著者
岡野節子 堀田千津子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.117-123, 2007

各家庭におけるすしの実態把握を目的に熊野市の「さんまの姿ずし」、尾鷲市と海山町の「押しずし」、大王町、鳥羽市、阿児町、浜島町、志摩町の「てこねずし」地域別による比較検討をした次の結果を得ることができた。1)調理の有無は熊野市、大王町、鳥羽市、阿児町、浜島町、志摩町が多く、尾鷲市や海山町は調理する家庭が少なかった。 2)家族の形態は熊野市79.8%、尾鷲市74.6%、海山町68.6%と核家族のほうが多かった。しかし、てこねずしの地域は複合家族の方が多かった。3)調理担当者の年齢は60才代が最も多く、次いで50才代であった。 4)調理頻度はてこねずしの大王町や志摩町は「月2〜3回」、「月1回」となり多かった。押しずしの尾鷲市や海山町は「年2〜3回」と少なかった。5)調理の機会はさんまの姿ずしの熊野市、押しずしの尾鷲市、海山町は正月や祭りを中心に調理されている。しかし、てこねずしの志摩市では食べたいときに調理されていた。
著者
梅原 頼子 福永 峰子 山田 芳子 田中 治夫
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.37-43, 1994-02

女子短大生の昼食弁当について調査を行った,結果は次のごとくであった。1)お弁当作りの意識について,「色どりを考える」85.7%,「味付けを考える」,「分量を考える」39.3%,「主食・主菜・副菜の組合せを考える」25.0%であった。2)お弁当の食物総重量は,平均283.1±71.8gであり,重量比では主食55.9%,主菜・副菜40.3%,デザート3.8%であった。3)出現した料理数は,平均6種類。食品数は,7〜10種類の使用が多かった。4)食事形態別にみると主食・主菜・副菜・デザートの組合せが31.0%,主食・主菜・副菜の組合せが61.9%であった。5)料理を主材料別に分類し,料理名をそれぞれ5位まであげると,白飯,卵焼きは6割以上を占め1位であった。ついでウインナーソテー,レタス,ほうれん草のお浸しであった。6)出現した料理名について学生の好みと使用頻度をみると,主食にはおにぎり,主菜にはハンバーグ,鶏唐揚げ,卵焼き,副菜にはプチトマト,デザートにはみかん,いちごが好まれ,よく使われていた。7)栄養素等摂取量は,所要量と比較するとエネルギー(78.5%),カルシウム(24.9%),鉄(47.5%)が不足傾向であった。栄養比率をみると脂肪エネルギー比がやや高値であった。8)学生によってお弁当の評価を行った結果,改良を必要とするのは全体の71.4%であった。改良の内容には,食品数が少なく料理を1〜2品増やす必要があり,なかでも乳製品,果物,野菜が不足していることを指摘した。本研究の要旨は,第40回日本栄養改善学会で発表した。
著者
乾 陽子 前澤 いすず 三浦 彩 山田 芳子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.219-230, 2010

成長期にある高校生にとって、健全な食生活は健康な心身を育むために欠かせないものであり、将来の食習慣の形成、次世代育成に影響を及ぼすものであり極めて重要である。今回彼らの食生活を調査した。結果は次のとおりである。1)多くの生徒は食品や栄養への興味関心が少なく、食事をバランスよく食べようと心がけている者は36.8%であった。2)朝食の欠食率が26.9%で、その理由の多くは、朝食を食べる時間がないためである。3)三食を食べようとする意識のある生徒のほとんどが毎日朝食を食べており、食事のとき挨拶をする頻度も高い。4)約半数の生徒が料理を作ることができ、チャーハン、カレーが作れるという生徒が多い。5)朝食を1人で食べる生徒が46.5%おり孤食が目立つ。6)食事のマナーを注意される生徒は62.7%で、食べるときの姿勢を注意される者が最も多い。7)約半数の生徒が正しい箸の持ち方をしていた。
著者
長澤 貴
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.139-143, 2010

I believe that human infants are cooperaitonal originally, so development and learning occur in cooperation. However there is a certain view which considers development and learning as individualistic, independent, and self-sufficiently process. Such views consider cooperative learning as one of teaching methods, and deprive learning of cooperationality. It is L.S.Vygotsky and M.Tomasello who emphasis cruciality of cooperationality in development and learning. They found unique characteristics of human development in cooperationality.
著者
梅原 頼子 福永 峰子 山田 芳子 田中 治夫
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.83-91, 1998

本学の生活学科女子学生(18〜19歳)1,815名を対象に過去6年間にわたる食生活の実態を調査し,次のような結果を得た。1)居住形態では,自宅外通学生が増えてきている。2)対象者の身体的特徴では,平均身長は6年間同一の傾向がみられるが,平均体重は年々増え,肥満傾向となっている。3)健康に対する自己評価は,約半数が元気でないと訴えており,その自覚症状としては疲れやすい,朝から体がだるい.睡眠が十分とれないと答えた者が多い。4)栄養素等摂取量は,食塩を除きその他の栄養素はどの年度も充足されず,特に鉄,カルシウムは最も低い値であった。5)PFCエネルギー比については,脂肪エネルギー比率は年々増加傾向を示している。6)食品群別摂取量は,穀類および肉類以外は目安量に対し大幅に不足している。また,年次推移では油脂類,牛乳・乳製品,野菜類,調理加工食品は増加傾向を示し,一方,穀類,果実類,肉類は減少している。
著者
西村 亜希子 水谷 令子 岡野 節子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.73-78, 1996

乾麺の調理過程での食塩量変化と摂取時の食塩量を把握することを目的として,ひやむぎ食塩量とゆで時間,ゆで麺の水洗いの関係,さらにつけ麺・かけ麺の二種類の食べかたでの食塩摂取量について実験を行った。その結果,ゆでることで機械打ち・手延べひやむぎともに食塩量は20%以下に減少し,さらにゆで麺を洗うことで5%以下になった。ゆで時間の長短は食塩濃度に関係しなかった。また食べ方についてはつけ麺のほうがかけ麺より食塩摂取量が有意に少なくなった。この食べ方での実際の食塩摂取量はつけ麺で使用材料から計算した値の24%,かけ麺で40%であった。
著者
福永 峰子 梅原 頼子 藤原 いすず 川村 亜由美 山田 芳子 前田 千津子 田中 治夫
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿国際大学短期大学部紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.9-17, 2005

本学食物栄養専攻生68名を対象とし,絵に描いた弁当箱の枠の中に日常弁当と理想弁当の中身をスケッチしてもらい,その中から食品数,料理数,料理の組み合わせなどを集計した。結果は次のとおりである。1)最も多く使用していた食品数は日常弁当,理想弁当とも10〜12種類であった。2)食品群別では最も多く使用されていたのは,日常弁当,理想弁当とも緑黄色野菜であり次いで,その他の野菜,穀類であった。3)料理頻度の割合では,日常弁当,理想弁当とも,主食と副菜は,100%,主菜は90%,デザートはわずか30%であった。4)料理の組み合わせは56パターンあり,最も多かった組み合わせは日常弁当で「主食+主菜+副菜6」,理想弁当で「主食+主菜+副菜3」であった。5)料理数では,主食が27種類,主菜が75種類,副菜が138種類,デザートが19種類であった。
著者
中田 つかを
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿国際大学短期大学部紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.69-89, 2000

学校に外部の人が入る「スクールカウンセラーの役割」として,地域住民,各種の相談所,各関係機関と連携する場合に,教育委員会とともに関係する人々が「結束する方向」にむくよう気を配ることが重要です。そのことは,「スクールカウンセラー」が多くの組織を「横につなぐ役割」をすることになります。そうなれば,親と子供,教師とスクールカウンセラーが,お互いに「適切な情報の処理」ができるからです。現在は親も子供も「情報」が少なく「処理が適切にできない」ため困惑している状態にあります。「情報と情報の間」で「ある種の通訳」をすることをスクールカウンセラーに求められています。子供や親は,教師,専門家や地域の人の「光と熱を持った協力と支援」を求めているのが実情です。スクールカウンセラーは,学校や家庭,地域の中で深刻な現実に直面しており,他の専門家たちの協力と支援なしには,子供と親たち,教師の支援を適切にできないでいます。住民や相談所,関係機関の人々の「バリアー」をこえた「地球市民」としての協力と支援が重要になります。次にスクールカウンセラーが持つべき主な観点を列記します。1.「子育ち,孫育ち,親育ち」の基本ノウハウを地域のみんなで普及する観点 2.「バリアーフリー」という観点 3.「住民の子育て同盟」をもつ観点 4."かけこみ寺"という「子供の居場所」を多くもてる「村や町」にする観点 5.「公的私的な相談所を5つ以上尋ねてに出向く」観点 6.「ボランティア」を公募する観点 7.「地域の子,孫は地域で育てる」観点 8.「三者(学校代表,市町村教育委員会代表,スクールカウンセラー)協議」の観点 9.「子供を守る家」・「安心の家」を協議する場の観点 10.「三世代の子育て,孫育て方式」が町や村に根付く観点 11.「地域広報の活用」の観点 12.「子供の心身の健康は,各相談所・各機関の協力で始めて達成できる」という観点 13.「親と子供に一番いい相談所,関係機関を提供する」観点 14.「四者(学校代表,教育委員会代表,県教委関係者とS・C)の連携と広域の人材協力を強化する」観点 15.「県内の大学がある都市部の連携」を得る観点 16.「村などの地域では大学生も少ないので,大学の協力を得る」観点 17.「状況把握を迅速にするために県単位かその次の単位の広域の関係者の会合が年間3回(春,秋,冬)は必要という観点
著者
山田 芳子 福永 峰子 梅原 頼子 印南 京子 田中 治夫
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.87-103, 1992-02

三重県農林水産部農政課では,三重県における四日市・松阪地区の県立高等学校家政科2年生(女子)164名を対象として,食生活改善重点啓発事業のひとつとして「ヤング食生活講座」を実施した。実施に伴い判明した問題点は次の通りである。1)自覚症状のある者の割合は「疲れやすい」がトップで62.5%,ついで「体がだるい」50.0%,「目覚めが悪い」48.4%であった。2)食事時間が「規則正しい」は22.2%であった。食事にかける時間は,夕食>朝食>昼食の順で短かった。3)朝食の欠食頻度は「ほとんど毎日」が28.8%と高値であった。4)間食はかなり高い摂取頻度であった。夜食・外食の摂取頻度は低い。5)食品や料理の組み合わせを「いつも考えている」は3.1%,「ときどき考えている」は32.3%であった。好きな料理の組み合わせについては主食をご飯,おかずは洋風といった和洋折衷が好まれた。6)食事時間と健康状態,朝食摂取頻度と健康状態および食欲と欠食状況との間には有意差(X^2,P<0.05)が認められた。7)栄養素等摂取量では鉄(60.9%),カルシウム(67.9%)が大幅に不足しており,次いでビタミンC(74.9%),ビタミンB_2(76.4%),ビタミンB_1(78.1%),ビタミンA(83.6%)であった。8)栄養比率はほほ理想的パターンを示した。9)食品群別摂取量では緑黄色野菜(32.7%),淡色野菜(41.3%),果物(32.1%),牛乳・乳製品(35.8%)であり,摂取不足が著しい。
著者
岡野 節子 岩崎 ひろ子
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿国際大学短期大学部紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.69-75, 1999

鈴鹿市国府地区・平野町に伝承されている食文化「そうめんぬた」について探訪し,次の結果を得た。1.「そうめんぬた」は核家族世帯より複合家族の世帯に多く,日常的に調理されている。2.「そうめんぬた」の供食目的については法事食が最も多くみられ,次いで日常食としてであった。3.「そうめんぬた」に用いる材料(主材料・副材料)については,古くから伝承されてきた材料は,時代の嗜好変化とともに少しずつ変わってきている。4.「そうめんぬた」の供食法についてはご飯と一緒に食べることが多く,ご飯のおかずの一献立としている。嗜好状況について家族全員に好まれている。5.「そうめんぬた」の嗜好は年齢が高くなるにしたがって,「大好き」が増加している。6.その他,平野町に伝承される食文化に「どうかんだんご」がある。「天王祭」の伝承は住民あげて参加をしている。また,この祭事には必ず「どうかんだんご」を各家で作ったり,店で購入して行事食として伝承されている。