著者
濱崎 雅弘 後藤 真孝
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.532-534, 2016-05-15

本稿では,音楽とWebが融合した研究を紹介し,Web時代の音楽の姿を考察する.音楽を聴く手段としてWeb上の音楽配信・共有サービス等が広く利用されている.音楽について調べたり誰かと語り合ったりする際にも,Webが用いられる.Webにとっても音楽は重要なコンテンツの1つであり,音楽情報処理研究とWeb研究の双方にとって「音楽とWeb」は魅力的で新しい研究テーマの宝庫となっている.そうした新しい研究の成果が結実することで,音楽とWebの融合が今後一層進み,さらに新たな音楽体験が切り拓かれることが期待できる.
著者
帆足 啓一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.523-525, 2016-05-15

2000年代初めに黎明期を迎えた音楽情報検索の研究の当初の目的は,ユーザからの検索クエリに対して出力される検索結果の精度向上であった.このような研究は,当時主流となっていた楽曲ダウンロード型サービスへの適用を意識したものである.一方,近年主流となっている「聴き放題」のストリーミング型のサービスにおいては,単発の検索結果の精度だけでなく,そもそもの検索・選曲の方法や,ストリーミング体験の総合的な評価が必要となっている.本稿では,これらの流れを踏まえ,今後必要となる音楽検索技術についての一考察を示す.
著者
竹川 佳成
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.526-528, 2016-05-15

本稿では,音楽,特に,楽曲制作・楽器制作・演奏の練習において,ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(Human Computer Interaction)が適用されている事例を挙げながらその意義や動向について解説する.
著者
深山 覚 後藤 真孝
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.516-518, 2016-05-15

本稿では,音楽制作支援を行うための音楽の自動生成研究について紹介する.電子計算機の黎明期から発展してきた一連の研究を振り返ると,そのパラダイムは,音楽理論や専門知識を人間が記述して実装する手法から,音楽データベースと機械学習を活用する手法へとシフトしている.音楽音響信号中の音楽要素(拍や和音)の分析・理解技術の発展にともない,従来は少なかった音楽音響信号のデータベースに基づく自動生成も登場している.まさに今は音楽自動生成研究の転換期といえ,音楽情報処理・ヒューマンコンピュータインタラクション・機械学習等を一層融合していくことで今後さらに進展できると確信している.
著者
吉井 和佳
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.519-522, 2016-05-15

本稿では,音楽情報処理分野における統計的機械学習,特に教師あり学習と教師なし学習の利用法について,ジャンル・ムード・印象認識,コード認識,ビートトラッキング,自動採譜を題材に解説する.
著者
齋藤 大輔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.513-515, 2016-05-15

本稿では音声言語情報処理における主要な研究課題を切り口として,音楽情報処理における研究課題との類似点や相違点,ならびに両分野において独自性のある研究課題について俯瞰し解説する.
著者
北原 鉄朗 永野 秀尚
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.504-505, 2016-05-15
著者
亀岡 弘和
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.506-509, 2016-05-15
著者
松原 仁
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.502-503, 2016-05-15

2016年3月9日から15日にかけて韓国のソウルで世界トップレベルの囲碁のプロ棋士のイ・セドルとコンピュータ囲碁 AlphaGoが5局互先(ハンディなし)で対局し,大方の予想に反してAlphaGoが4勝1敗で勝利をした.ここではその速報を述べる.

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雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, 2016-05-15
著者
井田 明男 金田 重郎 熊谷 聡志 矢野 寛将
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.1399-1410, 2016-05-15

近年では,スコープを細分化して,小さなリリースを繰り返す開発スタイルが広がりをみせているため,見積りの頻度も高くなる傾向にある.ソフトウェアの機能規模の測定方法として国際規格のCOSMIC法がある.この方法は,認知された測定手法であるが,正確な測定のためには,すべての機能プロセスにおけるデータの移動を計測しなければならないため,利用者機能要求が機能プロセスを取り出せるほど詳細でない場合には適用が難しい.それに対して,業務アプリケーションの要求記述は,機能に関する記述の網羅性は概して高くない.なぜならば,要求記述は,何を管理したいかに主眼が置かれ,どのように管理するかについては,あえて捨象されるからである.そうであるなら,要求記述から直接的に機能プロセスを網羅的に抽出することはできないと考えるのが妥当であろう.そこで,本稿では,COSMIC法をベースに,業務で扱うエンティティの存在従属性に着目した機能規模の測定法を提案する.要求記述から先にエンティティの存在従属グラフを作成し,そこから機能プロセスを抽出して測定を実施する.そのため,利用者機能要件の取りこぼしが少なく,正確な機能規模の測定が行えると期待される.確認のため,宿泊予約サイトの要求記述について,提案手法による測定結果とCOSMIC法による測定結果を比較した結果,それらの間には高い一致性が得られたため,提案手法は有効であると判断する.
著者
Tomohiro MORIOKA
雑誌
じんもんこん2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.1-8, 2015-12-12

CHISE 文字オントロジーで採用している多粒度漢字構造モデルは現在使われている漢字を整理する上 では一定の成果をおさめているが、前近代の多彩な漢字字形を対象にした場合にどうなるかについては明 らかでなかった。また、各包摂粒度の包摂範囲を合理的に規定するためには字体・字形用例の存在が重要 であり、CHISE 文字オントロジーにグリフデータベースやグリフコーパスを統合することが望ましい。そ こで、本研究では漢字を対象とした代表的グリフデータベースの一つである「漢字字体規範データベース」 (Hanzi Normative Glyphs; HNG) の CHISE 文字オントロジーとの統合を試みた。ここでは、その概要に ついて述べる。