- 著者
-
室谷 浩平
- 出版者
- 社団法人 可視化情報学会
- 雑誌
- 可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.152, pp.12-18, 2019 (Released:2019-04-26)
- 参考文献数
- 7
単純な流体解析を解くためには,粒子法を用いるのは計算精度の面で不向きであるが,境界面が複雑に変形し合うような解析や,多くの接触判定が必要となる解析では,粒子法は大きな力を発揮する.本稿では,前者の解析として,水滴が載っているレールの上を車輪が転がる解析を紹介し,後者の解析として,鉄道車両が走行時に舞い上げる雪が台車へ着雪する解析を紹介する. 本稿で紹介する可視化例は,POV-Rayによるフォトリアリスティックな可視化例と,3Dプリンターによる縮小模型の作成例である.粒子法による解析結果に対して,これらの可視化を行おうとすると,三角形ポリゴンで構成された等値面が必要となる.ParaViewを用いれば,簡単に等値面を生成することができるだけでなく,レイトレーシングによる可視化できる.可視化は,解析結果の解釈を助けるだけでなく,アウトリーチ活動にも効果的であるため,多くの可視化技術の普及が期待されている.