著者
鄒 兆南 沖 真弥
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会
雑誌
JSBi Bioinformatics Review (ISSN:24357022)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-9, 2023 (Released:2023-06-03)
参考文献数
13

真核生物の遺伝子発現は、ゲノムに対する転写因子やヒストンの結合パターンによって時空間的に精密に制御されている。この発現制御機構を理解するため、筆者らはゲノム上のタンパク結合を調べるChIP-seqデータを網羅的に解析し、転写因子の結合とヒストン修飾をゲノムワイドに閲覧できるChIP-Atlas(https://chip-atlas.org)を開発している。最近では、ATAC-seqとBisulfite-seqデータを新たに統合し、転写調節領域のエピゲノム状態をより多面的に捉えられるようになった。本稿では、ChIP-Atlasを概観した後、創薬医学、再生医学、遺伝性疾患などの研究分野における実際の応用例を中心に紹介する。このように、ChIP-Atlasのナビゲーションに従い遺伝子転写制御ランドスケープを「旅する」というイメージを膨らませることで、より多くの読者の方がChIP-Atlasを活用した研究成果を生み出し、遺伝子の発現制御機構の解明や生命科学の発展に貢献できればと思う。
著者
新山 大翔 沖 真帆 塚田 浩二
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.252-258, 2016-11-05

従来のジョイントは,金型を用いて工場で製作される高精度なワンオフの接合方法(例:嵌め合わせ)が市販製品では多く見られる一方,個人レベルでは,接着剤などを用いて,外観や構造を気にせずに「とりあえずくっつけばよい」という刹那的な固定方法が一般的であった.このため,個人の作るプロトタイプと市販製品では,その外観や強度等に大きな差が出ていた.一方,近年の低価格な3D プリンターの普及に伴い,個人レベルでも3D モデルを設計/出力してワンオフのジョイントを出力できる環境が整いつつある.しかしながら,3D プリンターの特性を考慮しつつ,実用的なジョイントを設計することは一般の利用者には難しい.そこで本研究では,3D プリンターの利用を前提として,様々な部品や日用品同士を固定/調整可能なジョイント機構を設計,及びジョイントの調整が可能なシステムの構築を行い,ファブ時代の構造設計の効率化を目指す.
著者
中山 泰喜 青木 克巳 沖 真
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.25, no.Supplement2, pp.339-342, 2005-10-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
2

It is said that the Jomon Age began about12, 000 years ago and continued till about 2, 500 years ago. The potteries of that age are known as Jomon pottery. Among them, a pottery discovered from the Umataka ruin in Niigata Prefecture in 1931 has an excellent shape. It is said that this pottery was made about 4, 500 years ago. Jomon potteries of similar artistic styles have been discovered in various parts of Japan. These potteries have very nice shapes, but the pottery discovered from the Umataka ruin excels other potteries by its excellent proportion. From the shape of lip, it was named "Kaen pottery" meaning " flame pottery" . However, from the patterns of its lip and side wall, it is more appropriate to consider that they are related to water flow. In this report, this hypothesis by a visualization method using the pollen of cedar and pine trees, and computer simulation.
著者
沖 真弥 大川 恭行
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.348-350, 2022 (Released:2023-01-25)
参考文献数
6

我々の開発した光単離化学(Photo-Isolation Chemistry: PIC)という技術は,関心領域(ROI)の高深度トランスクリプトーム情報を高解像度の光照射によって抽出できる.大小さまざまなROIに対応できるため,マウス脳の領野,マウス胚の微小細胞集団や,細胞内の非膜型オルガネラの高深度トランスクリプトーム解析に活用できる.
著者
末永 隆次郎 前田 勝義 山田 統子 沖 真理子 照屋 博行 高松 誠
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.134-146, 1986-07-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

過去のいちごハウス栽培者の健康調査成績から, いちご栽培作業では、腰部等への負担の大きいことが推測された。そこで、年間を通してのいちご栽培者の生活時間構造を明らかにするとともに、収穫i期における収穫作業と選果・箱詰作業について、腰部を中心とした労働負担の調査を実施した。作業姿勢の面からみると, 収穫作業においてはいちごの生物学的制約から中腰姿勢を強いられ, 選果・箱詰作業では畳の上などでの坐位姿勢が中心であった。そして, いちご栽培者の腰部等への負担を明らかにするために, なす栽培者を対照として自覚症状および疲労部位調査を実施するとともに, 脊柱の柔軟性の測定を行なった。その結果, いちご栽培者は腰部に関する疲労症状の有訴率が高く, 脊柱の柔軟性も劣ることが明らかとなった。次に, いちごの収穫時と選果・箱詰時の代表的.な作業姿勢を実験室内で再現し, 表面筋電図を用いて筋負担の程度を検討した。また, 収穫時に無意識にとられていた “肘一膝” 中腰姿勢については, 腰部等への負担軽減姿勢と考えられたが, 筋電図による解析結果と生体力学的解析結果とから判断して, この姿勢は筋負担の軽減よりも, むしろ腰仙関節にかかる力のモーメントの軽減, すなわち骨, 関節, 靱帯などに対する負担の軽減によるものと推測された。最後に, いちご栽培者の腰部を中心とする慢性局所疲労の軽減策について考察を加えた。
著者
中山 泰喜 青木 克巳 沖 真
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.26, no.Supplement1, pp.223-226, 2006-07-01 (Released:2009-12-08)

It is said that the Jomon Age began about 12, 000 years ago and continued till about 2, 500 years ago. The potteries of that age are known as Jomon pottery. Among them, a pottery discovered from the Umataka ruin in Niigata Prefecture in 1931 has an excellent shape. It is said that this pottery was made about 4, 500 years ago. Jomon potteries of similar artistic styles have been discovered in various parts of Japan. These potteries have very nice shapes, but the pottery discovered from the Umataka ruin excels other potteries by its excellent proportion. In this report, it was made clear that the vortex patterns of side wall consist of twin vortex and Karman vortex applying visualization methods using the pollen of cedar and pine trees, and computer simulation.
著者
中山 泰喜 菊池 徹夫 沖 真 青木 克巳 丸岡 計
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.24, no.Supplement1, pp.165-168, 2004-07-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
1

It is said that Jomon Age began about 12, 000 years ago and continued till about 2, 500 years ago. The potteries of that age are known as Jomon pottery. Among them, a pottery discovered from the Umataka ruin in Niigata Prefecture in 1931 has an excellent shape. It is said that this pottery was made about 4, 500 years ago. Jomon potteries of similar artistic styles have been discovered in various parts of Japan. These potteries have very nice shapes, but the pottery discovered from the Umataka ruin excels other potteries by its excellent proportion. From the shape of lip, it was named "Kaen pottery". However, from the patterns of its lip and side wall, it is more appropriate to consider that they are related to water flow. In this report this hypothesis is examined by a visualization method using the pollen of cedar and pine trees, and computer simulation.
著者
林 宏明 稲沖 真 藤本 亘
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.515-518, 2006 (Released:2006-11-09)
参考文献数
13

緑膿菌による趾間感染症(Pseudomonas toe web infection)の2例を経験した。治療は“hyperkeratoticrim”と表面滲出物のdebridementおよび1%酢酸液による足浴が有効であった。緑膿菌はウッド灯を用いると緑色の蛍光を発するため趾間感染症の早期診断に有用で治療効果判定にも使用できた。趾間感染症は宿主側の感受性および環境要因により再発を繰り返しやすい。今回の症例では1%酢酸液足浴による局所管理が再発予防にも有用であった。
著者
中山 泰喜 青木 克巳 沖 真
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1Supplement, pp.161-164, 2002-07-01 (Released:2009-09-03)
参考文献数
2

It is said that the Jyoumon Age Culture continued from 16, 000 years ago to 2, 500 years ago and the people who bore the culture is called Joumon-jin. Earthen ware that were produced by Jyoumon-jin are called Joumon-doki. Jyoumon-doki have been discovered in various parts of Japan and there are many kinds of them. Among them, one discovered at Umataka-ruins in Niigata Prefecture at the end of 1931 is very famous for its nice patterns and it was named Kaen-doki.The patterns on its lip and side wall are related to the water flow, the authors believe. The nice vortex patters of Kaen-doki put on their side wall are two kinds of vortex observed down stream of piles and rocks in the river acting the pollen and fallen leaves, etc. as tracers.This fact was appeared again using Floating Tracer Method, one of the visualization methods of modern age, and the computer simulation.
著者
沖 真帆 塚田 浩二 栗原 一貴 椎尾 一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1586-1598, 2011-04-15

本研究では,家庭内の様子をオルゴールのメタファを用いて音で提示するインタフェース「イルゴール」を提案する.イルゴールの背面に設置したぜんまいを巻いてふたを開くと,オルゴールのBGMに乗せて,過去の家庭の音が聞こえてくる.このように,オルゴールで過去の思い出を振り返るような感覚で家庭の様子を知ることができる.本論文では,実験住宅に複数のセンサを設置してユーザの行動を取得し,イルゴールを用いて生活状況が確認できるかを検証した.We propose a music-box-type interface, "HomeOrgel", that can express various activities in the home with sound. Users can also control the volume and contents using the usual methods for controlling a music box: opening the cover and winding a spring. Users can hear the sounds of past home activities, such as conversations and opening/closing doors, with the background music (BGM) mechanism of the music box. This paper describes the concepts, implementation and evaluation of the HomeOrgel system.
著者
沖 真弥
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

マウスのES細胞を浮遊培養すると、胚様体という凝集塊を形成する。その後、三胚葉を形成し、様々な組織を形成するが、極めて無秩序に分化するため、人為的に分化を制御することは難しい。そこで胚様体の性質のばらつきを調べるために、in situ hybridization法で各種分化マーカの染色をおこなった。その結果、同一シャーレ内の胚様体間だけでなく、単一胚様体内の細胞間でも性質のばらつきが非常に大きいことが明らかになった。特に中胚葉マーカは、day 8の胚様体でも約半数しか発現しておらず、さらに単一胚様体内においても発現細胞の分布はまばらであり、マウス胚のようにクラスター化されていなかった。また、原条前方マーカの発現も同様のばらつきを示したので、中胚葉の運命決定も無秩序であることが示唆された。そこで中胚葉の運命決定を均一なものにするために、FGFシグナルに着目した。マウス初期発生において、中胚葉の運命決定はFGFシグナルの濃度に依存する。したがって化学合成阻害剤でFGFシグナルのレベルを均一化できるのではないかと考えた。まず阻害剤の選別のために、マウス胚を各種FGFシグナル阻害剤で全胚培養し、FGFシグナル標的遺伝子の発現を調べたところ、PD173074という阻害剤が最も特異的かつ効果的であった。また、この阻害剤で受精後6-7日のマウス胚を培養したところ、Fgf8やその受容体Fgfr1の欠損胚と同様、沿軸中胚葉や中軸中胚葉マーカの発現異常を示した。特に沿軸中胚葉マーカの発現は阻害剤の濃度依存的に低下した。以上の結果より、胚様体のFGFシグナルをコントロールするための阻害剤として、PD173074は最も有力な候補であり、マウス胚においてはFGFシグナルのレベルを時期特異的にコントロールできることが明らかになった。
著者
沖 真弥 目野 主税
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究ではマウス初期発生において極めて重要な役割を演じるNodalシグナルの直接的な標的遺伝子を同定し、エピブラストの多分化能維持機構、神経上皮への分化抑制、または原条形成に関わる遺伝子を特定した。またChIP-seqデータを簡易的に利活用できるためのソフトウェア(SraTailor)とデータベース(ChIP-Atlas)を作成し、ウェブを通じて公開した。