って代わり、環境破壊に脅かされた地球を救う「地球市民文化」が、人間復興を目指し逆襲に出るのである。宗教的寛容さを切り札とする日本は、新しい文明の創設と民事、軍事を問わない地球の非核化を世界に訴えていくべきである。