1 0 0 0 OA 書評

著者
大出 晃
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.151-153, 1989-12-25 (Released:2009-07-23)
著者
美濃 正
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.161-166, 1990-03-25 (Released:2010-01-20)
参考文献数
12

私は, 確信のない実在論者であり, 科学的実在論者であるので, 本稿(1)では, 科学的実在論を擁護するためには, どのような方針に基づいて, どのような問題に答えねばならないか, という点についての自分なりの見通しを述べることにしたい。言うまでもないことであろうが, 一般に, 実在論-反実在論の対立について論じる場合には, つぎの二つの問題を区別することが肝要である。(1) 存在ないし真理の本性は何か, という問題と,(2) 何が存在し, 何が真理であるのか, また, われわれはある対象の存在主張ないしある言明の真理の主張に対しどのような認識論的根拠をもつか, という問題である。私の見るところでは, 科学的実在論は, 主として第二の問題のコンテキストで論じられるべき事柄である。しかしながら最近, 第一の問題のコンテキストにおいて, 有力な反実在論の論陣が張られているので, はじめにこの立場に対して簡単にコメントし, 第一の問題, つまり存在ないし真理の本性をめぐる問題にどのような答えが与えられるかに関わらず, 第二の問題が重要な哲学的問題として残ることを確認しておきたい。最近の有力な反実在論の立場と呼んだのは, 言うまでもなく, ダメット-パットナムによって展開されている立場の事である。
著者
三上 勝生
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.185-190, 1990-03-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
15

「人間の心の内奥に潜む隠された〈術Kunst〉」 (カント)

1 0 0 0 OA 書評

著者
立花 希一
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.109-110, 1989-03-25 (Released:2009-07-23)
著者
和田 和行
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.111-115, 1989-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
5

この論文においては, 公理的性質論PTC或はPTCEに対する可能性世界モデル及びブール値モデルを, 公理的集合論ZFCにおいて構成する。そして, それによって上記の体系のZFCに対する相対的無矛盾性や公理の独立性を証明する。これらの体系は, いわば様相論理S5とZFCを組み合わせた体系であるが, ZFCが集合を対象とするのに対して, 内包的な性質を対象とする。これらの体系においては, 事態, 完全個体概念, 可能的世界等の内包的対象についての理論を展開することができる 。
著者
奥田 栄
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.123-128, 1989-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
3
著者
林 知己夫
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.55-57, 1989-03-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
1
著者
森岡 正博
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.97-102, 1989-03-25 (Released:2010-11-24)
参考文献数
6

本論文では, 拙論「反事実問題と実現条件」(1)で導入した「反事実問題」という概念について, さらに厳密な分析を行なう。西洋哲学の現象主義は, 反事実条件法については緻密な議論を行なっているが, 以下に議論するような「反事実問題」という概念については, 満足な分析を行なっているとは言い難い。現在直接に経験されていないものとしての「反事実問題」の厳密な概念分析は, この点で, 哲学と自然科学方法論に対して地味ではあるが着実な寄与を成し得ると考える。さて, 反事実問題とは次のものであった。(2)(1) xの存在および状態が現在直接に経験されていない。(2) xの存在および状態は原理的に経験可能である。(3) xの存在および状態が経験されるための (暫定的な) 諸条件を十分条件の形で記述できる。この3つの要件を満たすとき, またそのときに限って, x」あるいは「xの存在や状態についての命題」は「反事実問題」である。たとえば現在日本に住んでいる私にとって,「南極の氷は, (1) 現在直接に経験されていない, (2) 原理的には経験可能である, (3) それを経験するためには「明日飛行機に乗って南極へ行く」という条件が満たされればよい,という三以上つの要件を満たているので, 反事実問題である。ところで,「南極の氷」という概念は, 「南極」という概念と「氷」という概念が結合してできたものとみなすことができる。このとき, 前者の「南極」という概念は, それ自体すでにひとつの反事実問題である。では後者の「氷」は何か。これもまた目の前に現象(3)としてあらわれていないような氷, すなわち反事実問題である。ということは,「南極の氷」という概念は,「南極」という反事実問題と「氷」という反事実問題が, 結合して成立した概念であることになる。このようにいくつかの概念が複合して成立する反事実問題の構造と意味について, 以下探求してゆくことにしたい。いま, この複合を仮に「結合」と呼んだが, 本論文ではそれを「同定」関係としてとらえたい。すなわち,「南極の氷」とは,「氷」が「南極」に同定されて成立した概念であるというふうに。というのも, 「結合」ということばを使うと, どうしても二つのことばが文章構成上単に並列しているという事態を想定してしまうのだが, 以下に詳しく述べる反事実問題の構造は, それだけにとどまらないさらに独特の関係性を構成しているからである。そこで,「結合」とは一線を画した概念をこの構造の描写のために導入し, その性質を調べることが必要となってくる。私たちはそのような概念として, 〈少なくとも何かの点において同一性を措定する〉という意味をもつところの,「同定する」という概念を採用し, この構造に適用することにした。さて, 複合的な反事実問題には, (1) 反事実問題を反事実問題の場所に同定することで成立するものと, (2) 反事実問題を現象に同定することで成立するもの, の二種類がある。この二種類を順番に検討してゆく。